なにせ先週の選挙のせいで、ついいつもとは違う波長になってしまい、この連載も更新が遅れてしまいました。ともかく、喜ばしい結果のおかげで、心の落ち着く冬が迎えられそうで嬉しいと思います。
さて、四季というと普通は春夏秋冬ですよね。でも暦はいつも新年から始まります。これがアメリカだとやはりクリスマスが一年の終わりっぽい。なにせ大晦日は普通の仕事日だし、新年も2日からすぐ全て普通に戻るので、昭和生まれの私としては非常に寂しい。
実際日本が一番恋しくなるのは冬、それもお正月前後です。
今でこそ日本も昭和的なお正月風景はあまり見られなくなってしまいましたが、私がまだ子供の頃は、やはり一年で一番楽しみでした。
お正月料理は特別好きなものばかりではなかったのですが、やはりお餅やお雑煮は大好きだったし、あと父の好みで毎年ハムまるごととか、美味しいお肉とかがたされていたのも楽しみでした。
私は妙に家事を手伝う長女だったので、師走の大掃除と手伝いやらも結構頑張ったし。
もちろん、なんと言ってもお年玉がもらえるのは大きかった。今の日本ではどうなっているのでしょうか。やはりギフトカードより、可愛らしいポチ袋に入った、お札って凄く嬉しかったです。
でも、一番記憶に残っているのは、父の最初の小さな本社事務所があった浅草橋の問屋街へでかけて、一般人向けの安売りを一緒について回ったことでした。これも酉の市の一部ということでした。
本物の、浅草寺での酉の市には出かけるとしも、端折る年もありましたが、この仕事納めの日、大体27日か28日に連れて行ってもらいました。
父はお店の人と色々話しながら、調子よく交渉し値切るプロセスを楽しんでました。
父は一橋大学を卒業後、総合商社を一年でやめ自分の商売を始めた人間です。それなりに裕福な子供時代を過ごしていましたが、この起業で初めてお金の重さを知ったのだと思います。
だから、毎年の暮にこうやって娘たちをつれて買い物をして回るのが楽しかったのだと思います。
少なくとも値切るのはいいことだ。お金に対してはっきりしているのは凄く大事なことなのだと、そんな父を見て私はそれなりに学習していたと思います。
とはいうものも、それは父から学んだもの。母のお金に対する態度は全く違いました。女がお金の話をするのははしたないという教育を受けてましたから、私はその父との正反対なお金に対する見方を簡単には無視できません。
父のようにありたいのに、母の視線を感じてある種の罪悪感を持つといえばいいのでしょうか。
もちろん今まで、色々な’お金持ちになるためのHow To 物’で繰り返されていたことですが、お金をうまく付き合っていくためには、まず
お金と正面から向き合える。
これなんです。
ただお金と正面から向き合うということは、何も常に金勘定しましょうというわけではありません。
もちろん、事業主の場合は事ビジネスに関する限り、きちんと金勘定できないと死にますが、それは儲けをキチンと出していかないと、結果的に事業に関わる全ての人に迷惑がかかるからであり、単にお金儲けにこだわるというレベルで済む問題ではないのです。
そこで、今風のMindfulnessというコンセプトを、お金に対する最適な関係性として持ち出してきたわけです。
Mindfulnessというわかったようなわからないようなコンセプトを相手にする時、私はもう少しわかりやすい比較を取り上げます。
これがものすごく意味を持つ日常3分野が、
ダイエット、食生活
生活空間の整理整頓
お金
だと思うのです。
食べ物にたいするMindfulnessとは、まさに自分が今食べているものを本当に味わって食べる、基本はそれだけです。
が、これは’Recording Diet’で受けいられるようになったリアルですが、太る人ほど自分がいかに食べているか意識していない。
だから太る。で、そういう人はただ自分が食べているものをすべて記録するだけでもかなり食べる量が減ってしまいます。
整理整頓に関しては、それがだめになるほどどんどん汚部屋になり、最終的にはゴミ屋敷化します。そしてゴミ屋敷に平然と住んでいる人の目には、ゴミがゴミとしてもう写っていないのです。
振り返って、お金のMindfulnessを考える時、今の時代はちょっと厄介です。そこらじゅうでクレジットカードが使われ、それどころがスマホや電子マネーがどんどん浸透していってます。
昭和の現金感覚のままだと、こういう変化に対応できず、それが原因でお金との関係がまずくなることが増えていますから。
昔々、マルイが初めて登場した時、父は蛇蝎のように嫌がっていました。ローンで日常消耗品やら服を買うなんて何事だと言うのです。
それて、ローンには利子がかかります。現金はそれだけで割引対象になる時代でしたから。それがいつのまにか、お金が電子化され世界中を巡るようになり、現金はむしろマネーロンダリングされる対象に成り果ててしまった。
というわけで、次回は今の私達が、現金抜きでお金のMindfulnessを実践する方法についてお話したいと思います。