’Re:ゼロから始める異世界生活’も、私の場合はアニメのみです。まあ、アメリカに住んでいると一番コスパのいいコンテンツはアニメだったりもしますので。(アニメは、今Crunchy RollというStreaming Serviceと、Amazon Primeで見てます。)
原作のラノベは2017年末までで、シリーズ累計部数は430万部売れ、’Sugoi Japan award 2017’ではアニメ部門とラノベ部門の両部門で一位。
オーバーロードと同じようにこれも異世界漂流もの。オーバーロードと違った意味でこれもとてもユニークな設定が、二つあります。
1.主人公スバル ナツキは引きもり高校生ですが、異世界漂流後も、リアルそのままのさえないキャラ。
2.基本特技は死ぬたびに時間分岐地点(そして時点)に戻ってやり直すことが出来る。そのさい以前の死に至る失敗もそれまでの経過もすべて覚えている。
後半にはいってから、ほんの少し低級魔法を覚えたりしますが、基本これだけです。このジャンルの主人公としては、私が記憶する限り最弱ですね。
お話や、ほぼ男性ファン向けばかりの萌えキャラたちの話はすでにさんざん盛り上がっているでしょうから、ここではこの残酷なまでに過酷な設定が、この主人公キャラをかなり強引に成長させてしまうプロセスについて突っ込んでみたいのです。
まず、スバルはだめ高校生ですが、日本である程度まで育ったことをふまえての基本的道徳感みたいなものは維持しています。
で、厄介ごとに巻き込まれ最初の死を味会う羽目になるのもまあ人助けという出来心がきっかけです。
もちろん、助けた相手の見かけがかわいかったことはあるにせよです。
お話が進むにつれ、それなりに好意を示してくれるキャラも増える半面、それらを巻き込んでのまあやばいことも起こりがちな冒険は進んでいきます。
で、ことあるごとにいきづまる。
で、どうしようもなくなるとスバルはやり直しのためにリセットするわけです。
リセットといえば簡単そうに響きますが、基本そのたびに殺されるか、事故死か、自殺ですよ。
さすが、いちいちこのプロセスの痛みは描かれませんが、最初の死(これは切り殺されました。)いらい、痛みから逃れるすべがないことははっきりしています。
最初のモチベはかなり単純、まあ一目ぼれした女の子キャラにいいとこ見せたいぐらいの軽い気持ちでしたが、この生と死のPDCAサイクルは少しずつスバルを変えていく。
だって、生死がかかってますから、そりゃ同じ間違いは繰り返したくないですよね。ですからだんだん努力して頭を使うようになります。
それでもちょっといいことが続いたりすると、そのあとものすごく痛い行為を立て続けにやってしまい総すかんを食ってしまったりします。
こういう時、すぐ生死にはかかわらないものの、さらにスバルは自分が変化することをせまられる。
つまり、戦略レベルの成長だけでなく、自分自身と対峙することさえはじめるのです。自虐でにげることも、できないところまで追い詰められていきますから、凄まじいです。
私もいろいろアニメ見てますけどね、スバルがものすごく痛くなってしまった時の状況、このアニメ本当に容赦なく描きます。もう、そこまで曲がりなりにも主人公キャラいじめるのという感じ。
Genshikenのオタク女子とこのアニメのはなしをしたとき、どんなグロシーンより、スバルの痛い言動のほうが見ていられなかったと手を取り合いました。
メインきゃらだけでなく、話が進むにつれスバル実は子供と仲良しになるの得意だったりという状況もうまれ、それは彼がさらに自分だけではなく、人を守るために戦うという方向へと誘っていく。
彼は、情報を集めること、人を動かすこと、交渉すること、そしてきちっと戦略をたてることなどを通じて、自分に魔力や強大な戦闘力がなくとも、どうやって前回の間違いを克服し敵を倒すことができるのか、実に忍耐強くそして緻密な行動を積み重ね、学んでいくのです。
私たちが生きていくうえで、息詰まることは何度もあると思います。そういう時、私たちは割とただ諦めてしまうことが多いのかもしれない。
でも、生と死のPDCAサイクルとまではいかなくとも、少しさかのぼってやり直すとうことは可能なのではないでしょか。
私の場合、最大のリセットはアメリカに来て大学に通い始めたこと。高校を卒業した私はぶち毀れ状態だったので、一度は勉強をあきらめたけど、結局10年近くたってからリセットしましたっけ。
いつも思うのですが、進化ってらせん状でしょう。
ほら、元の場所に戻るような形で起こるけど一つステップアップしてるから。
ほうんとうに、やり直すことは死ぬまで可能です。