今朝の東洋経済オンラインの記事でこんなのがありました。

日本人が知らない「アジア系女性差別」酷い実態、ヘイト犯罪デモに集まった人たちに話を聞いた

 

確かに、アメリカでもヨーロッパでも、アジア系の特に女性に対してのヘイトクライムが増加しているのは事実です。

もちろん、私がよく知っているのはアメリカだけですので、ヨーロッパのことは言えませんが、たぶんそこまで違わないと思います。ここで問題にしたいのは欧米人の独特なアジア人感、そしてアジア人女性観ですので.

そもそも、アジア人に対するアメリカ人のステレオタイプはこんな感じです。

アジア人男性ーーあまり発言しないけど、理科系が強い

 

アジア人女性--従順で、男に言うことを聞く。性的な魅力がある

 

どこの国でも、いやアメリカの場合特に、今やITが基幹産業ですから、文系の理系コンプレックスは強い。実際、私がここのところやたら布教に走っている、Notionですが、創立者は、ベトナム系のアメリカ人です。

逆に、アジア系男性は、アメリカの政治にかかわるにはほぼ必須な、Law Schoolや、Political Scienceへの進学率が低い。

理系のTop大学などは、成績中心だとどんどんアジア系が増えていくので、人口から見るとMinolityであるものの、いわゆるMinolityの枠から外そうとして、色々もめています。

白人が、逆にMinolityに対して、白人枠を設けろという訴訟なども出てきていまだにもめていますから。

まあ、アジア人家庭というのは、結構アジアの伝統的男尊女卑の価値感に基づいて成り立っていることは多く、男の子は大学進学、女の子は家計をすぐ助ける、みたいなかなり古い発想も残っています。

で、どんなところでせっせと働くかというと、

言葉があまりしゃべれなくてもできる仕事ということで、

中華をはじめとする、エスニックレストランで働く

 

アメリカの場合、人口が多い順から、出身国を並べると、

  • 中国
  • フィリピン
  • インド
  • ベトナム
  • 韓国
  • 日本

という感じ。アメリカにもう30年以上暮らしていますが、フィリピン料理を除いて、ここに登場するすべての国のエスニック料理はどんどん増えています。

面白いのは、日本食レストラン。日本からの移民はもはやそんなに多くないです。だだ戦前と戦後すぐアメリカに移民したり、戦争花嫁になった人口が大きかったので、ここに顔を出している。

さらに、同じエスニック料理でも、日本食の扱いは別格です。ぶっちゃけ、日本食だと、他の国の料理に比べて高くすることができるので、普通の地方都市あたりだと、日本食のレストランをやっているのは、たいてい韓国系かベトナム系ですね。

まあ、このあたりにも、日本という国に対する、特別扱いは感じますね。

日本に今回戻ってきて、アメリカのアジア系に対するヘイトクライムはどうかと言われますが、正直、コロナ禍が始まって、去年の春の日本行きから戻ってきてすぐ、いかにもトランプサポータータイプの白人男性にあっちいけサインを一回だされただけです。

さらに、アメリカと日本を毎年数回行き来してますが、アメリカに再入国する際も、こちらが日本人だとわかるらしく、ほぼフリーパスです。日本のコロナのほうがアメリカよりまだひどかったころ、日本から再入国した際も、拍子抜けするほど簡単でした。

ただ、その時だけでなく、明らかにアジア系の移民が入国するときは、かなり長々と質問されているのを目にします。

だから余計に、同じアジア人でありながら、別扱いに逆に慣れません。私が入国するのは、基本ワシントン郊外のダラス空港なので、世界各国からの入国はとても多い。で、結構アジア人のなかで日本人を識別できるようになったのかもしれません。

あと、もう一つ面白い例外は、インド系の人たち。インド系の場合は、基本肌の色が濃い方が多いので、アジア系でありながらも、Blackに含められることが多いのです。

今一番注目を浴びている、副大統領のKamala Harrisさんは、インド人のお母さんと、ジャマイカ人のお父さんの元に生まれたアメリカ人です。でも、普通

‘初の黒人女性副大統領‘

 

として紹介されますよね。まあ、インドはアジアの国ではありますが、あまりアジア系移民とのくくりには入れられないのが普通です。

もうひとつ、結果的に実際に集中が起きて、ステレオタイプとなったのが、

ベトナム系によるネイルサロン

 

とにかく、安くネイルも、ペディキュアもやってもらえるので、正直見るからアジア人の私がお客やっていると、かなり自意識過剰になることもあるぐらいです。

だってこういうお店って、本当にお客はお店のランクにもよるけど、白人と黒人がお客で、アジア人の客は私だけということが多いのです。

こういうお店で働いている若いベトナム系の女性は、自分もネイルやっている人もいますが、割と、アジア系女性の人はネイルやペディキュアを、白人や黒人に比べるとしない感じです。

私なんて、結局昭和の日本人感覚を引きづってますから、ペディキュアをやってもらってつい意識したりします。あ、私は手はピアノの練習を始めたこともあり、ネイルはずいぶんしてません。逆に、裸足になると、ペディキュアなしだと恥ずかしく感じる。

