私はもともとラノベは読まなかった。でも、ラノベのコンテンツにはアニメや漫画を通して、十分その魅力に触れている。

 

なんといってもいまだかなりの大作になった、

 

’転生したらスライムだった件’はそもそもラノべ

 

で、このヒットが後押しして、いわゆる転生やり直しチート系のお話がやたらはやっている。ただ、Rentaをいつもチェックするので、たいていまずは漫画で読んでしまいます。

 

ちなみに、すこし前に取り上げた、こちら

 

’乙女ゲーの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった’

 

だってそもそもラノベ、これも転生ものだけど、男の子が主人公の転生チート物とは一味違うけど、なんというのかな女性向けコンテンツの間隙の縫って誕生して、かなりブレーク中。

 

良かったらこちらの記事読んでください。

 

祝い’はめふら’アニメ化、’乙女ゲーの悪役令嬢転生’’というジャンルに込められた日本人女性の深い憤り、お勧め作品もいろいろご紹介しますね。

 

とにかく個人的にこのジャンルは期待してます。まだ連載中のものばかりなので先が楽しみ。

 

さて、少しずつだけどRentaで漫画を買えるのにもかかわらずラノベを読みだした最初のきっかけは、

 

Kindle Unlimited

 

つまりKindleの読み放題のサブスクです。もちろんKindle 化しているすべての本を読めるわけでは到底ない。割とビジネスとか実用本だと結構最近の本が入ってくるけど、小説はいわゆる旬のベストセラーとかあまりすぐにははいってこない。

 

結局どの本が最初だったかちょっと思い出せないけど、結構いろいろ読んで、そこそこのものもあれば、え、これすごく面白いでしょというのも結構ありという感じ。

 

で、実は今回筆頭に取り上げる’破滅の刑死者’ですが、実は結果的に一冊目はKindle Unlimitedで読めましたが、そもそも’闇の子供たち’を読んでかなりきつくなって、何か気分を変えようと思って手に取ったのがこのラノベだったのです。

 

 

ラノベですから、カバーイラストはかっこよさげな漫画風ですよね。で、わたしまずタイトルと主人公らしき人のビジュアルに惹かれて、どちらにしても一巻目はKindle Unlimitedで読めるので読み始めましたが、これが

 

大当たりでした。

 

今のところ3巻まででてます。これで終わりにするのか、それとも続きを書くのか、個人的には書いてほしいです。だってこれだけ魅力的なキャラクターそうそういません。

 

この作品のばあい、厳密には第二巻が、第25回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》を受賞してます。著者である吹井 賢の処女作で、大体第三巻はこの3月に出たばかりです。

 

では、この作品を参照しつつ、ラノベ独特の魅力を、普通の中間小説や、逆に漫画と比べながら見ていきましょう。

 

1.主人公をはじめとする魅力的なキャラ

 

これすごく大事なのですよね。まず初めの10ページぐらいでまあ、普通は主人公に感情移入することができなければ、ラノベとしては失敗です。

で、一人一人の好みはあるものの、ラノベの人気キャラは、ある程度までは漫画やアニメの人気キャラの原型を踏襲しますね。

私はもう、圧倒的に、

 

闇を抱えた美少年か美青年が一番

 

大体、結構面白い今風のミステリーでも、ほとんどのキャラは私が全く感情移入できない

 

オジサンたちです。

 

早い話が、萌えないとだめです。ちなみに’破滅の刑死者’の主人公、戻橋トウヤ君は、どうやら一種の性格破綻者で、自分の命を賭けてないと生きている気がしない厄介な人。いやもろですね。

 

2.ユニークな世界設定、きちんとSFする必要はなし

ラノベのほとんどは、ある種のファンタジーです。つまり、普通のミステリーのようにもろ現実世界を踏まえての設定ではなく、とにかくお話を最高に面白くするために、設定の荒唐無稽さに

 

限界も、ためらいもない。

 

だから、なんといってもラノベというと、ここ10年ぐらいはとにかく異世界転生ものが多いのでしょう。でも、ただ転生しただけじゃ芸がないので、どんどん凝った世界設定が創作されてますね。

