正直今にこういう時間が起こるだろうなあと思っていて、それが現実になった感じです。数日前に、多摩川の氾濫の話を少ししましたが、今回は改めて私がタワマンを嫌う理由に触れてみます。

 

まず今回の多摩川の洪水で一番怖かったのがこれ。

台風19号】川崎・武蔵小杉でタワマン被災 停電・断水続

 

こういう建物って電気や設備系統は普通どうしても地下室に追いやられてしまいます。ですから浸水があった時、リビングスペースそのもの以前に、まずこういうエリアが被害にあったわけです。

 

で、例えば武蔵小杉の被害にあったタワマンは地上40階以上のものがあり、そういうところで停電が起きると本当に目も当てられない。

 

もちろん、停電状態になり、
エレベーターが使えなくなり
断水し
下水設備も機能しなくなる

 

この状態で住み続けることはもちろんできません。さらに上の階の住民は、懐中電灯を片手にくらい階段を何十階も降りることを余儀なくされたそうです。

 

大体私達は結構過去の災害を忘れがちで、実は東日本大震災の時も、東京のタワマンで停電状態になったところがあり、そういうところでは同じような悲惨な状態だったそうです。

 

さらに、この多摩川沿岸の武蔵小杉の場合、あまりにも急激にタワマンがいくつも建築された結果朝の通勤ラッシュが過酷になったということも一時ずいぶんとりざたされました。

 

こちらは去年の記事

武蔵小杉駅、タワマン以外にもある混雑原因、南武線沿線が発展、横須賀線に乗り換え殺到

 

記事そのものは、武蔵小杉がタワマン再開発による人口増化だけでなく、ここが南武線から横須賀線への乗換駅でもあることが、通勤ラッシュ時間の極端な混雑の理由になっているのだそうです。で、そのこと自体は、日本人が未だに版で押したいように同じ時間帯に集中して通勤することにも、問題があると個人的には思います。

 

 

が、この記事のコメントの中に、タワマンに住んでいるとされる方からかなり異様なコメントがあるのです。

’JR内の連絡通路上に改札を設けて、乗り換えでの横須賀線・湘南新宿ラインの利用が割高になるような定期料金の特別制度を導入することはできないものでしょうか。’

これつまり、南武線からの乗り換え客から割増料金を取れと言っているわけです。

 

いやーそれはないでしょう。

 

実は、この記事とコメントを見つけたのは今日のこの記事がきっかけです。

武蔵小杉をあざ笑う人々に映る深刻な社会分断、貧富の差以前に「同じ人」でなくなっている

 

記事の内容は、災害の際に他人の不幸を嘲笑る言説がSNSなどで目立ってきていていて、そこに社会の分断化を見るというような話なのです。

 

私の場合、ざまあみろというより単にタワマン怖い(大体私は軽い閉所恐怖症なので、特にタワマンの高層階に住むのは非常に怖く感じます。できるだけエレベーターよりエスカレーターに乗る質なので。)

 

で、私が武蔵小杉の通勤ラッシュ問題に、上のコメントがあると知ったのは、この記事のコメントから。今そのコメントを探してみたら見つかりませんでした。

 

私が今日の記事を読んだ感想は、むしろタワマンのような新しい建築物や、再開発こそが

格差感覚を助長している。

 

だって、このあまりにも’え、自ら上級国民宣言’という酷いコメントをした人も、多分この都市計画なしの、タワマンに移ってこなかったら、ここまでおかしな優越感を抱かなかったと思います。

 

だいぶ前のSFですが、私の敬愛するJ.G. バラードは、とにかくテクノロジーの発展だからこそ起きうる厄災について随分と昔から、その手のDistopia を描いています。

 

その名もハイライズ。まあバラードなので基本ハイライズがハイライズのまま、だんだん上手く機能しなくなってその結果起こる荒廃図みたいな感じですがね。

ただ、ものすごく腑に落ちたのは、タワマンが格差社会のシンボルになっていること。

 

 

あ、でもこの本オリジナルは随分前ですが復刊したのですね。本当にバラードが随分前に書いた小説がいま現実になっている感じです。

 

私にとって不思議なのは、日本の場合、長い間少なくともタワマンのような危険な建築物を住居として構築することはなかったのですよね。六本木ヒルズで、ヒルズ族なんて言葉が有名になった頃からでしょうか。

 

そのあたりの警戒心がいつの間にか消え失せてしまって怖い。

 

まさに砂上の楼閣ならぬ、液状の楼閣でしょう。タワマンなんか作るより、地方へどんどん分散していったほうがいいと思いますがね。

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