私がファンであるイケハヤさんは、かなり’大学なんか行くな’という側の急先鋒です。彼の根拠は至ってまともですが、私とイケハヤさんの違いは、

私日本で大学行ってません。

 

イケハヤさんや、はあちゅうさんが’大学なんかやめておけ’といった場合、基本そこが少し弱いと言うか、ある種偽善的に聞こえるのかもしれません。

 

大人は、自分がいくつも間違いを犯して、だから子供にああするなこうするなとついってしまいます。

 

それってやはり、子供から間違える権利、あれこれ迷う時間を失ってしまうと思うのです。

 

最初に言い切ってしまうと、

コスパを考えなければ大学に入ったほうがいいと思います。

 

大学時代が、もしかしたら自分が学問向きかもしれないとこを含めて、自分についてあれこれ迷い悩む時期だから。だって大学院に行くには大学出ていないと無理でしょう。

 

はあちゅうさんだって、’女子大生’だったからスポンサー見つけて世界一周旅行をするなんてことができたし。

 

イケハヤさんが、コスパベースのものの見方に目覚めたのも受験勉強を通じてだし。

 

でも、時代が変わりました。

高校を出てすぐ、多量の借金をしてまで’大学’に行くのはコストが高すぎる。

それだけコストを賭けるのなら、人生の初期に多量の借金というリスクをせおっても良いだけのリターンがなくては無理ゲーです。

 

誰だって、レベル1のときに、コインマイナス200なんてもう完全に最初から負けてるでしょう。そういう状況で勝てるのは、そのゲーム以外ですでに、高レベルのゲームに勝つための技術を持っている人だけです。

 

ですから、コスパの良い大学とは、

 

コストのやすい大学。日本の場合、公立大学は基本私立より学費が安い。学費が安くて、さらに生活費が安い地域にある大学は基本コスパがいい。

 

2.ブランド力の高い大学。私立なら、早慶、同志社がトップブランド、その下に上智、青学、立命館、立教。うーん、私ここはあまり詳しくはないです。まあようは、私大に高い月謝を払って、そのかわり卒業後の就職先で5年以内に学費のローンを返せるような大学。

こういう考え方はアメリカ人にとっては基本。大学側も分かってます。

 

3.主に理系で、一般的なブランド力はないが、特定の産業分野に太いっ就職先を持っている大学。

ブランド力もなく、就職先のパイプもない大学に借金をしてまで行くのはコスパが悪すぎる。

 

昔々、一億総中流社会なんていっていたころは、そんな大学でもどうにか授業料を払ってくれる親が多かったのです。

 

簡単にいってしまえば、昔は大学のコスパなんて考えなくても良かった。

あと、90年代以前の授業料は今に比べるとずっと安かった。

なんといってもずーっとローテックな時代でしたから。

 

ここで、アメリカの状況を私自身の最近の出来事からお話しましょう。

 

つい先日、クライアントであり友人である女性と、そもそも私が所属先を変えたのでその挨拶を兼ねてあったのですが、娘も一緒に連れていきました。

高校入学の報告のついでに、娘がすでに3Dモデリングの才能があるといったところ、それは凄くいい分野だ、これから需要が増え続ける分野だから。で、そこで彼女が付け加えたのが、

でも大学はちゃんとでなきゃだめだよ。

 

Not How to do things 、But How to Think

といったのです。

世の中に出てすぐお金を稼げるようになるために大学に行くのではなく、自分の力で物が考えられるようになるために大学にいくのだと。

ですから、アメリカのような国でも、大学教育の価値が二重構造であることはかなり認識されているのですね。

私自身、アメリカで大学一年生からはじめました。

 

日本で大学に行くのはいろいろな意味で大変だったし、(日本では、高校から大学というルート以外の大学入学ルートはほとんどかくりつされていないし。私の場合高3の後半投げたもののそれまでの成績がやたら良かったので2流の大学にはパスできるぐらいだった。)

