泣き虫弱虫諸葛孔明’酒見健一を読み始め、いま二巻まで読了。

 

私、酒見健一結構好きで、顔回(孔子様の一番弟子とされる、謎の多い人物)を主人公にした‘陋巷に在り‘とか、本当に面白くって何度も読み返してるし、’墨攻‘も’ピタゴラスの旅‘も大好きだったし。

とはいえ、しばらくご無沙汰していたのですが、この’泣き虫よわ虫. .‘が、最近漫画化されていたのをRentaで見つけて、慌ててAmazonに飛びましたね。

 

私の場合、三国志、もしくは三国志演義が凄く好きと言うより、(きちんと読んでいるのは青空文庫に入っていた、吉川英治版ぐらい)割と中国史が好きで、そもそもアメリカに持ってきた数少ない蔵書のうちに、文庫版の中国史書(でも、ダイジェストみたいで読み易い)新十八史略を入れてきたのですね。これをとにかく退屈すると読み返した。小説よりも逆に読み返すたびにそれなりに新鮮な発見があったりするのです。

 

しかも、此れと一緒に中国故事成語なんて本も持ってきてたので、ほとんど昭和のお爺さんたちと会話すると受ける程度の中国史基礎知識なんてものが、昔はあったのです。あ、よく考えて見ると、孔子、荘子、そして韓非子とか、翻訳で一通り読んでいたし。あ、韓非子が一番気に入って、これもアメリカにもってきたっけ。

 

で、改めて三国志がらみの話に戻ると、たしかにいつの頃からか孔明さんのイメージが、多分特に女性の間で長身、イケメン、白皙の青年に凝縮されていったのよね。

 

なんでなんだろう。

 

あ、この漫画化の方も、変な人ではあっても、やはり長身イケメン少女漫画風美青年キャラです。酒見さんの小説は、ほんとうにしつこく見た目にも突っ込んでいるのですがね。

 

大体あの三国志最大の見せ場’赤壁の戦い‘を描いた映画’Red Cliff‘だって、孔明役は、

 

金城武ですよ。

 

酒見さんは、おじさんぽくいかにこのキャスティングが決定的か理解していないみたいだけど、もう、

 

金城武 = 絶世の美青年 と決まっているんです。

 

妹もこの映画見ていて、その話をした時の最初の感想なんてまず一言、

 

’孔明かっこよかったねー、綺麗だったねー‘

これです。

 

反面、見事に中国史って、美形キャラ不足しているのよね。

 

だいたい、中国史上の女性キャラって、基本ムチムチプリンでしょう。

まあ、西施とか、顰みまくっていたひともいましたが、基本みんな愛人キャラでしょう。

 

逆に、呂后でも、武則天でも、西太后でも、こういうひとたちは、見た目にかかわらず、凄く野心家で男をしのいで歴史に残ったわけで、女性キャラとは言い難い。

 

三国時代なんて、後漢のすぐあとだから、ものすごい大昔だけど、結局中国の人間がらみの美意識って、宋代の竹林で蘊蓄を奏でていた、白い鶴みたいなお爺さんが究極なんだと思う。

 

それが、日本で三国志物が増える中、女性ファンもどんどん増えいつのまにか孔明が美形キャラに進化したのではなかろうか。

 

だって、日本人の女性ファンが‘Red Cliff’見に行ったのは、それはもう金城武の孔明ですよ。

 

知ってる?金城武って、たしかアルマーニに、世界で一番美しい男って言われたのですよ。

そういえば、アメリカで結構売れた中国アクション映画も、彼が主演でした。これは中国製作で、アメリカでのタイトルは’House Of Flying daggers’. 彼は主役の三人のひとりで、やけに中国人ぽくないきれいな男優さんだなと思い、後で彼が金城武だとしったぐらいです。

ともかく、もはや孔明は、彼が演じたRed Cliffのせいで、完全に美形萌えキャラとして確立してしまったのです。

酒見先生あきらめてください。ここだけはもう何があっても揺るぎません。

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