これは、文春オンラインからの転載だけど、プレジデントオンラインにこんな記事が載っていた。
弱者に冷たい「小池百合子」という怪物を生んだオヤジ社会の罪
なんとこのタイミングで出版された、この本、
石井妙子さんという、割とリベラルっぽい女性のノンフィクション作家が書いたもので、今すごく話題になっている。
一番すごい引用がこれ、
’
地元・芦屋の女性たちが阪神淡路大震災の陳情に行くと小池氏は指にマニキュアを塗りながら一度も顔を上げずに応じ、
「もうマニキュア、塗り終わったから帰ってくれます?
私、選挙区変わったし」。
私は、築地から豊洲への移転問題に関しては正直すごく腹立てたし、裏切られた感あった。
ただ、今回のコロナ禍では、彼女は東京という超過密都市を抱えて、たぶん彼女以前のどの都知事よりも、ずーっとましだったと思う。
カメラの前でのコミュニケーション能力の高さはすごいし。あと、動機はどうであれ、やはり国の政治家に比べてよほど、危機感を持っていたのは確かだ。なにより対策本部を立ち上げたのは国よりずーっと早い。
副都知事に元IT系の人を連れてきたのは英断だと思うし、厚労省のウエブサイトより、いろんな意味で1000倍ましなコロナ禍のページを作らせたのも良かったし。
そういえば、同じプレジデントオンラインで、こんな記事もあった、
「カイロ大学卒業は本当」小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑
面白いのは、この記事でははっきりと、カイロ大学側が疑惑を否定してると言っている。
さらに、
週刊文春2020年6月4日号の記事に対してカイロ大学のモハンマド・エルホシュト学長名は小池都知事は「1976年にカイロ大文学部社会学科を卒業したことを証明する」「卒業証書はカイロ大の正式な手続きにより発行された」「日本のジャーナリストが証書の信ぴょう性に疑義を示したことは「大学と卒業生への名誉毀損(きそん)で看過できない」と声明を出した。そのうえで「エジプトの法令にのっとり、適切な対応策を講じることを検討している」と警告している (これは6月9日の記事より抜粋)
一方、今話題を呼んでいるこの新刊ノンフィクションでは、石井氏はあくまで
小池氏の元同居人の話をもとにして、「彼女は実際にはカイロ大学を卒業していません」と掲載している。つまり、カイロ大学より、小池知事のもと同居人の言質のほうが正しいとしているわけです。
私は、小池知事がカイロ大学に行ったのは事実だと思う。ただ、第三世界の大学で、若い日本の女生徒のがんばりに、たとえ落第寸前でもげたをはかせて卒業させたぐらいのことはあってもおかしくないと思う。
でも、こういうことって、例えば日本の有名大学で、就職は決まったけど単位が足りなくて卒業が危うそうで、いろいろとつてを頼って温情で単位取らせてもらったという話と、どれだけ違うのだろう。
つまり、私に言わせれば日本の社会が、学歴しかも四年制大学卒業のブランドだけに過剰な価値を持たせるから、こんな大ごとになると思う。
だから、こうなってくると、もうこの本のタイミングそのものが、とにかく小池百合子の東京都知事再選許すまじということにしか見えない。
大体、同じプレジデントで、こんな記事が出たのが約2か月前、たぶん皆が一番コロナに恐怖を感じていた時期。
コロナ危機で総理への道が見えた小池百合子、「無能確定」の安倍晋三
この記事と、最初の記事比べてみると、これ本当に同じ人についての記事なのかというぐらいの差ですよ。
そして、個人的には、一番うんざりしたのがこの記事、
小池都知事肝いりのIT都政で起きた「手書きFAXでコロナ報告漏れ」のお粗末
これ書いた人、基本ITのことも、ウエブページのFunctionalityのこともわかってないですよね。そりゃー、データ集める部分で、遅れや記録漏れあるでしょう。
東京都なんて、国に比べれば1000倍まともですよ。いや、アメリカのうちの地元のメリーランド州に比べても、直接の比較にはならないけど、
情報量多い
あと、この東京都のページ、これからコロナとどう付き合っていくかについて、きちんと除法発信してます。あ、このウエブサイト、ITが分かる人には非常に評判いいです。
大体、東京アラートを揶揄してるマスコミ多いですが、このページ見ると、どういう根拠で発信しているのか、とても分かりやすく説明してくれていてありがたい。
これは、とても有意義な情報の公開でしょう。
あと、彼女のコミュニケーション能力を揶揄する奴が多いけど、
日本の男性政治家のコミュニケーション能力ゼロ以下です。
コミュニケーション能力なしの男どもが、どんなリーダーシップや、危機管理が可能だというのです。
大体、私が住んでいるメリーランド州の知事さんは共和党系で、彼の特に教育費のカットとかものすごく、腹立てました。
でも、彼はこと州のコロナ対策に関する限り、
全米でもTop3の対応だったと思います。
さらに、今のアメリカは例の警官による公開黒人殺しがらみとにかくピリピリしがちですが、首都ワシントンに近いのにもかかわらず、割と落ち着いてます。
でも日本の
邪魔おじって結局何もやらない。
で、文春砲や文春がやることって、所詮この邪魔おじに一番受けるんじゃない。人選も最高でしょ、わざわざ女性のリベラル系ライターですから。
私なんて、たぶん本当に高潔な人というのではたぶんアメリカの歴代の大統領の中ではトップクラスのObamaより、下半身の緩い不倫男Clintonのほうをずっと買います。
Clintonはもう典型的なPopulistで、結局あのころの国民総意とうまくバランスとりながら、それなりにリベラルな政策もしっかり通した。
小池知事が、個人的にどれほど冷酷であろうと、今回のコロナ禍を上手にかじ取りし続けていることは変わらない。
大事なことは、この知事にはっきりと都民の意図を飲み込ませることでしょう。
皮肉なことに、あれほど惜しんだ築地魚市場ですが、今となっては豊洲が引き継いだことで、実家のある地元と、東陽町を通る東西線、そしてこの豊洲までの地下鉄延長の実現の可能性が高まってたりします。
そうなのよね、地元江東区としては、プラスだったのよね。この移転。
というわけで、小池百合子氏が都知事で再選されるということは、私にとってはマイナスよりプラスのほうが大きい。
たとえば、彼女の夢のような7つも目標に向けて、With Coronaのもと前進できたらいいなとも思う。
彼女は、紅一点を楽しむこともかなり批判されている。確かにもし女性の登用してくれたらいいと思う。
が、それでも彼女の政治家としての能力もスタイルも、今の日本のオジサンどもよりは評価できる部分が大きい。
それは、私が彼女という個人をどう思うかとか、彼女は心の底で本当は何を考えているかとかいうこととは全く別のレベルの問題だというのが、私個人のスタンスだ。
あのさ、日本人は三国志でやはり諸葛孔明すごく好きでしょう。で、考えてみたことあります、
諸葛孔明って、サイコパスレベルの嘘つきですよ。
それを踏まえて、唯一Negativeな諸葛孔明像を描いたのは、私が知る限り、孔子と顔回の関係を、なんとも壮大かつおどろおどろしい呪術ファンタジーに仕立て上げた、酒見賢一さんだけです。
私は、陋巷にありのほうが好きですが。