まずは虐殺器官から読み始めました。こう久しぶりに、しょっぱなから引き込まれてしまう小説でした。それに、最初からものすごく怖いのです。34歳でなくなった日本の男性が、何故こういう肉感的な近未来戦の描写ができるのか不思議でした。

これまでに日本語で肉感的な戦争ー戦闘描写を読んだのは、村上龍の’’5分後の世界’と’半島を出よ’ぐらいですから。SFにでてきた戦闘シーンでここまで肉感的な描写にであった覚えはありません。

サイバーパンクの系列では確かに暴力シーンとか結構多いものもありますが、それとは根本的に違う描写なのです。

村上龍の描写に始めてであった時、男の身体がモノ化された状態というのが、女である私にも理解できました。(ちなみに女の身体がモノ化された状態というのは、まず第一に強姦と言う形で出てきます。そこにハーモニーの弱さがあったのですが、それは今はおいておいて。)

ただし、虐殺器官の暗殺特務部隊の場合、モノ化のレベルは二重です。兵士として、軍によって部品化されたものであるだけでなく、各種近未来装備、そしてメンタルのModificationによって、CPUである自我と最新技術でUpgradeされた身体はさらに、切り離されていきます。’