えー、今朝の日経ビジネスでこんな記事がまたのってました。

 

最後の一発勝負にかけるトランプ大統領に勝算はあるか

 

えー、なんでトランプに限ってこんな記事がまだ出るのでしょうかね。

さすがに、著者は、Republican National Committee, Presidential Advisory Boardの立場と明記だけはしてますが、それで中立的な記事が書けるとはやはりうのみにはできません。

 

なんというか、この記事は詭弁の塊なんです。

 

政治には、なんだかんだと慣例があり、さらに明確な法律や規制として定められたプロセスがあります。

 

まず、この人の言っている、Bidenはまだ、’President Elect’ではないと言っている点ですが、これは、Techinical な法律としては確かに正しいけど、

 

慣例としては、当然のことです

 

なんで、いままでこういう慣例を大事にしていたかというと、その理由は非常にはっきりとしています。

 

それは、アメリカの国益にかなっているからです

 

そもそも、Bidenは投票数だけで見れば、すでに

 

700万票以上の差をつけています

 

Bidenは実に51.6%の投票を獲得し、それに対してトランプは46.9%。これがどのくらいの数かというと、21世紀に入って第二位、2008年のObamaのランドスライドに次ぐ数字です。

 

ちなみに、悪口ばかり書かれるヒラリーですが、そもそも彼女総投票数では、トランプより300万票ほど多く獲得しています。それでも、ヒラリーは、選挙日の翌日敗北認めてます。

 

トランプと、トランプサポーターがやってきたことは、これ本当に

 

アメリカの国益を損なっています

 

喜んでいるのは、ロシアと中国ですよ。あと、イスラエルは西側ですが、本来のアメリカの立ち位置から逸脱して、かなり勝手やってます。

 

次に、フロリダとテキサスで、民主党の票があまり伸びなかったことが、そもそもトランプ側がBiden勝利に疑問を抱いたと書かれてますが、いやーそれはないでしょう。むしろ、

 

フロリダも、テキサスもトランプに近い知事が選挙妨害に頑張った

 

これにつきます。もともとアメリカでは、共和党が主に黒人投票を抑圧することで、自分側を有利にしてきた、長い歴史があります。この辺は南北戦争に負けたところまでさかのぼりますね。

 

次に、投票プロセスそのものに疑問を投げかける

①当初からトランプ陣営が指摘してきた郵便投票に関わる不正、

②開票作業における不正、

③投票の締め切りを勝手に延ばすなどの不正、

④コンピューターシステムを使った不正の4点

 

2と4に関しては、今のところ何ひとつ証拠は挙がってません。むしろ共和党側のほうが、過去この手の不正をかなり疑われてました。

1と3に関しては、これ

 

コロナ禍ゆえの、州ごとの対策であり、不正なんて基本関係ないです。

 

なんで、開票時点でRed Mirageが起こったかというと、州によっては、郵便投票を当日投票分の後に開票すること、さらに、

 

郵便投票は圧倒的に民主党が多かった、それだけ

 

で、さらに投票期限の変更みたいな話は、トランプがアメリカの郵政のTopに、

郵便の配達を遅らせるよう通知した

という背景があります。もちろんコロナによる人出不足でそもそも遅れがちだったし。

 

ただし、投票日当日以降に配達された票はそれほど多くなく、この期限延長を行った州ではそもそも、カウントにいれていません。

 

郵便票に民主党が多い理由も簡単で、

 

民主党サポーターは、コロナ禍を真剣に受け止めているから

 

この記事の、一番ダメなところはコロナ禍と選挙の影響をきちんと書いていないところです。

 

私自身、コロナ禍がなかったら、選挙人数でぎりぎりトランプが勝つ可能性を捨ててませんでしたから。

 

コロナ禍で一番動いたのは、4年前にはトランプに投票した

 

シニア層でしたから

 

もうひとつ、この記事の論点を崩してみましょう。

Bidenの選挙人数を269人に落とす策略だそうですが、そこであげられている州は、

ジョージア州(選挙人16人)13万8221票(バイデン氏のリードは1万2670票)
アリゾナ州(11人)1万9997票(同1万457票)
ウィスコンシン州(10人)は2万6673票(同2万682票)

ジョージアでは、なんと

3回もリカウントしてます

で、もちろんくつがえらなかったどころか、逆にバイデン増えました。

そして、この3州どこも、票のCertificationをすましました。

トランプ側の訴えは、すべて退けられましたので、

 

この作戦にはもう、可能性は全くないです

 

さらに、繰り返しますが、訴えを退けた多くの

 

裁判官はトランプの任命した人達

 

そして、この三州のうち、

ジョージア州とアリゾナ州の知事は共和党

 

さいごに、上院下院で、選挙人数をひっくり返す可能性ですが、

これはありません。

下院は完全にゼロ、そもそも民主党が過半数ですし。

そして上院ですが、すでに共和党の中にBidenが次期大統領であると認めている議員が一定数以上いるので、この人たちが土壇場で立ち位置を変えない限りありません。

 

ただし、まだトランプが怖いので公にはしてませんが、共和党議員さんで、オフレコでもうずっと前からトランプの負けを認めている人はかなりいます。

 

あと、忘れてはいけないのが

Chris Krebs, the director of the Department of Homeland Security’s Cybersecurity and Infrastructure Security Agency

 

この人も、トランプに任命された官僚ですが、はっきりと今回の選挙は問題なく粛々と遂行され、選挙不正などの問題は基本的になかったと明言してます。

で、明言して

 

数日後に、トランプに首にされてます

 

大統領選のあと、なぜいままでさっさと当確者を決めて、それをサボタージュすることがなかったというのは、

政権のスムーズな移行こそが、アメリカの国益だからです

 

表向きはどうあれ、GSAはTransition Teamの予算をかいほうしましたし、Security Briefingは開始されてます。

 

まあ、日本のトランプ狂信者に、一体何の得があるのか私には本当に理解できないのです。

 

だって一時的にしろ、アメリカの国体だ弱まることは、日本にとってはAdversary(戦争はしてないけど利害が反する相手)を強めることにしかなりません。

正直私は本当に中国が怖い

 

Bidenは、ObamaをLegacyを大事にすることが多いと思いますが、たった一つ大きく変わるのは、

対中国政策です

 

もはや、民主党のほとんども、中国に甘い顔する気はないですね。中国は一緒に何かできる国ではないですから。

 

ちなみにトランプ本人の思惑と、共和党の思惑が今、少しずつ捩れてきています。それでも、ジョージアのRun off選挙はどうなることやら。すでに共和党による、民主党の票田への妨害が報告されてますし。

 

私は、トランプが、大統領になる確率は0だと思ってますが、まだアメリカの国体を損なういろいろな行動は続くと思ってうんざりしてます。

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