さて、少し間が空き、なんと10月になってしまいましたが、今週中に土用編終わらせます。
今回はその2,分析するリスクは3,4。
3.逆に、長く生きすぎるリスク
4.インフレーションリスク
そういえば、ついに日本でも消費税が10%になりましたね。これ安倍政権はインフレを狙っているのでしょうかね。インフレよりも今の状態ですとスタグフレーションになりそうですがね。(本来ある程度のインフレは、経済の拡大に伴うもので必ずしもマイナス要因ではない。でも賃金が過去なん10年も低迷している状態で、物価の値上げを推進するのは完全に馬鹿げてます。)
ともあれ、少し前に今のままだと平均して2000万ほど老後の資金が足りないという、わけの分からない試算が発表されてましたが。あれは何だったのでしょうか?
どうも、直感的には単に投資商品をもっと買えてというプッシュが一番大きな理由だったのではないのでしょうかね。
さて、この2つのリスクのうち、最初にインフレーションリスクというものを考えます。
インフレーションは、基本経済が拡大していく状況で普通に起こってしまうものです。ミクロ経済学の基本で、求人が増え、結果人を雇うコストが上がり、それが商品価格に反映される。
もし経済が普通に機能していて、更に貴方が働いているのなら、適度のインフレーションはあまり問題になりません。
インフレーションが問題になるのは、同じお金で変える商品の量が下がること、つまり
購買力の低下です
ですから、若いときからせっせと貯金してそのお金に老後頼ろうとした場合、もしたとえ2%前後のインフレでも、何十年と続けば額面の溜まった金額に比べて、かなり購買力が落ちてしまうのです。
ただ、日本の場合1990年代にバブルが崩壊して以来、基本ゼロインフレ、あるいはデフレ状態が続いています。だから貯金の年金で暮らしていけるシニアは例えばアメリカなどと比べると圧倒的に多かったし、今のところどんどん平均年収が下がっている若い世代もどうにか暮らしていっています。
もちろん、今現在で相対貧困層は、すでに全人口の約5分の一、2000万人に達すると言われていますので、今回の消費税値上げの影響がどのくらい影を落とすのか心配ではありますが。
いま、こんなふうにまとめたのには理由があります。基本リスクをとってまで投資をする最大のロジカルな理由は、普通のサラリーワーカーにとって、
インフレ対策なのです。
アメリカの場合、70年代で大企業丸抱えの年金が終わった時点で、401k時代、つまりにほんでいうところの確定拠出年金による老後のための資産の積立時代が始まりました。
それと同時に相互信託(Mutual Fund)市場が爆発し、ごく普通のサラリーワーカーが、投資に首を突っ込むようになりました。
相互信託そのもののも、どんどん種類が増え、さらにここ10年ぐらいはさらなる進化形であるETF(Exchange Traded Fund 上場投資信託)がどんどん市場規模を伸ばしてきています。
さて、確定拠出年金型口座の最大のメリットは、所得税の繰延と、現在の課税対象額の減額です。日本の場合とにかく規模の小さい中小企業が多く、会社としてこの制度を使っているところはまだ少ないので、個人向けのIdecoのこのメリットをまとめますね。
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加入者掛金が全額所得控除の対象となる。これは、サラリーの高い人ほど効きます。なにせ課税対象所得を減らしてくれますので。日本のサラリーワーカーの場合、かなり累進課税のカーブが険しいのでお給料が上がった場合、とにかく貯金は限度額まで、まずIdecoですね。
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運用益は全額非課税となる。つまり運用中のCapital Gainとかに対していちいち課税されません。まあ、日本の場合他にもこの手の優遇処置付きの口座があるみたいです。
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さて、老後に使う時はさすがに所得税の対象になります。が、年金で受け取る場合も、一時金で受け取る場合も控除の対象となるので、所得税は軽減されます。
これが、NISAの場合は、逆ですね。積立は税金を払った後のお金が対象となるので、当初の税優遇はありません。ただ、ここからおろし始める時は非課税。このへんは米国で言うRoth IRAに近いのですが、ただ、運用中の非課税期間に制約があるので要注意です。
そして、Idecoの場合、どこに口座を持つかによって手数料が違います。
Idecoナビ というリンク貼りましたのでチェックしてください。
今現在では、個人的には楽天証券がおすすめです。なんといってもETFで積立ができ、さらに一部のETFは手数料なしです。
