皆さん、’シン・ゴジラ’覚えてますか?あれみて私が一番感じたのは、多分実際の日本政府はあれよりずーっとひどくて遅い。
’シン・ゴジラ’って映画は、アメリカのゴジラファンにそれなりに評価されましたが、その中で彼らが首をかしげたのが、日本の官僚組織でしたから。
日本て常設の災害対策組織がないみたいですね。
それって、日本のようにただでさえ予め答えがわかっている問題を多量に正確に解く能力に特化してきた、東大優等生型の官僚にとって怖い状況じゃないですか。
過去の災害対策ののうはうを総括的に管理し訓練を行う組織がないということでしょう。
アメリカの場合、全国災害対策組織として
FEMA (Federal Emergency Management Agency)
がありますが、これが発足されたのは1979年4月、ですからもう40年の歴史を誇ります。英語の解説はこんな感じ。
Its mission is to support the citizens and first responders to promote that as a nation we work together to build, sustain, and improve our capability to prepare for, protect against, respond to, recover from, and mitigate all hazards
まあ、連邦政府かにある災害対策機関で、それは
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災害に対応する準備
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防災
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災害の際の対応
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災害からの普及
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災害のインパクトをできるだけ弱めるためのすべての努力
と、定義されています。
私が例えば今回の台風15号による、おもに電線の破壊などによるながびいている停電問題でつくづくびっくりしたのは、日本の場合、常設の災害対策組織がないだけでなく、
災害の後にのみ、対策本部を設置するらしい。
アメリカの場合、もともと数年に一度は化け物のような巨大ハリケーンに襲われるので、FEMAが一番目立つのは、夏の終りから秋へのハリケーンの多発期間です。
今年の秋は、Hurricane Dorian が東海岸を順番にかすっていきましたが、こちらが最大勢力カテゴリー5だったころのお姿。
いわゆるPerfect Stormと呼ばれるくっきりはっきりした目とそれを囲む真っ白な暴風雨域。怖いけどこうやって気象衛星のお写真で見るときれいですよね。
ちなみに、このハリケーンがまだカテゴリー5(最強レベルです。)だったときの最大瞬間風速と、平均風速を日本式の秒速に直してみました。すごい数字です。
最大瞬間風速が、 秒速71m
平均風速が 秒速51m
日本の気象庁の風の分類では、
【平均風速40m/s以上】(猛烈な風)
住家で倒壊するものがある。鉄骨構造物で変形するものがある。
ですから、直撃を受けたBahamaは、サムネイルにも上げましたが、
これは、ハリケーンですが、風の被害だけで (で、今のところ行方不明としてカウントされている方たちが2000人を超えており、その多くは死者として、死者数を更新していくことになるようです。)
大竜巻(Tornade)なみです。
こちらは、Tornadeが通った後です。
ただ、Tornadeは直撃を受けたところだけがこの状態になります。それに対して化け物ハリケーンは、同じレベルの被害が広範囲に及ぶのです。
(余談ですが、私は昔Tornade銀座とよばれる、オクラホマ州立大学でPostdocをやっていたことがあり、あのときは何人家からTornadeサバイバル経験のはなしを聞きました。私は直撃に出会ったことはありませんが、Tornade警報が出され、地下室に避難したことはあります。ちなみにこの警報は10マイル以内にTornadeが直撃する時に出されます。つまり誤差10マイルまでルート予測しているのですね。Tornadeそのものは見たことありませんが、Tornadeが発生可能な雲を見たことがあります。禍々しかった。)
さらに、気象配置によっては直撃をうけなくてもものすごい雨が降ってその被害が凄まじい。
かって、子ブッシュが大統領だったときに、Hurrican Katrinaがルイジアナ州沿岸部に大雨をもたらし、その結果かなりメジャーな堤防が決壊、大洪水となり1800人以上の死者を出したことがあります。
実はブッシュ、かなりFEMAを骨抜きにして、予算をカットし、さらにTopにまったく災害対策のBackgroundがない人間を据えたのですよね。
この死者数は、アメリカ本土として最大でしたから、この後BushのApproval Rateはガタ落ちしました。
この時FEMAは、完全にすべて後手にまわり、大体FEMAのトップは、Katarinaの被害が明らかになってきた後もほぼなにもしなかったのです。ルイジアナ州知事と、ニューオリンズ市長がCable Newsで悲壮な顔で、助けを求めていたのをよく覚えています。
ともかく、何が一番大事かというと、
FEMAの活動は、災害に備えるところから始まります。
さらに、ハリケーンの進路に当たる州は、州レベルの対策本部を開き厳戒体制を取り、場合によっては、
非常事態宣言と避難勧告を出します。
いま、世界規模で気候の温暖化にともなった気象災害が増加しています。
つい最近のアメリカの記事で、なんと共和党の強固な地盤であるテキサス州で、初めて温暖化を重要問題とみなす人たちが過半数を占めたそうです。
さらに、それとは別に、やはり今年、いまだ現実に向き合おうとしない大人たちと違い、気候温暖化が、アメリカの子供たちやTeenの間のメンタルヘルスに影響し始めていると言う結果が発表されてます。
日本の災害対策を見ていると、とにかく日本という国は普通の人がいざというときに、ものすごく真面目に働くので基本復興は早い。
でも、災害を予測して対策をたてるということがどうやらまるでできていない。
アメリカでは、ともかく国が広いのでいろいろ散らばっているわけです。だから病院などではいざというときに発電機があるのが当たり前になってます。
私の住んでいる地域だと、大規模災害はあまりありませんが、集中豪雨、雷雨、積雪などで、通行止めになったり、停電が長引いたりすることは、局地的には実はよくあります。
原子力発電絡みで、私は東電をあまり信用できないけど、今回の台風15号がらみの停電および二次災害に関しては、基本政府と千葉県の災害対策の欠如が一番の問題だと思います。
それでも、日本の場合、やはり死者数は限られている。もちろんもっと減らせると思うけど。
ちなみに、日本はオワコンと言う方々、中国とか東南アジアとか、自然災害やら、勢いを増す伝染病やらその媒介である昆虫を始めとする生き物とか、私は怖くで住む気になりません。日本は曲がりなりにも、G7であるということをあまり甘く見ないほうがいいですよ。