前回も書きましたが、私は2006年夏に、Pre-Contractとして、FPキャリアを踏み出した時かなり意識的に生保系を選びました。

 

この最初の所属先が決まる前に、実は投資系と、後あの頃ものすごく女性のFPを雇うことに力を入れていたAmrican Express系のAmeriprizeにもかなり熱心にリクルートされましたが、踏み切れませんでした。

 

その後一年以上経て、最初の会社と縁があって決めたのです。まあ、正直なところ一番最初のマネージャーと何故か気があったのが大きかったのです。

 

その頃の私は、契約社員としてMarketing Analysisをすることが主な仕事で、個人的にはいわゆる不動産投資もやってました。2006年というとリーマンショックの2年前ですから周りじゅうが熱に浮かされていたかのように、不動産市場もMarketも煽られていた頃です。

 

そういうときに、私がFPとなった場合一番売りたいの何かと面接で問われて、

年金商品(Annuity)と介護保険

 

と答えたことをよく覚えてます。

 

ただ、そのころは、他の保険については何も知りませんでした。もしあれより10年早く生保について色々知っていたら、随分ちがった資産構成になっていたと思います。

 

父が1994年の2月に逝き、そのあとそれなりの相続があり、アメリカにいることもあり私の取り分をほとんど現金にしてもらってました。それで、銀行経由で紹介してもらったラップ口座だけは入ってましたが、今思うと私がかなり価値のないサービスでした。

 

結構女性の担当さんが人間的には好きでしたが、サービスの内容は本当に狭かったのです。

 

私は、今Fpとしてのキャリアが10年を越し、FP仕事の本質は、

リスクマネジメントだと思ってます。

 

2006年の終わりに、めでたく本契約となりBroker Dealerが決まったので(大手生保はすべて投資部門を抱えてます。)2007年の頭にすぐ投資信託の扱える限定投資商品売買免許をとりましたが、2008年、さらに一般投資商品売買免許を取り終わった夏、

 

リーマンショックが始まりましたっけ

 

一番最後に、いわゆるFlip (古い家を買ってリノベして、高く売る)した不動産は、2007年の夏の終りまでにリノベが終わらず、結果的に2008年の5月にかなり下げた値段で売り逃げました。(これは、利益が出ずちょうど不動産やのコミッション分だけ損がでました。)それでも同じような物件は、リーマンショックの後私が

売り逃げた値段の約半分に下がり、

 

そこらじゅうで、いろいろな破産やら、焦げ付きの話を聞きましたっけ。

 

こういうMarketの凄まじい暴落を横で見るその同じ時期に、アメリカの保険や年金商品についてせっせと学んでいたのですから、そりゃこういう商品が好きになりますよ。

 

さらに、2015年から、妹の会社と深く関わるようになって彼女を訪れる、いろいろな投資や保険のセールスの資料を読むようになり、日本の場合簡単にまとめると、

生保も、年金商品も、投資商品もすべてひどい。

 

一番凄かったのでさる大手生保の年金商品で、毎月一定金額積み上げて、でリタイアするじきになったら、自分が

貯めた分だけ、なくなるまで一定金額引き出せる!!

 

私は目が点になりました。こんなの商品として成立しない。実は某生保レデイが、うちの社員さんにこちらの目を盗んで売ったもので、妹と相談してセールスを呼びつけ解約させました。

 

そこからは、社員さんが小さな保険(死亡金が数百万単位)いくつも買っているので(まあ、これも会社の福利厚生の一部)めでたく解約してくれましたが。

 

いつもに比べても長い前置きですが、本当に日本のこの手の商品はひどい。

 

というわけで、予めお断りしておきますが、今回の話はどうしても日本では手に入らない、アメリカでの商品の情報が多くなります。

 

ではリスク編前半は、保険と年金がリスクマネジメントに有用な場合3タイプです。

1.生計をたてる能力を、事故、怪我、病気などで失うリスク

 

一番最初の所属先の生保が、生保以外で一番強かった分野がこのタイプの保険でした。

英語ですと、Disablity Income Insuranceといいます。

 

事故、怪我、病気などで働けなくなったときに、それまでの収入の大体やく60%までを保証してもらえる保険です。60%で基本10分なのは、自分で保険料を払っている限り、受取金は無税です。そしてまあいわゆる外で仕事をする際の経費がなくなるので。