さて、こうやってIdecoなどを使って毎月地道に、アメリカのMarketに投資しているETFなどに投資していきますと、平均のリターンで6%を上回ることは難しくありません。さらに、きちんとPortfolioにすると、これを7%ぐらいまで上げることも普通です。
ただし、老後について考える場合、リスク 3,つまり
長く生きすぎるリスク
というものが実は非常に厄介な問題です。
ここで、日本の老後向けの金融商品が以下に遅れているかという話になります。
外資系の年金商品に力を入れている保険会社は、日本に入ってきてはいますが、基本まだ
アメリカで売っている優秀な年金商品は取扱なし
例えば、Idecoでせっかく運用して育てた資金があっても、老後の長い時間をサポートしていくためには、滅多なリスクは取れません。
ここが肝なのです。
つまり、長い間をかけて積み立てる時は、大事なのは平均であって、タイミングではありません。特に確定拠出年金の場合、60歳前に下ろすと罰金がありますから、丁度いいのです。
ところが、働くのをやめ、年金と個人の頑張って貯めた資産にのみ頼っている場合、とにかくいつまで生きるのかわかりませんし、これが女性だと更に長生きするので、結果的に非常に低リスクの金融商品を選び、さらに引き出す割合も低く抑えるわけです。
だから、お年寄りはいまだ、巨大な金額を郵貯などに積み上げたままにしてる。
これ、マクロ経済からすると、ものすごい資本の無駄です。
アメリカの場合、巨大な保険会社たちがこぞって、日本人に説明すると呆れるような優秀な年金商品でいまリタイア中のベイビーブーマーのシェアを競ってます。
アメリカの年金商品は、よほどの理由がない限り、基本
生涯保障の形になっています。
つまり、一定の条件を満たすと、引き出し開始に約束された金額を、市場の上げ下げに関わらず死ぬまで保証してくれるのです。
それに対して、日本の年金商品は、今のところ期限限定しかないみたいです。
さらに、引き出しのレイトですが、60代前半で4%プラスから始まり、70歳まで待つと6%を超えるところが増えます。
アメリカの法的なリタイア年齢はいま66-67ぐらいで、大体その年代からですと5%前後の引き出しMaxが多いです。
後、引き出しのベースと、年金商品内で選んだ投資の実際のバランスを別に扱い、引き出しベースを投資の結果とは別に、いろいろな形でステップアップしている商品が多いです。
これは多分わかりにくいので、私が扱った年金商品(Annuity)の例を取り上げて説明してみましょう。
これは、Fix-Index型といって、一部市場参加型のAnnuityです。
この商品を63歳で、1000万で買ったとします。
と、実際のバランスは上下しますが(Index型なので、下は0リターンの底があります。)引き出しのベースには、年7%の単利が、最長7年付きます。
Case 1, これを、まる7年持っていると、1000万は1490万となり、そこから6%の年金が一生保証されます。894,000円が毎年死ぬまで支給されます。
Case 2, もし、4年でしたら、1280万となり、大体5.5%つまり、704,000円の年金が一生保証されるわけです。
これが、例えば郵貯でしたら、パターンとして多いのは利息分だけ引き出すやり方。年利が2%だとしても、1000万の積立に対して、200,000円です。
あ、亡くなった時点では、実際の残高が遺族に渡ります。それは等の昔にゼロになっているかもしれないし、それなりに残ってるかもしれない。
でも、考えてみてください。仮に、持ち主が女性で85歳まで生きたとしましょう。生涯に使うことのできた金額を計算すると、
Case1 1341万
Case2 1267万
これが郵貯2%を仮定すると、
Case1 で、総額300万、Case2で、総額420万です。
ですから、シニア消費に向かうお金にかなりの差が出ます。
加えて、日本の生保や郵貯とちがい、外資系の巨大保険会社は債権市場を中心とするメガプレイヤーですので、クライアントから預かったお金は、せっせと経済のなかで働いています。
今の若い方に言いたいのは、外資系の保険会社が日本で本国と同じような優秀な年金商品を売れるように声を上げることだと思います。
もちろん、運用能力ぜろの、日本の生保や郵貯は、そんなこと望んでませんでしょうが、
正直、このほうがずっと日本経済の活性化につながると思います。
Key Wordは生涯保障です。
ちなみに、外貨建ての生保と違い、Annuityは居住者しか買えません。
今現在日本で、日本の生保によって売られている年金商品は、信じられないほどひどい。
例えばこの前解約させた商品は、郵貯の定期預金より悪いのですよ。本当に犯罪ものだと思いました。ああ、ここにコピーしたい。