はい、久しぶりに東洋経済オンラインの記事絡みです。

しかも、以前にも取り上げかつ、今現在過去1ヶ月不動のNo1記事、

日本はオワコンという言い方やめましょうよ。後、デービッド・アトキンソンの論旨に覚える違和感について。

 

この記事のフォロー書きますから。で、今朝読んだのがこちら、実はもっと早くこういう記事上げるべきだったのですがね。

最低賃金引き上げ「よくある誤解」をぶった斬る。アトキンソン氏「徹底的にエビデンスを見よ」

 

いや、アトキンスさんて、正直ホテルや観光業界の話を書いていた頃に比べて、この頃賛同することが多いのです。大体この本夏日本にいるときにきちんと読んで、すでにかなり見直していたのですね。

 

 

今朝の記事も基本とても、良心的な記事です。私はアメリカでの最低賃金引き上げに関する議論しか知りませんが、ポール・クルーグマンの言説にはかなり馴染みがあります。

アメリカの場合、ここ20年ぐらいの間に、凄まじい勢いでもともと大きかった格差が更にひろまり、とくに若い層の貧困化が進んでます。

 

でこの若い層にとって大きな問題が2つあり、ひとつは今や詐欺かというほどひどくなってしまった教育ローンの問題。(この話はまた書きます。地球温暖化以外で、若い層にとって今度の選挙に争点の一つがこれです。これが、年が行っている人たちだと経済系では、医療費と保険の話になるのです。)

 

そしてもうひとつが、最低賃金です。

 

なんせ、最近の税金絡みの調査で、トランプの税制改変の結果、公式にお金持ちのほうが少ない率で税金を払っていることがはっきりしたばかり。

 

生産性の伸びに比べて、最低賃金が1990年代以来据え置き状態なのははっきりしてます。

 

ですから、ポール・クルーグマンみたいな経済学者が、主にシカゴ派を中心とする新市場主義者の誤謬を立たすのには非常に意味があります。レーガノミックスも、トリクルダウンエコノミーもすでに、その間違いがデータとして出ているわけですし。

 

アメリカの経済のいびつ差は、日常的な印象からも感じられます。私はBaltimoreに移ってきて20年になりますが。その間景気のサイクルによって、目に付くホームレスや乞食の数が変動するのです。

が、ここ数年は、ダウが史上最高値にあるのにも関わらず、

増える一方で、しかも若い白人が目につくのです。

 

Baltimoreは、圧倒的に黒人人口の多い中都市です。だからこれはかなり異常事態。さらに、失業率が低いと賛美される一方で、いわゆるギグ・エコノミーばかり伸びているのに目がつくのです。これもデータが出だしてます。(失業率は、パートもギグ・エコノミーも就業として数えますから。)

 

もう、日曜日の朝Wholefoodに買い物に行くと、圧倒的に、Amazonの宅配のためにせっせ大きな袋をいくつもカートに詰め込んでいる人たちばかりです。

 

 

だからということもあって、私は娘を連れて日本にやってくると

ほっとする。

 

うちの実家は江東区で、スカイツリーが見え、あの錦糸町にも歩いていける距離にあります。いわゆる郊外ではない。

 

ただ、妹に聞いたところせっかくボランティアで、保護司の資格をとったのにまだ一人も割り振られていないそうです。で、彼女が確かめたところ、このへんは治安が良過ぎでほとんどそういう人がいないのだそうです。

 

道を歩くと、本当にゴミが落ちていなくて、(しかもゴミ箱はほとんどない。)娘も感動したぐらいです。

 

昔からある一軒家が、実家と同じ用に中層ビルに(5-9階)建て替えられたところが多く、その一階がカフェやレストランやコンビニになってます。で、わりと運河沿いにもっと大きめの高層アパートが建っている。そんな町並みです。

 

