欧米の性差別の問題と、日本の男尊女卑問題を比べると時々その異質さに愕然とします。欧米の女性にとって何より辛いのは、いつもカップルで有ることを押し付けられること。

 

アメリカでフェミニズムが台頭した時、そもそももっとも過激なフェミニストたちは、基本レズビアンでアンチ男根主義者でしたから。

 

まあ、オリジナルのアナ雪ですら、本当に欧米そしてちょっとずれてはいるものの日本の普通の女の子たちを、それもやっと物心ついた少女から結構な大人の心までを鷲掴みにしましたから。

 

私は逆に、オリジナルのアナ雪なんと途中でちょっと寝てしまったという人間です。(もちろんアメリカで、英語でみました。)

 

ほら私はもう、きれいなお姉さんたちが、泥まみれ、傷だらけになってバッタバッタとダメ男や過剰暴力男をなぎ倒していくアクション映画ではないと盛り上がらなくなってしまったのdす。

 

たとえば、最近はこの2つがすごくお気に入り。

 

それに対して、いかにもアメリカの普通の女の子に丁寧にアピールしていくようなミュージカル仕立てのアナ雪は、時々非常にかったるい。

 

ただし、途中かったるいところもありましたが、

至上の愛が、実はエルサのアナへの姉妹愛

 

これで、もうぶっ飛びました。完全なパラダイムシフトです。

 

ディズニーのいわばPolitical Correctnessへのこだわりは本当に本物です

昔からのStar Warsファンのかなりの部分を敵に回しても、あんなダイバーシティ満タン、そして女性が本当に目立つ第三部を作ってしまったのですから。

 

実は、いわばオリジナルの名作アニメが作り上げた’プリンセス’たちのステレオタイプを打ち壊すべく、結構頑張ってきてますが、その試行錯誤がこのFrozen(アナ雪)で結晶した感じです。

 

ほら、思い出してみてください。私達が馴染んできたプリンセスが、いかに

受け身で、弱かったか

そして、助けてくれるのは皆’優しくて強い男’、プリンス・チャーミング!!。

 

一方、薄幸のプリンセスを取り巻く同性たちは、みな、

意地悪で、嫉妬深くて、醜悪な敵。

 

白雪姫でも、シンデレラでも、眠れる森の美女でも。(だいたい、3大プリンセスって、私達にとってはこれですよね。)

 

私達は子供の頃から、こういうステレオタイプをを絶え間なく与えられてきたのですよ。

 

だからこそ、色々私と波長が合わないところがあったにせよ、どうしてもアナ雪2を見たかったのです。

 

もう少し立ちましたら、改めて分析するつもりなので、今回はあまりネタバレにならないようにちょっとポイントを取り上げます。

 

実はアナ雪2では、エルサのルートそして彼女のパワーのもとが明らかにされます。で、それは一言で言ってしまえば、

非キリスト教的、母系社会の復権です。

アナ雪2には、森のたみが登場しますが、ここの族長は母系です。(今回は詳しく書きませんが、もはや父系権力は腐敗するしかないと示唆しているようで、正直びっくりしました。)

 

さらに、エルサの覚醒後の衣装は、今度は純白。純白は雪や氷の色であるとともに、花嫁や処女の象徴でもあります。今のところまだ読みきれません。

 

さて、この映画はヒットすることはもう間違いないのですが、いまアメリカのNetでこの映画絡みで大きな話題になっているのは、

エルサはやっぱりLGBT?

 

これなんです。ハリウッドのヒット作は、よほどのことがない限り2を作ったら、最低3まで作ります。

 

エルサがLGBTではないのかという疑問は、一作目から出てきましたが、(実は、このために超保守のアメリカのChristian Fundmentalistから批判されました。)2作目まで来ていまだに、まるっきり異性への興味が出てきてません。

 

これは、妹のアナが、本当に好きなのは王子様ではなくて、ずっと身分の低いトナカイのりだったという設定がちゃんとコンプリートするのに比べて非常に際立ちます。(まあ、これはこれでLGBTではないけど、かなり革命的展開ですよね。)

 

たとえば、Frozen 2 (アナ雪2)でググると、こんな記事が第一面に登場します。

Is Frozen 2 the first Disney movie with an openly gay lead?

 

つまり、Frozen 2は、ディズニー初のLGBTが主人公のなのかという?さらに、Netでは、こんなハッシュタグが伸びてます。

#GiveElsaAGirlfriend

まあ、エルサって、Frozen2では、(私にはGay にしか見えない)生きている雪だるまのオラフと、アナのBFのクリストフ以外の男性を避けているかん丸出しですし。相手がLGBTでなくても、女性の場合は楽しそうに話しているし。

 

ここまで読んでくださった上で、アナ雪2を見ると、もう少し違った景色が見えると思います。

 

では、最後に問題のオリジナルのLet it goの英語版歌詞について。まず、日本語の歌詞を調べてみました。ここには貼りません。下手に貼ると記事そのものを消されるので。

 

そのかわり、歌詞入りYoutubeで、読んでみてください。

日本語の歌詞は、つまるところ、

一人でも平気、ありのままの自分になる

 

いわば、日本社会に強い、

同調圧力からの開放を歌ってる

それはそれで、すごくいいのですが、ここにはたとえば英語版にあった男社会への怒りなんてものは、都合よく消し去られています。

 

さて、こちらが英語版の歌詞付き。

そんなに難しい単語はないのでゆっくり読み聞いてください。

 

私だって、ただ聴くだけでは聞き落としてしまった部分が多かったので、こうやって英語の歌詞をきちんと全部理解しながら改めて聞いたら

 

流石に泣ける内容なんです。

 

あまりもろに歌詞を写しすぎると消される可能性があるので、ところどころ日本語には全く出てこないところを拾ってきます。
Be the good girl you always have to be
Conceal, don’t feel, don’t let them know
私はここでぐっと来ました。ここまで以下に自分が抑圧されてきたか、それも
’Be a good girl’これは、よくできた、でも

男を脅かさない女の子

でなければならないという凄まじい抑圧。

 

でも、今彼女は宣言する。

Well, now they know

Let it go, let it go
Can’t hold it back anymore

この場合のLet it goは、もうこれまでの周りからの抑圧を無視すると言う宣言です。

I don’t care what they’re going to say
Let the storm rage on

もうあいつら(これは、彼女にGood Girlであることを強いる者たちですので、もう露骨に断見社会ですね。)

The cold never bothered me anyway

 

これ、もうFrozenというタイトルからしての怖い宣言ですよ。

たとえば、男が女を罵って’You are frozen’といったら、これは
’お前なんか冷感症だ’
と言ってることです。
ですから、逆に冷たくていいという宣言は、男との関わりによる価値付を放っから拒否すると言うことです。
It’s funny how some distance makes everything seem small
And the fears that once controlled me can’t get to me at all
これが、いわば勝利宣言。
No right, no wrong, no rules for me
I’m free
いや、これなら、このVideo何度見ても泣けてきますよ。
ちなみに私のように、アナ雪2(Frozen 2)を見たあとで、このVideoを見に来た人が随分います。
面白いのは、オリジナルを見たときは、全てを理解していなかったけど、今このうたの凄さがわかるというコメントが多いことです。
英語と、日本語の歌詞しか知りませんが、とくに英語圏での女の子たちの取り憑かれぶりはものすごかったそうです。
延々と、この曲をかけさせ、あるいは歌い、さらには英語のサントラ全部暗記してうたう子たちも大量発生したそうです。

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