一番今の状況と照らし出しているのは、今朝のトランプのツイートでしょう。昨日は司法長官Barrの記者会見の後、一度はほっとしてさっさと、お気に入りのフロリダの邸宅、Mar-a-Lagoにでかけてしまいましたら。

それが、レポートの内容がぞくぞくと発表されるにつれ、Barrのコメントがいかに実際のレポートの内容とかけ離れたものであるかがはっきりしていきました。

で、このツイート

私自身昨日の記事を更新した時点で、レポートのニュアンスを理解してませんでした。

 

そして、少しずつつなぜ昨日Barrが、レポートを公開する前に記者会見をしたかもはっきりしてきました。

 

Barrが3週間前に発表した4ページの要約と、このフルバージョンのリポートは完全に矛盾しているからです。彼の記者会見は、彼の4ページを繰り返すだけでしたから。

 

 

では、今の段階での、レポートの要点を書きだしていきましょう。

 

ちなみに、わたしも、レポートダウンロードしました。PDFですが、こちらからできます。

 

1.3分の2が、ロシア疑惑残り3分の1がトランプの妨害

昨日のRachel Maddow Showは、’新しい情報がそれほどなかった’わけではありません。

実は、最初っからショックを受けてこのレポートの重みをかみしめて考え込んでしまったからです。

 

2016年の選挙の後、開けて2017年、Rachelは少しずつ、ロシアが2016年の大統領選挙に介入していたのではという疑惑について報道しはじめていました。

正直私でさえ、あのころはこんな疑惑が白日の下にさらされ日が来るなんて思っていませんでした。

 

だからRachelが、昨夜のShowをこのレポートの一番最初のページから、始めたときその意味をかみしめてショックを受けました。

 

これが、Volume 1 Introductionの2nd パラグラフの冒頭です。

The Russian government interfered in the 2016 presidential election in sweeping and systematic fashion.

つまり、このレポートの一番最初に、ロシアの2016年大統領選挙介入をはっきり認めているのです。これ、前代未聞でしょう。

 

トランプはロシアに助けられ、ロシアに好まれて大統領になった。それって信じられないぐらい怖いでしょう。

 

Barrが、針小棒大で強調しているのは、トランプとトランプ選挙チームがロシアと共謀したかどうかについては、証拠不十分だったといってるわけで、確かにレポートにもそう書かれています。

 

が、トランプチームが、ロシアと一緒に選挙戦に介入したことに関しては事細かに記録されているわけです。

 

問題になっているのは、共謀罪に値するかに関してだけであって、トランプチームがロシアと一緒に何をやったかについては事細かに記録されています。

 

更に、昨日取り上げました、12人の捜査線上に上がっている関係者たちが、この先どんな形で浮上するかはまだ何もわかっていません。

 

2.残り3分の1がトランプの妨害

 

そして、残りが(Volume 2) Obstruction of Justice (捜査妨害)、これは基本トランプ自身の行為についてです。

 

こちらも、本当に事細かに捜査がなされています。

 

正直、他の大統領だったら、もうこの時点で辞職するでしょう。

 

いくつかの興味深い事実も浮上してきました。

 

トランプ側近の度重なる偽証。

 

トランプは、大統領に当選するとは思っていなかったこと。

 

さらに、トランプ側近の何人かは、トランプの命令に従わないことによって、明白な捜査妨害の罪を未然に防いだこと。もっとも、トランプははっきりとした意志を持って捜査妨害しようとしています。

 

3.では、なぜMuellerは、トランプを告発しなかったのか。

 

これに関しても、リポートには事細かに記されています。

 

今朝になって、ケーブルニュースでも、このVolume 2には、本来なら’Obstruction of Justice’の罪で告訴するだけの証拠が記されていると指摘されてますから。

 

第一に、司法省の現在の見解では、

現行の大統領を告訴することができない。

これが大きい。

実は、Muellerはこれだけで納得しているわけではないのです。

 

アメリカは建前として、Due Processをとても気にします。前例のない形で大統領を告訴しても、それをサポートするプロセスがない。ということは、告訴された側が、反論を示すプロセスも存在しないことであり、だから公平なDue Processとは言えない。

