家で仕事しながら、いつもいく民主党系のメッセージボードで、経過を時々チェックしてました。で、夜は9時からのRachel Maddow Showを見てそこでいい加減にこのことについて考えるのを振り払ってさっさと寝ました。
一夜明け、共和党はこのままこのクリープ(君の悪い男みたいな意味)の男を最高裁判事にするつもりのようです。
昨日の公聴会の結果、すでに2つのグループから延期を求めているにもかかわらずです。
一つはAmerican Bar Association,これは全米の弁護士協会です。こちらはそもそもどちらかというとリベラルよりなのでそんな大きなインパクトはないでしょう。
もうひとつは、まあ由緒あるカソリック系の雑誌が彼の推薦を取りやめたことです。
普通の人間が見れば、どちらが本当のことを話していて、どちらが嘘をついているかはかなり明白です。
告発者であるFord博士の証言は、とにかく聞いている方がもらい泣きしてしまうほど、生々しく胸をつかれるものでした。
何十年も経ってから、家を新築するにあたって寝室にはドアが2つないとダメだと突然こだわってしまったエピソードとか、どうやったら作り話なんて言えるのか。
強姦されそうになった時、叫ぼうとしたら、このカバナーに口を塞がれて殺されるのかと思った、それがこんな形でトラウマになって不条理なこだわりが生まれたしまった。
何が一番心に残っているかと聞かれて、
‘笑い声です、私の苦しみや恐怖を面白がって笑っていた彼らの笑い声です。’
いままで、一度でも男に性的な意味合いで嫌な思いをされられたことがあるのなら、これぐらいピンと来すぎてしまう反応はない。
そうなんだよね。
こう言うことを、男は今まで本当に笑い話にしてきたけど、笑われた方がどれだけ気がついたか多分分からないだろうね。
肝心のカバナーはといえば、自己憐憫で最初は泣きながら自分の用意してきたOpening Statementを読み、その後はやたら怒ったり、ものすごく無礼な反応を特に民主党の女性上院議員にたいしてしたり。後、自分に都合の悪い質問には答えない。
基本民主党側が要求しているのはただ一点。これは犯罪の告発なのだから、FBIに再調査させるべきだろう。
それにたいしてこの男は話をそらしたり、そうそう民主党側の陰謀だと言ったり。
それでも、だんだん逃げられなくなったと思ったら、なんと共和党のトランプの使い走りみたいなひとりが、急にわめき出した。
彼は、この告発がこの公聴会での承認直前になされたから陰謀だと喚く。
これに関しては、Ford博士が、最初に告発の匿名文書を提出したのが、まだこの男が正式に候補になる前だから、そんな陰謀論は通用しない。
そうそう、この男は自分で書いたStatemantにも、この告発がなんと、
Clintonの陰謀だとあげつらっている。
そして、この男がアリバイの最大の根拠としている、Ford博士の友人の証言は、すでに、友人自身によって、この女性の弁護士が勝手に出したものとして否定されている。
いままで、最高裁判事になった人たちは、保守よりもリベラルよりもいる。ただ、ここまで始めっから正面切って政治的な党派色を露骨に出した候補はいない。
セクハラ疑惑で、限りなく黒かったClearance Thomasも、こんなことは口が裂けても言わなかった。
さらに、共和党は、まだオバマが大統領だったころ、最高裁の空席をなんと10ヶ月ろっくして、オバマが選んだ候補の公聴会すら開かなかったと言う過去がある。
トランプ以降、何が嫌って、最低限のCivilityもDEcencyもなくなってしまったことだ。
そういえば、右翼の牙城Fox Newsで、Ford博士を売女呼ばわりしてさすがクビになったキャスターが昨日一人いました。
ところで、カバナーというCreepは、もともとクリントン大統領を辞任に追い込むべく、もう何年もほじくりまくった挙句、モニカルインスキースキャンダルをめでたく引き起こしたその、共和党のOperativeの一人だ。
いままで、ここまで党派性の強い経歴を持つ人間が、最高裁判事候補になったことはない。
でも、正直なところ何よりも耐え難いのは、この男の人格そのものだ。
生まれてこのかた、なんでも自分の思い通りになるのが当たり前で、自分より目下とみなした人間、特に女性に対しては何をしても許されると思いこんで、しかもそれがずーっと通用していた。
それが今回初めて、昔々の犯罪である自業を告発されて逆上して、その最も醜い本性をされけだしている。
本当にそれだけの男だ。
Update アメリカ東海岸時間、午後2時18分、New York Timesからの速報。
共和党の上院議員で、この公聴会のメンバーのひとりが、土壇場で他の数少ない穏健派の議員とともに、上院の本会議の投票の前にFBIの審査をする要求を出してきた。期間は最長一週間、この反乱の主役は、Flakeという共和党の上院議員と、彼と仲のいい民主党の上院議員たち。
さらに、Flake 議員はプロテクターにエレベーターの中で涙ながらに詰め寄られていた。TVにこれが何度も写った。
メッセージボードは最初かなり懐疑的だったけど、いろいろ詳しい事情が入ってくるにつれて、これ本当に本物の反乱です。
一週間は長い。カバナーは昨日すぐ投票しないならやめるみたいなこといってましたが、どうなることやら。
あと、アメリカ弁護士協会の反対はやはり大きかったらしい。
さらに、この男の出身校であるYaleが、同じくFBIによる審査を要求してきたとも。
やはり、Ford博士が、証言しただけの価値はあったということだと思う。
まだ何一つ終わってないけど。
でも、昨日寝た時は2016年の大統領選挙のときみたいな感じで、悔しくて、悲しくて、落ち込んで嫌だった。
今夜は遅くまでTVでNews見てました。