 

そして、それと同時に多いのが、今回のラノベでも使っている、

 

異能力者の存在する世界

 

ラノベではありませんが、原作付きの漫画なので、ラノベ的要素の強い、この作品当たりが私は好きで、割とこれを他作品を評価する場合の指標にしてます。

 

 

’破滅の刑死者’の異能者たちは、ある種割とわかりやすい、対価を引き受けながら自分の異能力を使い、結構全体としては暗い世界観になってます。

 

簡単に言うと、結構

 

復讐か、怨念の択一みたいなベースラインがいいです。

 

3、敵役は、あくまで半端なくEvilでカッコいい

これは、本当に普通の中間小説のミステリーと完ぺきに異なるのですよね。ラノベの場合、敵役は、意味なく悪いほうが決まります。

 

で、敵役でも、あまり見難いタイプだけでなく、やはり見た目もカッコいいほうがいいですね。ね

 

’破滅の刑死者’の場合、一巻の敵役は、割とある意味人間的です。でも、2巻、3巻は、いかにもラノベらしい、カッコよくも、おぞましい敵役が、私たちが応援する主人公をいじめてくれます。

 

ところが、これが普通の中間小説の敵役だと、基本あまりキャラが立っていない。さもなければ、変に社会派めいて、悪事を働いた言い訳ばかりがでてくる。

 

確かに、内容が社会派でも、よくできたミステリーは、人物背景、動機、結果として生まれる異常な犯罪状況をうまくからませてます。

 

でも、ラノベは、とにかくまずキャラが立った悪役が醍醐味なのです。

 

4.ミステリー系ラノベのミステリー要素は、凝りに凝っている

正直に言いますと、’破滅の刑死者’の作品の要素として、全体を最終的に輝かせているのが、この要素のすばらしさなんです。

 

ラノベ設定でのミステリーは、ただのミステリーと違います。

 

荒唐無稽であることは、当たり前だけど、その世界観の中でかなり綿密にロジックを構築できる作品が秀でています。

 

それは、単なる犯罪の謎解きに限りません。

 

例えば、サバイバルホラー系なら、一体どうやって残酷な状況の中で生き延びるかなって質問に、きちんとロジカルに回答していくプロセルが萌えるのです。

 

’ネタバレになるので、詳細にはふれませんが、主人公の戻橋トウヤ君のすごみというのは、ただ異能力を使いこなすだけにあるのではなく、彼の人格設定の延長としての、行動や、推理、そして戦い方が、この上なく秀逸なのです。

 

その意味では、やはり、三巻目のクライマックス、今までいろいろなサバイバルバトルの描写を漫画、ラノベともに見てきましたが、これは本当に感動し圧倒されました。

 

5.あらゆる戦いの細部へのこだわりと、RPG的メタレベルの存在

 

たぶんこれが、ラノベの漫画に対する一種の強みではないと思います。

 

例えば異世界転生ものなら、ゲーム世界風設定で、どうやって能力を伸ばしていくか、一番わかりやすいのが、チート魔法使いみたいな主人公は、いろいろなルールを逆手に取りながら自分の魔力を強化していくプロセスとか。

 

怪物一つ倒すのでも、どんな攻撃でどう倒すかという詳細にこだわったりします。

 

例の、悪役令嬢に転生する話なら、いかにして破滅フラグを避けるかということについて、こと細かく立ち入ってくる。

 

逆に、転スラあたりだと、魔物の国を少しずつ作っていく、その過程が妙にリアルでつい読みふけってしまう。

 

異能ものなら、この’破滅の処刑者’でもそうですが、異能がらみのバトルは、事細かに描写されていて、そこがおもしろい。

 

 

ここまでまとめてみて思いましたが、一つ一つを見ていくと、結構面白いRPGと重なる部分は多いです。

 

ただし、

 

やはり、ラノベのほうが1000倍エモい

 

というわけで、萌える絵抜きコンテンツであるラノベ、これからも結構読むつもりです。

 

 

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