東洋経済でテイラースイフトの民主党投票宣言の話が今日掲載されてました。
で、このライターさんは、極右と極左どっちもどっち見たいな書き方してましたが、アメリカには基本的に共産党とか本当の意味での極左は事実上存在しません。
このライターさんが取り上げているフェミニストたちは、モデルとか男性が押し付けている現在の美の基準に対して意を唱えてますが、それは極左とは違います。
ただし、トランプ以降極右がものすごく表立ってきたのは事実です。
ここで、極右といった場合基本的に,
ネオナチ、そしてWhite Suprimacist(白人優位主義者)です。
正確な歴史の流れをまるでしらず、こういういい加減な並列化をする言説は実は非常に危険です。
たとえば、先の大統領選挙で、民主党のサンダースサポーターが、トランプとヒラリーの並列化に見事に乗せられて、トランプ大統領が実現してしまった経緯がありますから。
個人的な好き嫌いはともかく、政策を普通に比べた場合、とにかくこの二人にはアメリカの中間層から見た場合、
雲泥の差があります。
ただ、かってにテイラースイフトを祭り上げていた、White Boysがものすごくショックを受けているのは事実です。
彼女はもともとカントリー出身なので、割とカントリーイコール田舎イコール共和党みたいな決めつけをされていたのは事実です。
そしてもう一つは、彼女が金髪碧眼の非常にわかりやすい美女であったことも大きいのです。
逆に、今の民主党支持者の音楽の好みなんてもう信じられないぐらい多様化しているので、こういポップスターはノンポリか田舎者の好みなんていうかなりひねた見方をされていたのも事実です。
私の音楽の趣味もそんなところで、カントリーっていまいち興味ない。まあ、時々女性のカントリーシンガーで、とにかく信じられないぐらい歌唱力のある人とかはいますが。
ただ、本当は女性カントリーシンガーが保守という決めつけはかなりずれてます。彼女たちはいわば男性優位主義者のなかで、生き残ってきたわけですからね。
ともかく、いま共和党は中間選挙を前にしてかなり焦っています。
そりゃそうでしょう、あれだけこの国の基本をめちゃくちゃにするようなことやりまくったんですもの。
先週は、ケーブルTVのニュース番組で、もとトランプサポーターの懺悔大会なんてかなり変なことをやってましたから。
さて、中間選挙ですが、
選挙結果がHackされない限り、まず下院は民主党の勝利でしょう。
あと、いままで長い間共和党が占めていた、共和党基盤の州知事の選挙も、ものすごい接戦になっています。
これも、やはりいくつか民主党が取ってしまうでしょう。とにかくトランプに近かった州知事ほど今回は危ない。
さて、問題は上院です。
そもそも、夏までは民主党が上院を取り返すのは無理と予想されてました。
ところが秋になってから、共和党はますますますサポーターを失い、そして民主党側を活性化するような行動を加速されます。
私が、本当に胃が痛くなる思いだった最高裁判事候補のけんとか。
で、ここに来て上院選挙戦で安全圏にいるとされていた共和党地盤の雲行きが危うくなってきました。とにかくすごい接線が増えてきました。もしこういう激戦区を民主党側が取ってしまうと、上院すらひっくり返ります。
で、もともと共和党は自分たちが知事である州でとにかく自分たちに有利になる政策を勧めてきました。
その一つがGerrymandering. これ、一言で対応する日本語がありません。で、意味は自分の等に都合のように選挙区を境界をいじることによってつくりかえるこれです。
例えば南部の場合、実は白人と黒人の人口比は拮抗しています。でも、普通南部州と言うと圧倒的に共和党の議員さんが選出される。
つまり、Gerrymanderして、黒人の多いところを無理やり一つの選挙区に集めてしまうのです。でそのまわりのすべての選挙区では圧倒的に白人が多くなる。南部の白人は共和党支持なので、選挙結果もそれなりのものになるという仕組みです。
で、今現在Gerrymanderingのどこまでが合法でどこから違法なのかについてもめてます。
ただ、これは選挙区として不公平ですが、それでも投票する権利そのものを妨害することではありません。
トランプが大統領になって以来、とにかく共和党が一番力を入れているのが、
Voter Suppression
つまり何らかの方法で投票そのものを妨害することです。
もちろん、真正面から妨害することは100%違法です。
だからこそ、もと犯罪者の投票や移民の選挙権登録、そして投票手続きを難しくしようとしています。
トランプのアンチ移民のレトリックにはこんな背景があるわけです。別に移民がアメリカの経済の負担になっているという証拠も、移民の犯罪率が高いという証拠もありません。
言いたくないけど、とくに南米やメキシコからの移民の方たちは本当に真面目によく働きます。家族を大事にする文化でもあるし。
せて、昨夜ひさしぶりにRachel Maddowの9時のショーをつけたのです。基本例のサウジジャーナリストの殺人事件関連のことが気になって。
しかし、彼女のトップトピックは、North Dakota州の新しい選挙登録規制でした。
これインディアン居住地に住むアメリカ・インディアンである選挙民をターゲットにしたものです。
アメリカ先住民族を選挙登録から外そうとするなんて!!
アメリカの場合、住所にはまずストリート名があり、建物の番号、そしてアパートに住んでいるなら部屋番号と続きます。
が、居住地に住む人にはそもそもストリートがなく、みなP.O.Box、つまり個人個人の郵便箱をストリートアドレスに使っています。
で、共和党知事下のNorth Dakotaは、突然P.O.Boxでは正式住所とみなせず、結果的に選挙登録はできないという通達をだし、それが、あのクリープが多数はを完成した最高裁で認められたのです。
居住地の人口は2-3千にん、基本民主党支持です。で、いまNorth Dakotaの上院選挙戦が完全にDead Heat,ですから、ほんの数千で選挙結果が決まりかねないのです。
もちろん、3週間をきってしまったいまから新しいストリート名を正式登録して、更に新しい住所を皆に登録させてなんて、
不可能です。
このニュースが月曜に放送されたあと、ある民主党系のサポートさいとではなんと70分間で1000万の献金が集まりました。
この居住者の方々は、もう何十年もこうやって貧しいながらも選挙に参加してきたわけです。
さすが、他のアメリカインディアンのコミュニテイにも激震が走りました。
さすがこれが全国ニュースになって、この居住地の人たちもこのままだまりません。今の段階では居住地内できちっとID確認し、それを確証するドキュメントを出すという方法を発表します。
それを、North Dakotaが受け入れるかどうか、なんと政府側は今の時点ではっきりしたことを言いません。はっきりだめというとその反応も怖いから、なしくずしに時間切れまでのばし、で土壇場で突っぱねるつもりに見えます。
でも、本当にそこまでやるのなら、
もはや民主主義とは言えません。
私はだんだんと怖さを感じています。
だから、きちっとアメリカの今の政治の流れも知らずにいい加減な言説を日本で流すのはやめて欲しい。