えー、今さっきまでYoutubeのDune 関係の動画みてましたが、一番おもしろかったのは日本のオタキングこと岡田斗司夫さんと、アメリカの超人気ComedianそしてThe Late Show Host Stephen Colbert。
まずオタキングさんの説明はひとこと、これは`2001年宇宙の旅‘以来の真正SF映画。だと。面白くはないけどすごい、と。これはもう映画館で見れば納得いきます。面白さってそんな重要?映画ってこんなにすごいものだったっけという感動しかないんです。
私が見たときは、とにかく映画が終わった時点で観客がこう、身じろぎしないんです。結局だれもCreditがすべて終わるまでたちませんでした。あ、この短い動画はこちら。
そして、英語版ですがSephenはこちら、
このかたは、アメリカ版のほんまもんのGeekであります。それがすごく有名になったのが指輪物語が映画化された時。どのくらいすごいかというと、原作のエルフ語をしゃべれるようになってましたから。その彼が今入れ込んでいるのが、このDuneですね。アンサンブルキャストの紹介が中心ですが、熱気が伝わってきます。
では、
1.原作を読んでから映画を見る
これは、指輪物語の映画がリリースされた時の状況に似ています。普通のSFあるいはファンタジー風味のエンターテインメントになれたひとにとって、この原作はかなり濃い。だから、むしろ原作を少なくとも途中まで読んでいる方が、基本的な構築世界とか、特別な用語とか見落とししません。
私とDuneの出会いはかなりユニークで複雑です。
そもそも、渡米して一年ほどたってから、たまたま友人の家で、VHSビデオとして借りてきた、David Lynch版の映画でした。そもそも字幕なしだったので、初めて見たときはずいぶんとわからないところが多かったのです。
いろいろと毀誉褒貶の多いLynch版ですが、私はいろいろなVersion 見ています。映画としての完成度としてはいろいろ突っ込みどころがあるのですが、原作を読んでみてむしろ世界観表現は秀逸だったと思うし。
ともあれ、映画を見てとにかく原作を知りたくなって、この後最初にNew York に行ったときに
- Dune 砂漠の救世主
- Dune 砂丘の子供たち
- Dune 砂漠の神皇帝
- Dune 砂漠の異端者
ここまで全部日本語版だ買い込みました。一つ一つが基本文庫本三冊でしたから。Duneてそういう話なんです。で、本編の最後にあたるDune Charterhouse (砂漠の大聖堂)これが、完結編で、私がアメリカに移住してから発表され、そのころにはかなり英語に慣れ、さらに日本語翻訳が出るまで待てなかったので、英語版を買って読みました。
で、Duneを読むとはどういうことかというと、
沼にはまります
特別なものいいとか、各勢力ごとの独特で、正直極端な信条や哲学とかもう、すごくはまります。
一番有名なのが、‘Fear is the mind killer‘
読んでいる最中は本当に自分がDuneの世界観に妙に飲み込まれてしまうのです。この吸引力はどんなSFシリーズに比べても勝ります。ですから、自分の精神状態がすでにそれの時にこの映画をみたらそれはもう、完全にのっとられますね。
2.1984年のDavid Lynch版を見てから見る
まあ、映画を見る前にわざわざ原作を見るなんて面倒という方もいるでしょう。そういう方には、もちろんYoutubeで予習動画を見るのも愛ですが、もっといい方法があります。
1984年のDavid Lynchの映画化をレンタルしましょう
あ、ここから少しネタバレがありますので、注意
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David Lynch版というのは、映画としてのまとまりとか、わかりやすさ、そして一部の映画音楽の問題とかあって、ケチをつけられることが多いのですが、それまでのSF風味の映画とまるで異なるちゃんとしたDuneらしさはあったのです。だから原作を読んだ私としては結構好きでした。
今回の2021年版は、それを超えてしまったのでそこだけでもすごいのですが、それでも、Versionが違うので、David Lynch版の方が良かったという点も、少しはあります。
私にとって、ほぼ唯一残念だったのが、ギルドメンバーの明確な紹介。というのは、Lynch版のギルドメンバーというのがすごい。異形というだけではちょっと言葉足りない。
全体として、キャラクターが登場しないシーンは、やはり2021年版が圧勝ですが、キャラの造形に関してはLynch版もほかのいわゆるSF映画とは全く違うデザインですごかったのです。
例えばハルコンネン男爵とか、Lynch版では、同じ異形でもきもさが際立ちますが、今回の設定はもっと怖さが際立つ。
そしてなにより、女性キャラと、非白人の俳優さんの多さが今回の特徴です。これが画面を引き締めるのです。
なにより、リエト・カインズ博士の設定を原作の白人男性から、黒人女優に変えたのは秀逸でした。彼女は、Lynch版ではかなりさっさと殺されますが、今回は主人公を砂漠へとつなぐ重要な役割を果たします。この繋ぎはいいです。
と、いうような比較をしながら、あまり大事なプロットを見逃さずに本作を劇場で楽しむことができるわけです。
ぶっちゃけ、ティモシー・シャラメが好きだからと、そこらの軽い娯楽SF風味映画を見るつもりで行くと、
取り残されます。
それはあまりにもったいない。
3.複数回見る。うち一回はIMAXで見る
これはねえ、典型的な体験映画としてはまあ当たり前でしょう。
私の場合、最後に劇場で3回見たのは、アバターでした。あれ、ストーリーとキャラ設定は、本当にJames cameron監督のもろパターンでしたが、とにかくAvatar世界が本当に美しすぎて、本まで買いました。
このDuneは、もう本とか出たら買いたいし、フィギャアとか、メカとかもう、デザインが今まで見たことのない感じで、しかもこういうメカの映画内での動きが、
信じられないぐらいリアルです
オムニソプター(名前だけじゃなんだかわからないからいいでしょう。)とかもうあまりのかっこよさによだれ出てきました。
あと、とある小動物が同乗するのですが、これの描写がまたすごい。
あと、宇宙船の形がとにかくStar Warsなんかとまるでちがう、すごく斬新な形状で、目を奪われます。
それでも、まあかなり広範になってから出てきたし、演出のうまさもあるけれど、
砂漠が美しすぎる
なんと、砂漠はすべて実写だそうで、実写なのに逆に、まるで人工物かと思うくらいに完璧なフォルムを見せるのです。
あと、IMAXで見た方が良い理由ですが、この映画なんと後半の砂漠画面の多くをIMAX版で取っているのだそうで、それをIMAZ劇場ではしっかり生かして上映できるのだそうです。
私の場合、日比谷か木場なんですよね。どちらにしようか迷っていますが、こうやって書いていて、少なくとも次はIMAXで見ます。
4.さて、この映画は予告編とは全く違う映画です
ところで、予告編を見てこの映画を見に行こうと思ったあなた。予告編の延長のような映画を期待していると、完全に期待外れになります。その意味で、この映画はまあ、重厚すぎる。
いわゆるSF風味のアクション映画ではありませんし。
若手美形スターたちにキャーキャー言う映画でもないです。
その意味で、オタキングが、‘面白くない‘という表現を使ったのはすごく正しい。
一方、ずいぶん長い間、安直な面白さだけに浸るコンテンツばかり消化していたのだなあと、正直思いました。
だから、すごく私は幸福でしたし、興奮しましたし、満足しました。
これを読んで、じゃあ見てみようという気になったのでしたら、そんなあなたに幸いあれ。