大体往きの機内ではほとんど眠れません。その結果かなり映画を見ます。

 

その時のプログラムの内容によって、ハリウッド映画、邦画、World映画の割合はずいぶん違います。今回は邦画三本と、ハリウッド映画一本。

で、ラインアップが我ながら偏っている?

 

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(これは、私としては珍しく見ようかと思った、アメコミヒーロー原作映画。ただし主人公とその仲間たちは女性です。)

映画「ヲタクに恋は難しい、漫画もアニメも大好きでした。

’天気の子’、アメリカで映画館で見てますが、また見たくなった。

そして、一体どんなものなにか全く見当がつかず、見たのが今回取り上げる。

’架空OL日記’

 

一度は、最初の2-3分見て、やめました。

 

だって、正直不気味なんだもの。どちらかというと小太り、坊ちゃん顔のオジサンが、準ぐうだらOLを朝ルーチンを、モノローグまで入れながらまんまやるんですよ。

 

正直、笑えるというよりむしろ、

 

ひたすらキモイ

 

バカリズムこと升野 英知 (年齢調べたら44歳でした。)のこと、あ名前は聞いたことあるなあぐらいしか知らないし。

 

でもやっぱり気になりました。私なりの理由というのは、日本の男性有名人で、たぶん一番地頭がいい男性が多いのは、いわゆるお笑いの世界だと思っているので。

 

あと、個人的趣味として、

 

タイトルはすごくいいです。

 

日本古典の日記文学を21世紀風にアップデートしたみたいでしょう。さらに、原作もバカリズムが、OLになりきって日記をつけるという体裁ですから、まるでリバース土佐日記でしょう。

 

’Bird of Prey’,それから’ヲタクに恋は難しい’と見た後、今一どれにも食指が動かず、しばらくMusic Videoみたり、なぜか大瀧詠一特集とかあったのでそれを聞いていたのです、やはり気になって、再度’架空OL日記’に挑戦することにしました。

 

大体、同い年設定で、一番気の合うという設定のマキちゃんと、月曜日をどんどんずらしていく話をするところぐらいから、このかなりキモイVisualの慣れてきました。

 

後は、どうっていうことのないOLの日常が、テンポよく続きます。

 

盛り上がる話題、そして主な関心は、

 

  • 嫌な上司や、男性同僚の悪口
  • 職場の環境改善(これが、個人的にはある意味一番面白かった。)
  • いわゆる女の子の興味

と、こんな感じです。で、映画は、姉御肌キャラである小峰さまの結婚式で感動しながら終わるのですが、この時突然、

 

架空OLは消滅し、傍観者である小太り坊ちゃん顔オジサンに統合されます。

 

えー、なんなのこれスゲー怖いんですけど。

 

確かに、うんうんとうなづく’名セリフ’??はいくらでもあります。それだけでもこの映画は見せてしまえるのかもしれない。深く考えずに楽しめば、

 

普通のOLが共感しやすい

 

なんて、それこそ普通の反応が出てきます。何よりこの映画にはOLのいたって瑣末的日常を、男性作者が描いているのにもかかわらず、男が妄想したがる

 

女同士のじめじめした争いがない!!

 

かといって、誰もがお互いをものすごく気に入りあっている仲良しこよしというのではないのです。

 

ぶっちゃけ、ここに登場する一般職OLたちは、全員そんなことをするには、

 

普通に頭良すぎるのですよ。

 

今は、平成も終わり、すでに令和。平成では冷めたJKだった世代が高卒OLになったと考えれば納得も行きます。

 

大体、男が妄想するほど、令和の今本気で、後輩をいびったりする同性の先輩なんていもしない。

 

バカリズム演ずる架空OLが、後輩であるさえちゃんをたしなめる一言、

 

’いま私たちに必要なのは、真実じゃなくて矛先だから’

 

そうです、このOLさんたちには、実は

 

未来のかけらもない

 

そういえば、判子ケースのデコ比べエピソードも、現実から俯瞰して見直すととても象徴的です。たって、

 

判子は昭和的超低生産性の象徴じゃないですか

 

ちなみにこの映画の舞台となる職場は、

 

つい最近どこにでもあった、

銀行支店です。

 

銀行は、ほんのここ1-2年の間にものすごい量のリストラを進めています。

 

ですから、現実の一般職OLたちは、もうこの映画に描かれているような、無駄な仕事をAIやOnline Bankingで置き換えられていくわけです。

 

最終的に私に残るのは、

 

日本という国が、おじさんの既得権益を守るために、可能性を秘めた労働力を完ぺきなまでに無駄にしているということです。

 

実は、日本について歩いて行けるスーパーの二階にあるこじんまりした書籍コーナーに寄ったのですが、そこでこの本が目につきさっそくKindleで購入しました。

 

 

何が恐ろしいかというと、 日本のあまりの多くの若い女性がとっくの昔に、自分にあり得る様々な未来という可能性をすでに捨ててしまっているということです。

 

だから、結婚式は人生の最高Eventとして夢見られる。

 

その先はない。

 

ハッピーエンドって、女性の絶望の象徴でもあります。

 

ちなみに、リアルバカリズムが体現する存在は、そんな夢のかけらスラさえも手にすることができない、日本で急増中の、

 

未婚下流男子でしょう。

 

そんな彼らの起死回生のかすかなチャンスが、

 

ホスト、

Youtuber,

芸人

 

でしょうか。

 

うん、だから私は今や耳をすませてみたい男性発信者は、ほぼこのジャンルに限るのでしょうね。

 

とはいえ、この3ジャンルほど超過当競争でしょう。

 

だから、たぶんこのおよそ天才が生まれにくい日本でありながら、天才が続出するのです。

 

ひとりで、こんなことをあれこれ考えていました。

 

 

 

 

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