ただ運河沿いは、すべて遊歩道になってますしすぐ近くにかなり大きな公園もありますので、散歩やジョギングはとてもやりやすい。

 

日本はオワコン、オワコンという言説を無責任に吐き出す人は、こういう普通の平和さが、世界のどこでも簡単に手に入るものだと思っているのでしょうね。

 

アトキンスさんが住んでいる京都のような見栄えのする観光資源は一切ありませんが、この安寧さというものがどれだけ世界で希少価値があるか、日本人はもうすこし自覚したほうがいい。

 

で、結局

アトキンスさん自身も、日本が好きなのだと思います。

 

今回の記事で一番感動したのは、内容そのもの以前に、彼がものすごく真面目に、過去記事に対するコメントを呼んで、それに対してきちんと出どころを示しながら反論しているところです。

 

が、そうやって書かれた記事に関するコメントの大多数が、本当に

まるで他人事のように非生産的で、情けない。

 

アメリカをお手本にするぐらいなら、イギリス人のアトキンスさんのほうがよほど効く価値がある。

後、今回ではっきりしたのは彼が、ポール・クルーグマンみたいな経済学者の見方を受け入れていること。

これは、私がそれなりに今まで学んできたことと、そして私自身の価値観とかなり実は近いということです。

 

何度繰り返してるだろう。これ、

 

日本はオワコンと言う前に、オワコンにしないよう動き始めよう。

 

私は、アトキンスさんと少し違うところもあります。アトキンスさんのほうが、大企業に対するある種の信頼感がある。私はそれほど、大企業という形態をあまり信頼していない。

 

もう少し厳密に言うと、社会と企業がうまく共存していくためには、たぶん

企業の適正サイズのようなものがあると思います。

 

これは、たとえば地球温暖化みたいな問題を考えるとわかりやすい。

 

自分のカーボンフットプリントを減らすためにやれることの一つは、

ローカル消費ですよ。

 

でしたら、グローバル企業は、問題でしょう。すくなくとも物流に関する限りグローバルなサプライチェーンは、非常にカーボンフットプリント効率の悪い輸送を前提にしているわけでしょう。

 

2025年の大廃業時代を控えて、中小企業のM&Aが盛んになることは、必要だし賛成です。でも、企業サイズは大きければ大きいほどいいというわけではないと思う。

独占ではなくとも、寡占状態ですでに怖い。

 

たとえば、妹がいつも下請けとして苦しまされている大手ゼネコンですが、ほら大きなプロジェクトとなると、談合とかあって問題でしょう。そして工事現場では、ライフバランスなんてものにはお構いなく、週6日が当たり前どころか、休日でも工期予定完了日がせまると、働かされる。

 

後、フランチャイズの元締めである、7-11もひどいですよね。

 

 

企業の適正サイズについては、今度また改めて書きます。そうか、あと教育ローンの酷さについても書かなくては。

 

ちなみに私自身は、妹の会社に関わることで自分にできることをしてます。

 

この夏、妹の会社の役員全員が、大廃業時代に向けて動き始めることに賛同してくれましたし。

 

あと、大企業でなくても、健全経営していれば、福利厚生もかなり充実させられるし、お給料だってそれなりに出せます。

 

まあ、人手が足りないという中小企業の方は、少しお給料を上げてみるといいですよ。妹の会社は、順調にここ数年毎年生採用の実績を上げてますから。

 

彼らに、うちに会社見学に来てくれた最初のきっかけを聞くと、必ずお給料と福利厚生です。(地方から移動してもらうので、住宅手当、そして寮の完備などが福利厚生のなかで特に大きかったそうです。)

 

まあ、自分にめったにつかないからついありがたがってしまうコメントみても、コメント各人たちって、確実に有言不実行、匿名ですよね。

 

アトキンスさん偉いよ。わざわざ有言不実行、匿名のコメにきちんと反論していて。つまり彼のほうがよほど、日本をオワコンにしたくないということですから。

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