もともと、英語でアメリカ人を対象に書き上げた’Five Seasons of money’をもとに、この連載をはじめました。

冬からはじめ、春、夏、土用、そして秋編が最後。

英語版では、一応秋編も5つの章に分かれてましたが、ここへ秋編の残り2つの章、

 

4.友人、知人と上手にお金の話をする方法

5.お金のプロとお金の話をする

 

今の段階で別々に書くのではなく、一つにまとめ

日本の状況に関しての問題提起

にすることにしました。

 

英語で、Financial Literacy という言葉があります。

Literacyとは、読み書くできる能力という意味で、Iliteracy(否定形)が、文盲という意味になります。

 

ですから、Financial Literacyは直訳すると、お金に関しては文盲でないこと、つまり

お金に関する知識が身についていて、その知識に基づいて自分でお金と付き合えるという感じです。(「稼ぐ」「貯める」「増やす」そして税金についても)

 

アメリカにも、個人レベルでFinancial Literacyがそこまで行き渡っているわけではありません。

 

ただし、日本とアメリカの大卒中流を比べた場合、

お金に対する意識の差にはかなりすごいものがあります。

 

アメリカも70年代ぐらいまでは日本とそれほど違いませんでした。

日本は何でも国がやり、あの頃までのアメリカは巨大企業が被雇用者の生活保障という違いはありましたが、基本どちらも、真面目に働いていれば老後は年金で普通に暮らせる時代でした。

 

が、その後最初の相手は奇しくも日本だったわけですが、国際競走の並が押し寄せアメリカの巨大企業は、大きな変革期を迎えました。

 

まあ、色々なコストカットを迫られたわけですが、何より老後保証が、それまでの年金型から、今や日本でもやっと浸透が始まった、確定拠出年金制度へと切り替わったのです。

 

何故これが企業にとってコストカットになるかというと、

 

年金の場合、企業にプールされたお金は企業が管理運用し、一方あらかじめリタイア時の年金支給を保証しなくてはなりません。つまり運用リスクはすべて企業の責任となります。

 

一方、アメリカ型の企業が設定する確定拠出年金の場合、企業は個人の積立に基本マッチと言う形でお金をだします。福利厚生費の一部ですね。さらにこの制度で具体的にどんなファンド(アメリカの場合たいてい相互信託、Mutual Fundです)を選べるかお膳立てをした上で、

その先の運用そして運用リスクは、被雇用者の責任です。

 

この流れが、中流階級がファイナンシャル・プランナーや、ファイナンシャル・アドバイザーを必要とする理由に繋がり、さらにFinancial Literacyをあげようとする動きにもつながったという経緯があります。

 

実際、いまでこそどんどんETF(上場投資信託)にどんどんシェアを奪われてますが、この経緯でそもそもMutual Fund (相互信託)の爆発的市場拡大が起こったのです。

 

そして、それにつれて投資関係の一般的知識を広がっていきました。

 

と、ここまでが背景で、では、日本の問題点を5つにまとめてみましょう。

 

1.確定申告しない

 

とにかく、日本のサラリーベースの被雇用者は、税金に対する意識が低すぎると思います。

私はまだ日本にいたころフリーランスだった時間が長かったので、毎年確定申告してました。その際日本の税務署の相談口は、たとえばアメリカのそれよりずっと親切でしたよ。

フリーランスでなくとも、最低副業をもっているのでしたら

絶対に確定申告しましょう。

特に、青色申告が可能なら、絶対にしましょう。

 

白色申告に比べ、青色申告は記帳などの条件があって面倒くさいという言い方をする人がいますが、それこそが自分のお金の状況についてきちんとフォローする習慣へとつながるのです。

 

個人のバランスシートをキープするのはそれほど難しくありません。

 

日本にもすでにMoney Forwardというオンラインの個人のファイナンスを管理するツールがあります。

実は、夏に日本人向けにファイナンシャルプランの連載をはじめましたが、秋冬はアメリカにいるので今中断していてすみません。

日本のスマホのアプリなども使うので、アメリカにいる時はちょっと具体的なことを書くのが難しいので、すみません。

 

