`テンプル・グランディン 自閉症とともに`という、有名な自閉症の科学者Temple Grandinの伝記映画の紹介動画を見て、思いがけなく号泣してしまった。

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Temple Grandinは、アメリカの自閉症スペクトラム障害のコミュニティでは、非常に有名な方です。私も英語版の自伝を持っています。ですが、こんなTV映画ができていることは知りませんでした。

あ、TV映画と言っても、アメリカの巨大なケーブルTV局が、日本の劇場映画よりよほどお金をかけて作る映画なので、甘く見ないでください。

ともあれ、これが今朝私が見つけた動画、

さて、このダイジェストですが、主演を務めるのは、かつてロミオとジュリエットで、レオナルドディカプリオの相手役を務めた、

Claire Danes

ですが、正直感動しました。で、私が思いがけなく泣き出してしまったのが、映画もかなり終わり近い、1981年のAutisum National Conventonのシーンです。【12:12)

Autism の子供が不安になりくるくるまわりだし、それを止めようと慌てる親をみて、彼女が立ち上がるのです。少し長いけど、そのまま彼女の発言を引用しましょう。

ぐるぐる回るのは助けになります。

転がるのもです

転がるような行動をすることで安定感を得られます。

普通の子供たちがハグを通じて感じるように

これを受けて、観衆の一人が、‘お子さんは何歳ですか‘と尋ねます。もちろんTempleは、

子供はいません

と答えたので、親たちはがっかりしたのですが、続けて彼女は、

私は自閉症です

4歳のころまで話すことはできませんでしたが

修士まで終えて、今は博士課程の学生です

親の一人が尋ねます。‘どうやって治療したのでしょうか?‘と、それに対して、

私はまだ治っていません。

これからも治らないでしょう。

と答え、こう宣言するのです。

You know I am different but not less

私はただ違うだけで、劣っていません。

ここで私は突然、嗚咽がこみあげてきて号泣してしまったのです。正直、なんでここまで泣いてしまったのかよくわかりませんでした。

娘は、自閉症スペクトラムですが、今となっては、かなり軽度の言語ベースの発達障害ということになっています。

ただし、2年間の通常児向けの保育園から追い出されて、やっとみつけた主に自閉症スペクトラムの発達障害児を見てくれる施設に通い始めたときは、4段階のうちで、下から2番目のグループに振り当てられました。

なんせほとんどしゃべらなかったので、ちょうど4歳ぐらいでした

そこにいる間も、何人ものスペシャリストに娘を見せに行きました。とにかくしゃべらなかったので、人によっては、当然のように知恵遅れを前提として、あまり娘の本質に寄り添わないと感じる方もいました。

でも、この施設でこそ、娘の将来をPositiveに変えてくれた、一人のスピーチセラピストにあったのです。私とBob以外初めて、娘はいたって活発なMindを持っていると思うと言ってくれた方でした。この方には、普通の学校に通い始め、市のサポートである、IEP(Individual Education Program)を受け始めた後も、密に連絡を取るだけでなく、個人で娘をチェックしてもらっていました。

そうですね。私たち、娘のサポートのために、たぶんずいぶんなリソースをつぎ込んでいます。

実際Templeさんの場合も、もともとおうちがお金持ち。実のご両親は離婚していて、お母さんがずーっと彼女を支えている。さらにお母さんの二番目の旦那さんの実家がらみで、最初の家畜たちとの遭遇があり、これがTempleさんのインスピレーションの中心になっています。

ちなみに、映画のなかで彼女はAutismのひとは、主にVisual Thinkingをすると述べていますが、その後自閉症スペクトラムの人たちは、次の3タイプの思考パターン、あるいはその組み合わせだとわかってきています。

1. Visual Thinkers like she is, who think in photographically-specific images. (これがいわゆる視覚で考えるタイプ)

2. Music and Math Thinkers – who think in patterns and may be good at mathematics, chess, and programming computers. (次がパターン思考が得意なタイプ)

3. Verbal Logic Thinkers – who think in word details, and she noted that their favorite subject may be history. (論理言語で考えるタイプ。)

うちの娘の場合、なんといっても2が強い。ただ1の部分もある程度はあります。とにかくVisual記憶も半端ではないので。

科目では、やはり、Programmingと数学が得意。私が一応元数学者の卵(数学の博士号をもっているので。)なので、その辺気が合います。

あと、3に関係するのか、フランス語はすごく得意です。

とにかく記憶力が半端でないので、社会科系も事実の暗記は得意です。

一方で、文学、あるいは派生的な意味みたいな話になると、ニュアンスにすごくてこずりますし、感情に関しては、まだまだ洗練が進んではいません。

でも、大事なことは、

つくづく人は同じように考えない

ということで、得意な思考パターンが違う以上、当然のことながら

得意な学習パターンも数多くある

で、それが本当のダイバーシティの可能性だと思います。

私はただ違うだけで、劣っていません。

これ本当に身に染みている人はどれだけいるのか。ともあれ、最後にTempleさん本人のTEDの動画を見つけたので、ここに貼っておきます。これは日本語の字幕つきなので、ぜひ見てください。映画の方は、今のところ直輸入のDVDだけという状態なので。