今までに何度も登場しているRachel Maddowのお話。日本語で検索する場合は、

 

レイチェル マドーです。

こちらが、日本語のWikiのリンク、短いけどまあ大事なことは抑えてます。

 

で、この昨日発売したばかりの彼女の二冊目に本’Blowout’はすでに、

Amazon USA Book Section No1

 

まだ、Reviewは8つですがね。なんせ400頁近い量ですから、読み終わるのに時間がかかります。ちなみに、Reviewは、5Starが4つ、4Starが2つ、星1つが2つです。この星一つは明らかにアンチです。

 

いやー、Kindleなれしてしまった身体に、分厚い単行本はかさばって重い。机の上に開いて読まないと結構きつそう。(Audio Bookを買おうかしら。)

 

でも、この本は絶対に単行本で買おうと決めてました。日本にいるとピント来ないかもしれませんが、現在進行中のトランプ弾劾審判は、

歴史に残る事件ですから

 

で、肝心のこの本の内容ですが、副題がこちら

Corrupted Democracy, Rogue State Russia, and the Richest, Most Destructive Industry on Earth

 

腐敗されられた民主主義、野盗国家ロシア、そして地球で最も裕福で、最も破壊的な産業(石油業界のことです。)

 

あ、献辞がいかにも彼女らしい。

’To the bots and trolls, all of you, with love’

 

(右翼系の)ボットや、トロールに愛を込めて。(右翼系が、彼女のサイトやらツイッターを常にせっせと、炎上させるべく励んでますから。)

 

彼女の巨大さは、多分まだ日本に伝わってませんしアメリカのニュースショウとしても、いわゆるGround Breakingです。

 

私は、彼女がラジオのDJやっていた頃から一応知っています。でも、彼女がここまで伸びたのは、皮肉なことにトランプが大統領になってから。

 

他のどの、民主党よりのニュースショウホストより早く、トランプのロシア疑惑についてリポートを始めています。

 

正直、彼女のリポート抜きに、ロシアの選挙絡みの情報戦が、ここまで洗練されておりかつ、広範囲に渡るものだとは、私でさえ当初想像しなかった。

 

Mueller特別捜査官の膨大なレポートが、数十名の逮捕者を出したにもかかわらず、トランプそのものには到達しなかったことによって、彼女は一時的にかなりの視聴者を失ったと言われています。

 

ただ、これはトランプ政権の作戦がちで、この可能性も彼女は予想していたのですよね。

 

つまり、トランプのためならなんでもするBarrをMuellerのレポートが発表される前に、Atterny General (司法長官、日本の法務大臣にあたる)に据えたので、すべてがウヤムヤにされました。

 

所詮、きちんとニュースを読む人口などは限られているので、弾劾審判には至らなかったわけです。

 

でもつくづく、

Karma is a bitch (因果応報というかんじです。)

 

このMullerが下院で呼び出されたその翌日に、トランプはウクライナの新大統領に電話して、その電話の内容が、今回の弾劾審判の直接の理由なのですから。

しかも、トランプは自分で、自分の電話の大まかなトランスクリプションをリリースしたのですから。

 

先週以来、Rachelはかなり躁状態です。それはやっとトランプの弾劾審判がはじめってよかったという嬉しさもあるでしょうが、それ以上に

Oxford大学の博士号を持つPolitical Scientistとして、千載一遇の歴史的出来事に向き合っているという興奮でしょう。

 

さて、内容なのですが、奇しくも、地政学的に見てなぜロシアがそれほどまで強引にアメリカの国内政治に関わってきたか、実はその根本の理由を解き明かしているのが、

 

この本です。

 

ですから、この本は多分書きはじめの動機以上に、現時点で非常に重要な本になると思います。

 

Rachelがすごいのは、、一見些末的で、ちょっとゴシップぽい具体的なエピソードで聞き手、あるいは読み手の興味をひきつけながら、その卓越した頭脳で膨大な量の一見無関係に見える事実を分析し、

Connect dots (本当に起きている現象を浮かび上がらせる。)

 

してみせることです。そういえば、昨晩は現在アメリカのLate Showの中で、一番人気のある’指輪物語’ギークでもある、Stephen Colbert Showに登場してました。

 

基本、Late Showというのは、風刺がらみのコメントが売りなので、笑いが取れてしかも頭がいいホストが揃ってます。で、レイチェルというのはこういうひとたちをして

 

TV界で一番切れるなんて言われてます。

 

 

年取ったなんて言ってますが、まだ46歳ですね。

 

 

いつになく、Stephenも興奮している感じ、

 

他にも、朝飯前に図書館一つの本を消化するなんて言われ方もしてます。

 

ちなみに、夜9時からの彼女のNew Showですが、売りは最初の20-30分のモノローグです。

 

基本、とにかく面白くて意外な発見のある大学の名物講義みたいなものがVideoになったかんじを思い浮かべていただければ、いいと思います。

 

 

で、彼女がとにかくすごいのは、大小様々な地政学がらみの出来事の中から、いわゆる重要な節目を抑えるだけでなく、それにともなういわばヘンテコな出来事を拾い出してきて、読者あるいは、視聴者に深く印象づける能力なのです。

 

たとえばこの本冒頭です。

 

ロシア最大の石油資本が、まだ9・11の記憶も薄れない2003年のNew Yorkに、初めてのガソリンスタンドをオープンするところから始まるのです。

 

このかなり規模の小さい出来事に、まずNew York州の上院議員(民主党です!!)が参加しているだけでなく、なんとプーチン大統領本人が、この石油資本のCEOとともに顔を見せている。

 

あのころって、ふりかえるととにかく中東のテロリストに世界中が総毛立っていましたよね。それに比べると、ソビエト連邦崩壊後の、小さくなったロシアは脅威というより、一緒にやっていけそうな相手だったわけですよね。

 

で、なんでこれがロシアにとってシンボリックで非常に重要な出来事だったのか、それがこの本の導入になっていくわけです。

 

 

後、Rachelは結構私があまり知らない単語を使います。で、私にとっては政治経済系の語彙を増やすいいチャンス。

 

さらに、この本によって、改めて石油資本の破壊力に目が行くのは、ほんの少し前のGretaのGlobal WarmingがらみのSpeechでの盛り上がりと重なっていきますね。

 

実は、まだ日本にいた大昔に、国際石油資本、7大メジャーの歴史をたどったこの本を読んでいます。

 

 

これは、特別暴露本みたいなセンセーショナルなものではなかったのですが、私には面白かったです。

 

Seven Sistersというのは、もともとアメリカのIVYリーグに対応する、7つの女子大のことを言ってたのですよね。IVYリーグのほうが本来Opecに対応するのでしょうが’。

 

結局いい本というのは、読後少しものがよく見えるようになる本だと私つくづく思います。

 

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