Crunchy Rollの今期の同時放映分がいまいちなので、Amazon Primeでいろいろ探し、おとといから’将国のアルタイ’、全24話視聴しました。
フツーのファンタジー戦記物には、何か面白そうなひねりがない限り最近は食傷気味です。でもこのお話は同じ架空の戦記物とはいえ、主人公キャラの国が、中東風。
以前、同じように主人公たちのほうが中近東風の王国であったアルスラーン戦記が結構面白かったので、そしてもちろん主人公が何故か金髪の美少年将軍でしたので見始め、
はーい、大当たり
お話はアニメのアルスラーン戦記より、主人公がもっと複雑で、私にとってはより、面白い。
主人公マフムートは自分の故郷や家族を幼いころに滅ぼされた孤児。彼はその戦争を最終的には勝利に導いたカリル老将軍。
野心ではなく、二度と戦争を起こしたくないという強い思いから、将軍をめざし、見事最年少で将軍の地位を手に入れますが、将軍になってすぐ、友人の村を救うために命令無視で単独行動をとり、結果的には成功するのですが、将軍としては間違った行動であったということで、降格されます。
それからが本当の修行時代の始まり。
さて、舞台は架空ですが、主人公の出身地トルキエはトルコっぽく、そして拡大主義のバルトライン帝国と敵対しています。
場所はヨーロッパの地中海沿岸諸国、そしてギリシャの当たりなどを彷彿とさせる架空の中世のような世界。
ベネチア共和国に似たベネディック、ルーマニアを思い起こさせるウラド王国、実在のイタリア都市国家と同じ名前のフローレンス共和国などが、それぜれ自分の国のために画策、保身にはしるなか、この美少年は、この老獪な各国指導者たちをバルトライン帝国の侵略に対抗する同盟へと少しづつまとめていくのです。
後半、戦略家としての彼の手腕もどんどん発揮されていきますが、むしろ前半本音はめったに言わない各国の指導者たちの間で、もまれていく過程が本当に面白い。
実は私塩野七生の大ファンで、ベネチア共和国の歴史物語’海の都の物語’を読んでいるので、この辺の各党は、丁度この本を読んでいた時に私自身いろいろ考えさせられたことを思い出させてくれました。
ちなみに、このベネチアのお話を読んだ時、私は初めて共和制のほうが、もしかして小国の場合、いわゆる民主主義より効果的かもと信念がぐらつきました。これ、いまだに私の中で折り合いはついてません。
さて、降格後に、最初の経験はポイ二キアという灯台小国家の、帝国に対する防衛戦なのですが、最終的には、同盟国であったベネディック行動が、マフムートにとって最初の苦い政治的行動原理との邂逅ということになりますね。
さらに、マフムートという少年はとても高潔で、実際戦争のない平和な世界を目指して動いているのですが、結果的にその時々の正しいとの信念のもとにとる行動は、えてして効果的であるがこそひどく血なまぐさいものになっていきます。
とにかく、このお話もし絵がいまいちだったとしても、すごーく考えさせられることが多くて引き込まれるのです。
原作は、カトウコトノの漫画、現在20巻まで出てますがまだ完結してません。アニメは漫画の15巻ぐらいまでかな。
ということは、漫画のほうが30巻を超えれば続編もありということになりますよね。
ともかく、さらに加えて、マフムートしばらくぶりの、華麗金髪美少年で、中近東風の恰好すごくきれいです。あと、もうサービスのような女装すでに数回。
さらに、アニメ後半のOP最後のショットもうこれグラマーショットでしょう。
ほかに一番の美形はなんといってもベネディックの元首【ドウージェ)。マフムートの先輩かつライバルのザガノス将軍も実は美形、ただこの人今のところ一度も笑ってないのでね。
敵方にも何人か美形キャラいますが、今のところこの三人でかなり間に合ってます。なんか、普通のヨーロッパ風の格好だと、今一萌えが足りない感じ。
詳しく書くとネタバレしてしまうので控えますが、戦術の展開シーンもより現実的でおすすめです。
いやー、もっとこういうアニメみたいです。