それに、こういってはなんですが、ペディキュアってたいていFoot Spaもやってるころでお願いしますので、非常に気持ちよくてリラックスします。

ところで、こういうサロンで働いている方たちは、ほとんど英語を喋れない人が多い。

ちなみに、アジア系の女性移民の場合、

アメリカに帰化しても、英語があまりしゃべれない人は多い

 

ともかく、ステレオタイプがいけないといっても、ここまでのアメリカでの暮らし方を観察していると、現実も大方その通りだなあという部分があるのです。そして、言葉が拙いまま、アメリカ人と結婚すると、アジア系女性のステレオタイプのまんまということになりかねません。

ただ、ここまではともかく、もうひとつ大きな問題があります。

それは、

アジア系女性とセックス産業の結びつき

 

東南アジアの場合、セックス産業が一番盛んなのは、

やはりタイ、つぎがベトナムでしょうか

 

あと、ニュアンスはちょっと違いますが、中国系の一部もセックス産業に結び付けて考えられます。これは、中国系の裏社会はそれこそアジア各国にあるので、中国系のお店も当然多い。

さらに米語で、

Asian Massage parlor は性感マッサージの意味

 

正直、これが問題ですよね。

それと、アジア人女性への、アメリカ白人男性の身勝手な願望が重なって、このステレオタイプはさらに強化される。そして白人女性からはやっかまれる。

私自身の場合、基本明らかにある種の人種差別と感じた状況は、すべて女性からでした。(あ、白人が多いけど黒人のケースもありました。)

白人男性には、‘日本人なのにずいぶんはっきりしてるのですね‘と言われたことは、昔何回かありました。もっともこちはすぐ、‘それはステレオタイプですよ‘と言い返し、だまらせましたが。

まあ、昔まだ学部生で、オハイオの田舎にいたときに、メリーランドに移ってきてからでは、オハイオのほうがひどかったですね。

最後に、今回のコロナがらみの対アジア人ヘイトクライムは、もう少し話がややこしい。

というのは、トランプサポーターによる主に黒人とユダヤ人に対するヘイトクライムが激増した後、あまりひどくてその反動がでて、少なくともいまは、この手のヘイトクライムは減少傾向にあります。

それが、トランプがコロナをChina Virusと呼び続けたこともあり、

中国人相手のヘイトクライムはOkという風潮がいつの間にかまずひろがりました。

 

結局、ヘイトクラムを犯すひとたちというのは、自分自身が経済的弱者で、さらにコロナ禍に苦しめられていてそのうっぷんを晴らしているということです。

で、悲しいことに、対アジア人ヘイトは、白人だけでなく黒人によるものも少なくない。

さらに、黒人社会の場合、韓国人の移民が増えるにつれ、黒人のCommunityと韓国人ビジネスの対立という軋轢がどんどん増加していったという流れがあります。

そして、これらとはまた別に、はっきりこれだけは言いたいのは、

Mainland China(つまり、中華人民共和国)出身者による、アメリカのシステムの悪用

 

たとえば、カリフォルニアでは、アメリカ国籍欲しさに、中国人の妊婦がやってきてはアメリカ滞在中に子供を産む。これをビジネス化されて、とうとう地方自治体レベルで、法の改正をいじるということになりました。

私の古い友人のひとりに、いまでこそ母上のために、ほとんど日本で過ごしていますが、アメリカの住所と居住権を維持している女性がいますが、彼女はその実態を身近で観察していたので、こと中共系の人の話になると、本当に怒り心頭という体たらくでした。

さらに、

中国は、国レベルで、もはや冷戦の敵国という現状

 

ヘイトは間違いだけど、私だって中国という国は全く信用できない。さらに、中国出身の中国人の世界認識は基本ひきます。

昔昔、Business Analystとして働いていた時、一定期間一緒に仕事をした、中国出身の女性がいました。とても感じのいい人で、ランチもいっしょにだかけたりして、時々一緒に白人の悪口なんぞをいったりすることもありました。(まあ、食べ物の体重についての話がほとんどでしたが。)そうこうするうちにまあ、中国と日本の関係なんぞについて話すことも始めたのですが。ある時彼女がこういう言い方をしたのです。

‘We are like brothers, like big brother and younger brother‘

もちろん、中国のほうが兄という意味で。これは唖然としました。私にしてみれば、普通に対等な他人としてお互いを尊重しあうなんという能天気なことを考えてましたので。

まあ、私は、ぼそぼそっと兄弟ではないと思うと言い返して。その話はそのあと二度としませんでした。

この人はとても感じのいいひとだったので、そういう人でもこういうことを言うのかとショックを受けたのを覚えています。

ちなみに、少し今回の内容から外れますが、同じChineseといっても、香港出身者や、台湾出身者はまるで違います。台湾の人はいつもニコニコ元気、たいして香港の人はわりとおしゃれであか抜けてる感じ。

でも、こと、世界認識に関しては、私と一緒です。

で、中国の話にもどすと、その中国は完全に香港の民主政権を弾圧し、権力を掌握しました。ひどい話です。私は、日本もバイデンと同じように、台湾が中国に占領されないようきちんと動いてほしい。

だから、いま必要なのは、

対アジア人ヘイトではなく、対中国の抗議行動です

 

ここは、決してあいまいにしてほしくないです。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA