じつは、この’お金の5季’という本を書こうと思ったそもそもきっかけになったのが、この夏編のネタ本です。
アメリカでもそれほど大きな話題にはならなかったし、日本では翻訳されはしたものの、タイトルはひどいし、マーケティングもされなかったので知っている人は少なかったと思います。
確か2013年の正月でした。その頃の私は、Bloomberg Financial Network アプリを毎日チェックしてました。で、とあるFinancial Adviserがこの本について書いていたのです。
私は、すぐ英語版(Happy money という味気も素っ気もないタイトルでした。)
あれ、いまアマゾンで探したのですが、これ改訂版ですね。見た目が少し良くなってます。
基本この本は、心理学の中でも、比較的新しい’Positive Psychology’の流れのひとつです。二人の心理学者が、どのようにお金を使うかによって幸福感がどう生まれるか、みたいなことを徹底的に調べた代物です。
日本語のタイトルはかなり努力してますが、英語の副題が正確に内容を示しています。
’The Science of happier spending’ (より幸福感の高い消費とは)
まあ、意訳してもカンナ感じです。
英語版も、それほど読みにくくはないのですが、この本まあベストセラーにならなかったのもよくわかる。
せっかく、5つの要素にきちっとまとめているのにかかわらず、
How to 本としての体裁をなしていません。
ただし、お金で幸せが買えるのかという疑問で、常に葛藤しているような方にはぜひおすすめです。正直、いくら哲学的にこの問いについて考えても実際の役には立たないので。
この本は、’幸せ時間を増やす消費の仕方’をきっちり示唆していますので、哲学よりよほど日々の生活の幸せ度を改善する役に立ちます。
その意味では、そもそもMindfulnessなアプローチと通底するものがある。
ともあれ、5という数字がフレームワークのコア数としてまず浮かび上がったのは、この本が5つの法則を打ち立てているから。
その後、5と中国の5行説とつなげることを思いつき、それがさらに私が子供時代を生きた日本のライフスタイルは、4季ではなく、4季ぷらす1、つまり5季があったということに気づいた時点で本の全貌が浮かんできたのです。
いわば、この本が心理学のネタをくれて、それを私の個人的背景と、現在のFPとしてつまりプロとしての経験談を合わせて、より実用的なHow to 本を書くことに思い至ったわけです。
さて、肝心の5つの法則ですが、オリジナルと、私の意訳で書いてみましょう。
1.Buy experiences
これもろ、ものではなく、こと消費の勧めですね。
2.Make it a treat
マインドレスな消費ではなく、ご褒美あるいは特別な意味を持たせた消費
3.Buy time
ずばり、時間を買う。
4.Pay now, consume later
さっさと支払いを済ませてから、消費を楽しむ
5.Invest in others
ほかの人間にお金をかける。
というわけで、次回から5回連続で、それぞれのルールを深堀していきます。
こういうアメリカでのリサーチがもとに書かれた本は、やはり私なりに消化して説明したいし。
ともあれ、令和は’幸せ時間を増やす’ことに焦点を合わせたい私としては、この’お金の5季’を少し前に、書いたということに偶然以上のものを感じるのです。
資本主義が来るところまできて、世界レベルでは実はずいぶん前から’生産過剰’が続いていて、いい加減もの消費に頼る’幸せのイメージ’にうんざりしてきているわけですから。
この’お金の五季’、秋まで完了した時点で、Noteにするつもりです。たぶんそのほうがずっと読みやすくなると思うので。
では、また来週。