 

まあ、年収が5桁の人の場合は、貯金を増やしたほうがいいというのが実情ですが、日本に比べて、いわゆるProfessinalである方たちの給料は、最低でも6桁です。そして同じ6桁でも普通に1500万-3000万クラスが割と一般的です。さらに、お医者様となると、もっと高い。

 

となると、年大体健康な人で年収の1-1.5%のプレミアムを払ってこのタイプの保険にはいることは非常に理にかなってます。

 

特にお医者さんは、業界としてもこの保険の重要性を理解してます。

 

ただし、お医者さんというのは、とにかくコンタクトが難しく、さらに他のお医者さんからのご紹介がないと話を聞きません。同僚の中でこの保険を中心にして売上を上げていった方がいましたが、この人はなんと奥さんがお医者さんでしたから。

 

というわけで、私がこの手の保険を売ったのは、いわゆるProfessionalではなく、個人事業主や、医者以外の医療関係者でした。彼らもProfessionalに準じて収入があり、さらにPerformanceが必要とされる職種ですから。

 

この手の保険で一番大事なのは、自分の職業しばり、True Occupationというオプションです。つまり、半身不随にならなくても、たとえば外科医が手を使えなくなったら、100%カバーされます。(基本Benefitは、年収の60までを月払いとなります。)そして、これが一番の売りなのですが、たとえば元の職種ではなく、コンサルや教職についてそちらからの収入を稼ぎ始めても、受給金が減らされることはありません。

 

さらに、個人事業主や、中小企業主がクライアントである場合、たとえば固定費をカバーするオプションや、リタイヤ用の積立金をカバーするオプションなどもあります。

 

いつも思うのですが、アメリカ人の中流以上は基本保険の重要性を理解しています。その最大の理由は、あまり政府の福祉が当てにならないと自覚しているから。

 

たとえば、基本国民全員強制的に加入されるSocial Securityのいう年金には、この手の保険が含まれています。ただし実際にこの手のBenefitを受給するには、本当に半身不随になって何もできない状態にならないとまず無理です。

 

日本の場合、’収入保障保険’と呼ばれるものがありますが、アメリカ版と違いなんとOptionもTrue Occupationもなく、Social Security並の受給可能性しかないようです。

 

さらに、日本のBenefitはどんどんさがるらしい。アメリカですと逆に毎年受給額を上げることが可能なOptionをつけることができます。

 

ただ、日本が国でやっている傷害保険や、障害年金はどうやらアメリカのSocial Securityの収入保障保険よりはマシらしい。

 

ともあれ、この保険の重要性を忘れないで、あなたが主に仕事を通じてどんな保険に入ることができるか調べてみてください。後、自動車事故や仕事中の事故に関しても受給額や受給条件を把握しておきましょう。

 

というか、こういうことを話題にしている日本のFPをあまり知りません。どうしてなのかしら。

 

2.自分の命を含め、自分の所有物を失うリスク

 

そうなんです。自分の持ち物のなかで一番お値段の高いのが、

 

命ですよね。

 

しかも、家族がいる場合、この生命は基本リタイアまでに、稼ぐことができるはずの生涯収入としてお値段をつけることが可能です。

 

逆に、私は家族がいるのに生保に入っていない人、十分な金額かけていない人というのは楽器っぽいと信じている側の人間です。

 

アメリカだってたまにいます。こういう人たちって自分のMortalityに直面するのが怖い人達です。もちろん独身でなんのしがらみもないのでしたら、葬儀と埋葬費用だけで十分ですが。

 

私の父の場合、資産に比べて生保は少なかったです。だからその分相続後に資産を売って相続税を払いました。ただ、これは父のせいというより、母と一番下の妹をふくめて父の病状がもう回復しないものであることを告知していなかったのです。

 

父は、意識を失う前に私達に謝罪してました。いろいろなことがありましたが、父だけはいつも自分が後にのこすもののことを考えてくれていたのだと思います。中小企業主ですから、いつも税金対策が頭にこびりついているので、相続対策をほぼしなかったことを気にしていたのでしょう。

 

さて、日本の生保は完全な掛け捨て型以外は、’満期になる保険’がやたら多いですよね。

 

