魔法少女サイトも凄まじく救いがなかったけど、これはすごい。

 

肝心の主人公からして病んでますから。一応いわゆるヤンデレ系には入るのでしょうが、ただ全編を流れる救いの無さ加減が一つ抜けてます。

 

原作はこちらです。月刊ガンガンJoker連載中。これ一応青年誌じゃなくて少年誌でしょう。怖いです。

 

私の場合、ちょうど’魔法少女サイト’を見つけたように、Amazon Primeのストリーミングでアニメ版を見つけました。多分原作も当然良くできているのですが、アニメ版いろいろ工夫して頑張っています。

ちなみに、登場人物の命名がかなり変。

やたら主に関西の地名が名字になっていたり、肝心の主人公からして松坂さとうですから。

 

つい、萌がメインなので少し女性CVさんたちに対して不勉強ですが、このアニメはとにかく女性CVが頑張っている。演じるのは写真見てびっくりの可愛いリアル外見の花澤香菜。

わー、この可愛らしさであの使い分け、またさらに怖くなった。

 

自分の大切な何かを守るためなら平然と殺人もいとわない’さとう’ですが、このキャラ見た目は絵に描いたような、ツインテールの美少女。どうやらより高給めあてで’メイド喫茶’らしきところでアルバイトをする高校生ですが、普段はほんとうに’可愛くて、性格のいい’キャラを完璧に演じています。

 

それが、自分と神戸しおの秘密の生活を暴かれそうになると、淡々と感情のない声で人頃地たりします。

あまり、ネタバレしたくないけど、さすがこれはお話のはじまりの前提条件ですからからダイジェスト。どうしてもネタバレがありですので気をつけてね。

 

!!!

 

’さとう’はずーっと、求められるままに男と性行為を繰り返しいつか自分が心から愛せる誰かを見つけて、愛することを知りたいと思ってたわけです。で、それは王子様ではなく、神戸しおという8歳の女の子として出現し、二人は二人だけの生活をとあるマンションの一室で始めるのです。

 

このしおちゃん自体も、ひどいトラウマを抱えていることが少しずつ明らかにされる。

 

さらに、しおちゃんを必死でさがしている実兄の神戸あさひも若くて傷だらけのホームレスのような設定で登場します。

 

アニメの方はいま第十話。多分このアニメについてはまたシリーズが完了した時点で書くことになると思うので、今回はこの第十話で起こった大きな事件の分析をしたいのです。

ネタバレ、ネタバレ

このエピソードで、お話が大きく動きます。

 

さとう、しお、あさひともうひとり比較的頻繁に登場するキャラがさとうのクラスメイト飛騨しょーこ。彼女は男遊びが激しかった時代からのさとうのゆいいつの’友達’です。

 

でもしょーこちゃん、このエピソードでしっかりさとうに殺されます。

可愛そうだと思いますか?

もちろん人殺しは現実世界ではだめです。でも、一見まっとうなことばかりいっていたようなしょうこちゃん、

実はさとうに殺されて当然なのです。

勘違いしないでね。別に殺人を正当化しているわけではありません。でも、この漫画がうけているということは、基本多くの読者がさとうに共感を覚えているからこそです。

 

だから、ここでしょうこちゃんが示す欺瞞や罪を整理していきましょう。

 

ちなみにしょうこちゃんは、どうやら良いお家のお嬢さんらしい。彼女の家庭の様子などは一切出てきません。

 

これ面白いですよね。だって漫画家さんというのは自分の無意識を言葉を交えながら映像化していく特殊な才能を持った人たちです。だから、言葉以上に、何がどう描かれているか、ときとしては何が描かれていない家が重要です。

 

まあ、しょうこちゃんは自分がやっていけいる範囲で、良い家庭であるお家にはんこうしているお嬢さんです。

電話一つで、丸め込める甘い家族とか。

 

しょうこちゃんには普通の裕福めの家庭という、帰れるところがあるのです。

 

さとうにも、しおちゃんにも、しおちゃんの実兄のあさひにもそんな場所はなかった。

 

そして、そもそもさとうにとってしおちゃんの生活が生まれて始めて出現した、変えることのできる場所なのです。

 

しょうこちゃんは、まあ安易にさとうとの距離を縮めたいと思いこんで、それ以前にさとうに家に連れて行けとつめよってます。

が、しかし実際にさとうのそもそもの家庭環境、そして唯一の家族に直面して、完全にビビります。

 

わたし、やはり少しの可能性はあったと思います。でもこの時点でしょーこちゃんはさとうにあきらめられてしまったのです。

 

こう、いえるのは、こんな極限行動を取るさとうにもサポートする人間はでてきますから。

 

さて、ここまでがだめしょーこの第一段階。

 

さとうに閉じられて自己嫌悪に陥ったしょーこちゃんが向かうのは、なんとあさひ。

 

あさひは妹のしおちゃんをひっしでさがしているのです。

しかも、その必死さのレベルは家族の絆ではなく、むしろ唯一の幸福のモデルである、しおちゃんとの生活を実現するためです。

 

これ、さとうがしおちゃんとの生活で実感しつつある幸福感とほぼかさなりますね。

だいたい、あさひは実兄ですから、しおちゃんに抱いている感情がどこかで近親相姦ときなものに変化しないとは言えない。

つまり、さとうとあさひをくらべて、どちらがより正常7日なんて判断はまあ、できないでしょう。

 

でも、しょーこちゃんは、まあ自業自得でさとうに’ふられた’あげく、こんどはあさひにつく。

 

あさひの塩に対する執着が、どうも尋常じゃないことに気づきながらもです。

これ、完全に欺瞞ですね。実兄とはいえ男ですよ。これだけ救いのない設定ばかりの世界で、ただ実兄だからということで、あさひにつくなんて、

さとうへの裏切りです。

さらに、殺されてもしようがない行動が続く。

しょうこはさとうをつけ、さとうとしおちゃんがふたりで部屋に戻るところをなんと携帯で撮ってしまう。

しょうこちゃんは、みごとにさとうが大事に隠している世界を暴きました。

 

私が漢字を使うのは、こういうときつくづくべんりだから。あばくはあばくだけど、かんじでかくと暴くでしょう。

 

あばくことは、れっきとした暴力なのです。

 

人間は、暴かれたくないものを暴かれてしまうと毀れます。

 

だから、悪いやつの悪事を暴くのが効果的なのだし。

 

ブラック企業が、効果的に人間を壊せるのは、弱みをついて(暴いて)尊厳を潰すから。

 

人間には誰にでも暴かれたくないものを抱えて生きていきます。いつか自分がよりそういう闇と折り合いをつけて生きていくことを夢見て。

 

だから、子供を追い詰めてはいけない。

 

子供には規範や、境界が必要ですが、それ以上に無理をさせては行けない。

 

子供の弱みを暴くのだけはやめたほうがいい。

 

私も子供の頃、ずいぶん追い詰められていました。

 

そして暴かれてああもう行き場が無いと感じたよる、初めてリストカットしましたし。(まあ、リストカットというより自殺未遂でしたが、何しろ7針ぬって救急車ではこばれましたから。 もう、30年以上前の話。)

 

繰り返します、子供を暴かないでください。

辛抱強く、自分で話せるようになるまでまってあげてください。

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