’来世は他人がいい’、第四巻発売、大阪に舞台が移り、役者は増え、さらに狂走加速。で、やはり今更ながら吉乃の凄みに萌えてしまう。

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もう、待ちに待った第四巻ですね。すでに2回、この漫画については書いてますんで、漫画のながれとかベースライン知りたい方はこちらをどうぞ。

‘来世は他人がいい’、小西明日翔 超極道ラブストーリー、恋の狂気が1000%深化、ひたすらはまります。

そして、第三巻が出て書いたこちらも、あ、これ人気記事なんですよね。

’来世は他人がいい’第3巻発売、他者を受容する,吉乃最高に好き、今一番熱い漫画ヒロインはこの人だから。

というわけで、ここから先は、ストーリーをたどるわけではないけど、どうしてもネタバレになりますので。でも、第4巻でしょう。いまさら、読まないでこんな記事読んでどうするのやら。

ともあれ、夏休みを迎え、吉乃は、霧島を伴って久しぶりに大阪に里帰りするあたりから話は始まっていく。

で、この4巻て、前半はも大阪が舞台のほのぼのご当地漫画かしらというぐらい、いい意味でのんびりしてるのです。

作者は、大阪出身か、大阪Loveかのどちらかでしょう。

根っからの東京っ子である(しかも私、きちんと東京も下町育ちですからね、地元東京って感じも結構身に染みています。)、この大阪に久しぶりに戻ってきて、大阪らしさを楽しんでいる吉乃が、完全にAwayな霧島を引きまわし、あれこれ買い物(圧倒的に東京もんには訳が分からない食べ物が多い)するところはどうってことないけど、何度読んでも

楽しい。

一番笑えるのは、外見だけはイケメン好青年の霧島と、庶民最終形態’大阪のおばちゃん’たちとのやり取り。

霧島というひとは、根っからのホスト体質というか、息を吐くように女の喜ぶ言葉を口に出せる男ですから、もうおばちゃんたち大喜び。で、すごいのは、

おばちゃん、霧島に投げ銭をあげる

いやー、最高でしょ。

霧島に比べると、同じく完全に吉乃命の、大阪人、翔真は、純情ですね。でも絵柄から行くと、翔真のほうが、大きくなった美少年ポイですが。私はビジュアル好きです。

ただし、吉乃が絡むと、たとえ名前ひとつでも、彼見事に切れます。

ほんと、かわいい!!

これに比べると、霧島の切れ方のほうが怖いかも。もっと淡々とでも最後まで跡形もなく念を入れて切れる。

実は後半話が、どんどんきな臭くなる背景には、このちょっとしたお仕事ながら、結果的吉乃の手を借りることになった案件で、’霧島、吉乃の殴った半ぐれに切れすぎた’事件が原因だったりします。

それと、霧島の、性欲と実益を兼ねた女性関係、局アナに内定している女子大生タレント菜緒の元カレが絡んできます。

霧島のが一体何のために、いろいろやるのか、正直吉乃のにも読んでいるこちらにもまるで伝わってきません。

そういう意味では、たぶん今回後半ぞろぞろ登場するゲスのなかでも、やくざでも、半ぐれでも、家が悪いわけでもないのに、どうしようもなくろくでもない男菜緒の元カレ小津と、霧島がどれほど違うのかはっきりしないのですが、

と、あまり深入りしないようにしてきた吉乃が、翔真にまで、霧島に関心がなさすぎるといわれたのがきっかけで、べたな水族館デートで、突然まあいろいろと霧島に質問を始めるのですが、

ここで、おぼろげながらはっきりしてくるのは、霧島の子供時代というのは本当にどうやら以上だったということです。

結局、霧島と吉乃の今が最大通底するのだとしたら、基本

二人とも環境に過剰適応して生き延びた子供たち

ということになるのですよね。

前回の記事でも引用しましたが、霧島が吉乃についてこう語るのです。

’窮地に追い込まれれば大抵の人間はそこからどう抜け出そうかと考えますが、吉乃さんはその窮地で普通に生活を始めるようなそんな感じです’

でも、一方どうやら霧島は霧島で、窮地を最大限に活用しながら生活してきたのでしょう。

さて、四巻後半、ここは大阪、霧島の行動を補足し始めた吉乃は、基本どんだけ悪たれをついても、かって翔真を守り抜いたときと同じく、霧島を守ろうとするのですよね。

いやー、いままでで一番物騒な吉乃さんです。

やはり、いくら処女でも、’大阪のおばちゃん’’前形態でも、基本は

組の姐さん体質ですね。

で、話がどんどん暴力的になる最大の理由は、実は吉乃は、霧島を守ろうとし、霧島は吉乃に、手を触れさせまいとしたあげく、ぎゃくに何もかもがエスカレートしていく。

まあ、霧島のとくに行動を見る限り、とにかくそこらじゅうで恨みかっているはずでもありますし。

でも、このエスカレート状態のさなか、霧島は改めて、吉乃が自分にとって唯一無二の存在であることを宣言するのです。

ここで霧島は、はっきりと’愛してる’とほざく。

この男に愛が分かるとは到底思えないけど、ただ

吉乃しか’意味’を持たないのだろう。

吉乃は、きっと翔真となら、いい年下の姉さん女房みたいな関係になること可能だと思います。家族愛に近い、穏やかな結びつきは、たとえやくざという特殊な世界の中でも可能ではないかと思わせてくれる。

では、吉乃にとっての男は、今にいたるまで

家族とやくざしかいなかった。

吉乃のビジュアルについて、この作品のなかではもう執拗なまでに、

水商売みたいな女と形容される。

これは、一応恋物語ではあるのだろうが、その主人公のヒロイン吉乃は、一度だって普通の女の子であったことがない、子供時代が終わるとすぐ、お水の女としか見えないステージへと突入したのだから。

正直に言おう、私には吉乃が恋に落ちるという状態が、どうしてもうまく想像できない。

でも、もし霧島と吉乃が結ばれるということが、霧島の翔真化を意味するのなら、

それはあまりにつまらない。

もしそんな展開になったら私、この漫画Deleteする。

いやだから、何か今まで見たことのないような恋を見せてくれるような予感を今のところかかえこんでます。