 

アメリカだったら英語さえどうにかなれば行きやすい。まあ自分の持っている高いものをうったり、あと貯金も1年半分ぐらいはあったので。まあ、最終的に父がお金をだしてくれましたから。

 

ただ、社会人として結構長く働いてましたから、ものすごくコストを意識しました。だから、安い州立大(場所が大事。)をなるべく早く卒業して大学院に潜り込む。これでした。

で、実際大学は3年半で終え、しかも最後の半年は授業料免除。大学院はずーっとTAだったので、授業料ただで最低生活費ももらってました。

 

ずーっと後で甥っ子が4年制の大学にかかった費用と比べると、ホントなんと10分の一。(私は片田舎、甥っ子はBostonの一流ではない私大だったので。)

 

さて、アメリカの場合、一口に大学に行くと言ってもいろいろな方法があります。格差が進んでいるのはアメリカのほうがひどいですから、子供の学費を出せる親というのはどんどん限られてきています。

ただ、日本と違い実際に大卒のゴールにたどり着くまでの道はOptionが充実しているのです。

 

まず、地方自治体レベルで、学力審査のあるいわゆる州立大学とは別に、Community Collegeというものがあります。

 

ここは高校卒業資格さえあれば誰でも入ることができます。ここで取ることのできるクラスはきほん、大学の教養レベルまで、ということで大きめのCommunity Collegeでは、Associate degree,まあ日本で言うところの短大卒という学位を取れるところもあります。

 

誰でも入れる代わりに、どこが本住所であるかによって、授業料が違います。州内と州外の差だけではなく、さらに同じ州内でもCollegeのあるCountyやCityの住民か否かで、またまた授業料の割引があります。

 

ですから、たとえ州立大学を目指していても、最初は近くのCommunity Collegeで教養の単位を取れるだけとってTransferというやりかたがいっぱんてきになりつつあります。

 

まあ、親に授業料を出してもらえない人たちはすべからくこのルートですね。

 

ただ、やはり肝心の授業の内容のレベルには差があるので、まあCommunity College levelでAをとってないと州立大学、State Univercityでついていくのは大変ですね。

あと、州立大の方も、州内の生徒の授業料は私立に比べるとだいぶ安くなりますが、他州の有名州立大などにいくとなると、学費が有名私大なみに高いので、愕然とします。

 

私の友人の娘さんが、めでたくUCLAに受かったのですが、授業料があまりに高いので、私の友人である日本人のお母さんはパート仕事を一つ増やしましたから。(彼女は旦那さんがリーマンショックで損をして、ピアノの先生をして家計を助け始めました。でこのパートはピアノの先生に加えて。)まあ、いかにも日本人のお母さんらしい対応。

 

私があえて強調します。

やはり大学にはいつか行ったほうがよいかもしれない。

とてももやもやしたいいかたですが、これからは人生100年があたりまえになりそうなLife Shiftの時代を迎えます。

 

ながくいきるにあたって、お金をもうけるよりも、あれこれ回り道して考え、試行錯誤を繰り返す時間はとても必要だと思います。

 

私のTwitterのHandle名のひとつはDIKWisdomです。

これ知の4段階から来てるんです。

 

Data

Information

Knowledge

Wisdom

 

今とにかく、Infomationレベルの知が膨大になってしまい、しかもこれからも加速度的に増え続けるでしょう。

 

自分が市場経済で生き延びていくためだけに必要な情報を得るためでしたら、大学はすでに必要ない分野が増えてますし、コスパもわるい。

でも、それはせいぜいHow toレベルの知。

 

本来それをもう一つ上のレベルに上げるためにこそ大学が作られたのですが、英語で言うところのLiberal Artsの概念がそれです。

 

そして、大学を終え更に経験を積み、限られた人がWisdomを身につける。

 

これが知の探求ゲームのゴールだったはずなのですが。

迷っているあなたの助けになれば幸いです。

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