 

という、非常に技術的な’Fairness’への信条ですね。このへんは、平気で告訴されただけの人間を数ヶ月に渡って勾留する、日本の検察とは雲泥の差ですね。(私は、ゴーンは昔から嫌いだけど、だからといって彼の取り扱い方は、戦前から何も変化していない不当勾留だと思います。)

 

で、当然のことながら、Muellerはトランプの疑いが晴れたなんて一言も言ってません。ただ、上記のConstraintのせいで、非常に曖昧な結論を書いているわけです。

 

ただ、結論こそ曖昧ですが、彼のリポートは、基本この先議会にトランプの処遇を委ね、更にトランプが大統領でなくなった暁には、ここに書かれた証拠はすべて彼を告発するために使えると言ってます。

 

ここで、民主党はジレンマに陥っています。なにせ、上院はまだ共和党がギリギリ過半数を握っているので、私自身今まで弾劾には反対でした。

 

でも、このリポートを読むに連れ、考え込んでしまったのです。本当にそれでいいのでしょうか。議員さんたちには、自分の選挙民に一体現政権がどういう桁外れに恐ろしいことをし続けてきたか、きちんと説明する必要があるのではないのでしょうか。

 

ともかく、その第一歩として、黒塗りされていないレポートの提出請求が今朝公式に、司法省に向けて発せれれました。

 

ただ、普通の人にアピールするためには、文書よりMueller自身が証言するのが一番いいとは思います。

 

4.Muellerの捜査は、トランプのファイナンスには一切タッチしていない。

 

これは、とても興味深い結果です。

 

逆に言うと、トランプ一家のFinanceに関わることなく、ここまで詳細なレポートをまとめ上げたのはすごいということもできます。

 

この結果、下院のいくつかの委員会、そして民主党系の多いいくつかの州レベルでの、トランプに対しての、査問そして告訴の動向がとても重要になってきます。

 

例えば、トランプの帳簿をフォローしている某会計会社には、すでに関係書類の召喚状が出されています。(ちなみに、それに対して、同じ委員会の共和党議員は、協力しないようにわざわざ手紙を出しています。最近の共和党は本当に怖い。)

 

しかし、ここで何よりも重要になってくるのは、なんと言っても、

トランプの確定申告書

 

最終的に、Financeが絡んでくることで、本格的な共謀が証明されかねない可能性があるのですから。

 

さて、このレポート、実は民主党内部に、嫌な影を落としている部分があるのです。

 

それは、

Barnie Sandersの支持者たちの問題。

 

Sanders支持者の中には、Trumpに直に投票したもの、そしてGreen Partyに投票したものがかなりいます。ですから、民主党主流は、いまだにわだかまっています。

 

個人的には、私もうんざりしてますが。でも、もしSandarsが本当に民主党候補になったら、うちのBobはもちろん民主党に投票します。

 

このレポートでは、すでにロシアのエージェントが、Sandersの支持者の中にはいりこんでいたこと、さらに民主党内部のメールのリークを公表し、民主党指導部と、左派、特にSandars 支持者の対立を煽ったことが明記されています。

 

問題は、Sanders自身が、このコトについて何も言わないこと。さらに、Sanders支持者のなかには、性差別主義者、そして白人至上主義者がかなり、色濃く影を落としているということです。

ですから、今の時点でトランプが2選されないという保証はなく、正直怖い。

 

皮肉なことに、特別これといって優れているわけではないもと副大統領のJoe Bidenが逆にまとめ役にうってつけが故に、民主党の大統領候補になる可能性も出てきてます。

 

私は、女性大統領が産まれてほしいけど、共和党が長い間続けてきた選挙妨害の霧が晴れるまで、とにかく中道でも民主党が上下院をとり、大統領を取る形で選挙の公正を確実なものとすることが最優先だと思います。

 

人口動態は、完全に民主党の味方ですから。そのうえで共和党がまた、以前のまともさを取り戻すときが来ればよいのですがね。

 

ほら、一党独裁だけは不健康ですから。

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