’お金の5季´ 土用編 お金とリスクマネジメント 発端 FPの役割について私の考えることを述べます。

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実はもう土用過ぎてしまいましたが、そもそも夏編を書き終えたのがほんの少し前ですのだあしからず。

さて、日本でもFPという士業の知名度が高まってきていますが、どうもアメリカでFPとしてクライアントのお手伝いをしている私から見ると、日本のFPってどういうビジネスなのか正直いって混乱してます。

たとえば、妹の会社の税理士さんと話をすると、日本の場合税理士の免許を持っていると自動的にFPの資格が取れると聞きました。(注、試験なしという意味らしい。)

アメリカの場合、CFP(日本のFP資格にお墨付きを上げている、大本の組織の認定する資格です。)、そしていわゆるFinancial Plannerになる場合、どこから始めるかに関しては基本3つのルートがあります。

1番目は、投資系の会社で基本投資アドバイザー経由で、他の免許も取り最終的に、CFPとなるコース。

2番目は、まずCPA(アメリカ版の公認会計士です。これは逆に日本の公認会計士より、経験と学歴が資格獲得のために、試験と同じぐらい重要で、逆に試験そのものは日本の公認会計士ほど難しくないのです。)になり、その後CFPの資格も取るコース。

そして3番目が、私のとったコース、まずは保険のセールスからはじめ、投資系の免許をとって投資アドバイザーを兼任するようになり、最後にCFPを取る。

私は、このキャリアを始めた時点で、すでにそこそこですが、一応MBAを持っていたので、最初にリクルートされたのは、1番目のコースです。

でも、個人的には逆に、もともとの背景が数学だったせいだと思ってますが、正直投資系の会社のセールスが危なっかしくて見ていられなかった。

で、結果的に一番最初にコンタクトしてきてくれた生命保険会社のエージェントとしてキャリアを開始したのです。

ただ、ここで勘違いしないでほしいことがあります。アメリカのメガ生保は日本の生保とはほとんど別種の存在です。

まず第一に、どこのメガ生保も、大体1990年代前後から、参加に投資のブローカーそして、いろいろな形での投資マネジメント会社との提携を結んでます。

つまり、私の例を上げると、正採用がスタート(といっても、基本アメリカの場合、奨励金は当初あっても、基本給は0、全て歩合給です。そして採用契約を結んでもらうためには、まず保険の免許をとり、最低の売上をクリアーしなくてはならないのです。)したのが2006年の12月、その後、2007年の夏にすぐ、投資信託を扱える免許を取り、更に2008年の夏に、残りの一般投資商品売買の免許と、投資アドバイザーの免許を取りました。

私が所属した最初の会社は、ターゲットマーケットが富裕層や、プロフェッショナル層だったので、ほとんどの人が私のように、投資系の免許をすべて持ってました。

が、2つ目の生保会社の場合、ターゲットマーケットの中核が一般層だったこともあり、私のように投資系の免許を持っている人たちは少なかったのです。正直ショックを受けるぐらいに。だいたい10%ぐらいでしたから。

その代わりに、昔ながらの優秀な保険のセールスマンタイプの人がかなりいて、まるで馴染めませんでした。

この後、Prudentialのスカウトされ、この’お金の5季’絡みのブランディングで、壁にあたって思い切って今の事務所に移籍してきたのです。

ちなみに、今の事務所は準フランチャイズのような形態で、親会社を通じて投資のブローカー契約やラップ契約、そして各種売上の管理から事務そしてITのサポートを受けますが、基本契約関係がある会社の商品でしたら、何でも売れます。

割と、額面通りに、独立系の事務所と、巨大保険会社傘下である場合の、両方のメリットありと思ってます。もちろん、ブランディングもコンプライアンスはあるものの、スムーズでよほど明らかに’言うべきでないこと’を含まない限り、通してくれます。

ともあれ、大事なことはどのコースを取るかによって、その後のキャリアも、だいぶ変わります。

まず、投資系に進んだ人は最初の数年でふるい落とされる人が多い反面、残った人たちは基本お金持ちのクライアントを中心にしたFPになることが多い。さらに、CFPをとっても、富裕層むけの投資商品、ヘッジファンドとかPrivate Equityとか、さらにDerivativesを含めてより複雑な投資商品を扱うようになるみたいです。

ただ、CFPとしてFinancial Planningをする場合、基本生保の免許は簡単なので、こういうところで働いている人も、資格は持ってます。でも保険系の知識は低い。後、ビジネルモデルから言って、中流層のクライアントのお手伝いはしませんね。

CPA経由の方は、とにかく税金が絡むコト一般に対する知識が一番の強みです。ただ、このパスの人は、CFPになっても独立した事務所を続けることが多いので、基本今や多岐多様に渡り毎年のように新しいものが登場する投資そして保険系の商品知識、これが限られていることが多いのです。

さて、私のように保険系からスタートした人間は、やはりアメリカの保険や、年金商品が好きです。

アメリカの保険会社というのは、世界の債券市場の巨大プレイヤーでもあります。ですから、やたら率のいい内部蓄積型の生保とか、死ぬまで一定額を日本人からしたら信じられないような高い利率で引き出せる年金商品とかぼろぼろありますので。

さらに、契約下にある他社が多い、今の所属先の場合、いろいろな会社の一番いい商品をピックすることができるので、とてもやりやすい。

実は、先週昔の知り合いに呼ばれてプレゼンに伺い、めでたくFP契約をすることになりましたが、彼らはそもそもMorgan Stanleyとそれなりの関係があったのです。

でも、特にリタイア後のFPワークの場合、保険や年金商品の重要度が増しますので、うちがいろいろな商品を選べるビジネス形態であったことが、クロージングの決め手の一つになりました。

で、今回土用編、リスクマネジメントですが、私は自分が選んだキャリアパスを踏まえ、Fpの一番大事な役目は、

リスクマネジメントであると定義してます。

そして、次回から、前後2回に分けて説明しますが、私が考えるお金がらみ、そしてお金でマネージできるリスクは、次の5つにまとめることができます。

  1. 生計をたてる能力を、事故、怪我、病気などで失うリスク
  2. 自分の命を含め、自分の所有物を失うリスク
  3. 逆に、長く生きすぎるリスク
  4. インフレーションリスク
  5. 未来が不可知であるリスク

各種リスクの説明とともに、FPとしてどんな対応策をアメリカでは勧めるか具体的な実例の解説もいれますので。