アメリカの場合、この手の保険は、むしろ掛け捨て型の変形扱いで、Premiumの返還形といいます。

 

というのは、アメリカの保険を分ける場合、大きくまず2つに分けます。

 

1つ目が、Term Insurance.これは基本有効期限を最初から決めて、それをすぎると保険料が毎年ものすご勢いで上がっていく代物です。支払い=保険料なので、これが日本では掛け捨てと呼ばれています。で、日本でやたら多い満期型は、このタイプでかつ保険料の返還型となります。

 

それに対して、2つ目が’Permanent Insurance’. 基本的に支払い=保険料+内部積立金なので、当然同じ死亡受給金額に対して、支払金は多くなります。

 

実は、このPermanent Insuranceこそ、アメリカの保険商品の花形なのです。とくにある程度以上財産のある方たちにとって、相続プロセス外で直に払われ、相続税の対象とならない保険金にはものすごく価値があります。

 

さらに、この手の保険は色々とOptionが多く、さらに内部積立金を自分でカスタマイズできる投資商品にすることのできるものもあります。

 

アメリカの場合、いわゆる確定拠出年金に積み立てられる金額には縛りがあります。なんせ中に入っている限り税金はリタイアするまで先のべですから。

 

で、高収入のかたたちは、この保険の内部積立をせっせと活用します。ですから、企業側で、こういう保険をTopManagement層にかけ、更にそれを福利厚生の特別Packageに使う人も多いのです。

 

Prudentialに所属していた時、一度もと野村のNew York支店にいらした人と電話で話をしたことがあります。かれはPrudentialに入ってこの手の保険を日本の駐在員さんたちにバンバン売ったそうです。

 

日本人は、基本アメリカの保険の凄さについてほとんど何も知らないので、まず最初の数人に売った後は、逆に色々なところへ呼ばれる様になったと行ってました。

 

さて、たとえば30-40代の大体、世帯収入が1000万を超える場合、ひとり1億から2億のTerm Insuranceをかけます。ただし、すべて30年ものと言うのではなく、15年20年30年ぐらいにわけ、更に20年、30年ものには、

 

Conversion Rider(Permanentへ変換できる)をつけます。

 

もし、日本で、Conversion Riderをつけられる掛け捨て保険がありましたら、絶対オススメです。

 

そもそも、アメリカ大手の保険会社でしたら、完全に健康体の30-40代の場合、1億かけても月の支払いは1万円を越しません。

 

そして、ある程度年齢がいくと、その先どのくらい生涯保険額が適切か見えてくるので、その時点でその金額分だけ、永久型(Permanent Insurance )に切り替えます。

 

なんでこんなことをするかといいますかと、Conversionの場合オリジナルのUnderwritingのクラスが適応されるから。Conversion当時に、すでに成人病を患っていても、メタボで肥満でも、若く健康だった時と同じ一番安いレートが、年齢に基づいた加算だけで手に入りますから。

 

正直、こういう細かい生保計画も日本では本当に聞いたことがない。

 

最後に、自動車保険と、不動産、及び大型所有物の保険についてコメントします。

 

日本もそうだと思いますが、アメリカも州単位ですが自動車保険は強制加入です。日本以上に強調されるのは、できるだけ’Liability’ を高く設定すること。

 

アメリカは訴訟社会ですので、何が怖いって下手な人を引いて訴えられることです。Liablityはそういうときに払わなくてはならない賠償金もカバーしてくれるので実はリスクマネジメントと言う観点から見ると一番重要です。そんなに高いオプションではないし。

 

そして、不動産保険は、国や州ではなくローンを借りる場合の銀行から条件として矯正されるのが普通です。この保険の肝は、建て替えコストを毎年更新の際にチェックすることです。うちのようにいわゆる’歴史的建物’の場合、建て替えコストはどんどん上がっていくので。

 

ただ、私はこのタイプの保険の免許は持ってません。正直この保険の世界は、数字より弁護士感覚が重要な世界です。

 

とにかく、何がどのような状況で、どこで、どんな時間帯に、誰によっておこされたかによって、保険の適応もその額もかわってしまうので。

 

うー、つい保険の話だとやたらくどくなったかもしれません。

 

 

 

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