もし見てなかったら、これ見てください。

 

 

私実は関連した本も読んでいるのです。随分前の話でタイトルが同じだったどうか思い出せない。アルジェリア独立戦争の歴史の流れはこちら

 

細かい流れはともかく、第二次世界大戦が終わったのが1945年、そしてこの戦争が始まったのが1954年で、最終的に終結したのは1962年ですから、現代フランスにとって一番の汚点とも言える戦争でした。

 

ちょうど大日本帝国が、日中戦争を支那事変なんて呼び方をしていたように、フランスも1999年10月までは、アルジェリア事変と読んでました。

 

ベトナムがフランスから独立したのが1954年で、それが基本フランスの旧植民地の独立運動を促したという流れがあります。

ただ、この独立戦争がフランスにとってとても痛い戦争となってしまった最大の理由は、フランスそのものがまっぷたつに別れてしまったこと。

 

そして、ゲリラ戦が初めていわゆる第三世界側の有効戦術として現代史の中で広く知られるようになったこと。

そのへんのことは映画を見ていただくとよくわかります。

そして、この映画が有名になったもう一つの理由は、

ゲリラに対する電気拷問

どういう電力の配置になっているのか、電気拷問が始まるたびにラジオのボリュームが上がり、フレンチ・ポップスが能天気に鳴り響くのです。

 

これはもう一度見たら忘れられなかった。

 

さて、この電気拷問にかけられたのは実はアルジェリア人だけではありません。アルジェリアの独立をサポートするフランス人もずいぶん捕まり、死者もでました。

私が読んだ本は、そんなフランス人ジャーナリストの体験談でした。で、体験談ですから彼は電気拷問にかけられ、際どいところで救われ生還したのです。

 

1962年、アルジェリア戦争は終結し、フランスはアルジェリアの独立を認めました。

 

でもその後も、この戦争はフランスに影を落とし続け、アルジェリア戦争として正式に認めたのは最初に行ったようになんと20世紀も終わりの1999年10月。それも1990年代までは、ずっとこの戦争を忘れようとする動きが強かった。

 

さらに、21世紀に入ってからも右翼の台頭ともに、植民地支配の正当化なんていう法律が可決されてもいます。まあ一年で全廃されてそうですが。

 

そして、2014年にフランス陸軍の戦争犯罪をはっきりとした指揮系統を含めて記述した本が出版され、当時のフランス政府によるフランス人独立活動家の殺害が正式に認められたのです。

で、戦争を知らない史上最年少のマクロン大統領が、今回その人達への正式謝罪したのです。

 

この話を今回復習して思ったのは、日本の戦後。

 

日本はアメリカのいわば非公式の政治的属国になることによって、国としての成熟を免れてきた、私は時々そんなふうに感じます。

日本の代表的戦争犯罪というと、南京大虐殺、慰安婦問題、そして石井部隊による生物化学兵器の開発。

 

石井部隊に関しては、戦後すぐその研究成果を手に入れるためにアメリカ軍部は彼らと密約をむすび、彼らは戦争犯罪人として逮捕すらされなかった。

 

私が日本をです少し前、石井部隊の存在については森村誠一の’悪魔の飽食’でずいぶん知られるようになりました。私がこれを読んで一番イヤだったのは、日本の帝大付属医大からずいぶんと研修医がここでの実験に参加していたこと。

 

日本の大学病院の体質の旧弊さと、闇はここからも来ているでしょう。

 

南京大虐殺も、ある意味微妙に似た経緯をたどってます。ほとんどアメリカでは忘れ去られていて、が米中の国交が回復するにつれてChinese Americanの声が強くなり、映画や本が出版され、最終的に世界遺産ととして登録されてしまいました。

 

慰安婦に関してはもはや泥沼ですね。でも、各国で韓国系市民や中国系市民が、慰安婦像を設置するのは止められないでしょう。今となっては、どこまでがはっきりと記録されている事実で、どこからが誇張なのかはほとんどわからなくなってしまった。

 

それと、戦争直後の政府は5万人以上の女性を、職務の内容を告げずに特殊慰安施設協会と言うなの公認米軍御用達売春宿送り込みましたから。

 

こと、慰安婦絡みの実態について、私はとてもじゃないが日本人男性の方を持つ気にはなれない。

 

自分の国の女に対する仕打ちがここまでひどい国が、他国の女たちにどれだけひどいことをしたか、言わずもがなでしょう。

 

まあ、ドイツ人はこれから多分人類史が続く限り、ホロコーストの記憶をともに行き無くてはならないのですから。覚悟を決めましょう。

 

一方、アメリカ人やヨーロッパ人の若い世代は、今もっと広島、長崎について学ぼうとしているのを知ってますか?

 

現代史におけるアメリカによる各種の空爆により殺戮者数は、まだまとめて足したことないですけど、凄まじい数に上ります。東京大空襲ひとつとっても、10万人以上が、死んだり行方不明になってます。

ベトナム北爆も、殺傷性の高い爆弾がどれだけ投入されたことか。

 

私がいいたいのは、自国が犯した戦争犯罪については、私達自身が一つ一つ事実をきちっと学んでいくしかないのです。

 

自分の国の暗部を受け入れるのは辛いけど、それしか成熟の道はないでしょう。

 

今、どこを見ても、浄化を進めようとする力と、歴史の汚点を亡き者にしようとする力が拮抗している気がします。

 

 

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