こちらに、今まで書いた分のリンクを張っておきます。

アメリカの現役FPが教える一人でできるファイナンシャル・プランニング入門 その1 デビットカードとアプリについて
アメリカの現役FPが教える一人でできるファイナンシャル・プランニング入門 その2 マネーフォーワードME プレミアムを選ぶ最大の理由とはなにか。
アメリカの現役FPが教える一人でできるファイナンシャル・プランニング入門 その3 マネーフォーワードでBalance Sheetを作る。

 

2.保険会社を鵜呑みにしすぎる

 

保険は大事です。アメリカでも本当に様々な保険を売ります。

後、保険会社大手は、今や老後に欠かせない年金商品の供給者でもあります。

でも、日本の保険会社や、日本人のFinancial Literacyの欠如にあぐらをかいた同しようもない商品を堂々と売り出しています。

いや、私妹の会社に売りに来る保険を全部比べさせられたから、それでリアルに日本の保険と年金商品の酷さを知りました。

面白いというか、悲しいというか、こういう商品を売っている当人たちが、自分たちがいかにひどい商品を売っているか全く自覚してません。

 

皆さんがまだ40前でしたら、日本の場合たぶん一番安い掛け捨てと、簡易保険の組み合わせで十分だと思います。ただし額面は40歳で少なくとも年収15倍から20倍が目安です。まあだから安い掛け捨てを探す必要があるのですが。

 

アメリカの場合、掛け捨て保険に後で積立できる永続型の保険に変換できるオプションを付けることができます。ですから、効率の良い保険のデザインは結構複雑。富裕層の場合、税金対策として保険を買うことが普通なので。

 

ただ、外資系や、Sonyがどんな保険を日本で今売っているのかまだ調べてないので、今後もっと調べて記事にしますね。

3.銀行預金が多すぎる

これ特に、日本のシニア世代がひどい。銀行どころか郵貯でしょう。

郵貯は大体お金の運用なんてほとんどやりませんよね。だから郵貯に眠っているお金は、完全に

死に金です。

 

銀行預金は2つの用途でのみ使うのがオススメです。ひとつは当座預金の用に使う普通預金として。これは必ずオンライン講座で、かつデビットカードを発行してもらえること。

 

Financial Literacyから見た、現金をなるべく使わない最大の理由は、便利さではなく、

自動的に記録がのこること

 

日本人て結構せっせと家計簿とかつけるけど、その一方で全体のキャッシュフローもバランスシートもわかっていない人が多すぎる。

 

そしてもう一つの口座は定期ではないけど少し利子がつく口座(だからデビットカードは多分発行されません。)。ここには6ヶ月分の生活費を常にプールしておくことを進めます。

 

あと、もう一つすごく心配なのが、長期すぎるだからこそ大きすぎる持ち家用のローンを気軽に組みすぎます、

4.投資と投機の区別がついていない

これは、連載終了の’富裕層への道、’運 ギャンブル 投資 起業’で、順を追ってきちんと書きましたのでこちらをお読みください。これは必ず順に読んでください。あ、後でNoteにします。

 

’運、ギャンブル、投資、起業’ 1.Abyssの若くして大金を手にした子供たちに捧げます。

 

Netで人気の、FXも仮想通貨も投機であって、投資ではありません。若くてなんの柵もない人たちが、投資の種銭を作るために、効率的に運試しをするのはいいですが、老後の資金の資産運用にはまったくおすすめできません。

5.確定拠出年金制度を利用していない

税金のことがわかってきて、投資の基本を理解したなら、上手に確定拠出年金制度を使うのが以下に重要かわかってくるはずです。

これに関しても、ファイナンシャルプランの連載再開時に触れたいと思います。

 

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実は今、アメリカのFPとして英語の’Five Seasons of Money’のホームページ立ち上げに着手しました。当初は年内でしたが、まあこういうことは遅れるのでせめて1月中には公開したいと思います。

あちらには、多分週イチぐらいのペースで、英語のブログも書いていく予定です。お金がらみの話はすべてコンプライアンスを通さなくてはならないので、あまりこのブログほど自由に書けませんが、まあ興味のある方はチェックしてください。

公開はその時にアナウンスしますので。

そうそう、残り半分のポストは、日本の四季の移り変わりや生活習慣について書きたいと思ってます。

 

では、ここで一応’お金の五季’終了です。

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