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「採用してから育てる」がNGなこれだけの理由 採用の失敗が引き起こす大きなデメリット

 

採用コンサルタントという肩書の人が書いた記事ですがね、私は目が点になりました。この記事に関しては、コメント欄のほうが至極全うで、現実的です。

 

記事は、筆者が採用コンサルティングに入った先で過去に起こった実例(!)のしょうかいからはじまります。

 

社員250人ぐらいの、中企業クラスの総合商社で、どうやら中間管理職らしき人を探していららしい。で’歳は若いけどすでに複数拠点のマネジメント経験がある’という候補者を、人材エージェント経由で紹介してもらったところ、

イメージしていた人物像に近い’と雇用担当者が直感!!

 

会社のトップ・マネジメントも気に入り、その時点では引く手あまただったこの候補者を、色々のコネをつかってプレッシャーをかけて、鳴り物入りのような状態で採用したのでそうです。

 

ところが、数週間後筆者が、雇用担当者に彼の近況を聞くと、なんと直属の上司となった人は、’使えないと困っている’のだったそうです。

 

その後、会社によると、この中途採用の人を、マンツーマンで教えたり、外部の研修に出したりしたのだそうです。でも改善せず、結果的にこの人は一年半で退職し、その後すっかり自信を失ってそれ以降の転職活動がうまく行かなかったそうです。

それだけでなく、直属の上司となった人に、負荷がかかってなんとこの人が身体を壊したとか。

何だこの話、私は中途採用の人に基本同情します。

 

そもそもこの記事を読む限り、どうも肝心の直属の上司は、採用プロセスに参加しなかったらしい。それがちょっと意味不明。

 

でも、中小企業で’若いのに優秀’っていい方をする時って、基本

若いからその分安く雇える、お買い得

 

って思ってることが多いでしょ。これがまあ間違いです。若いとうことは当然どんなに優秀でも、まず経験値が低い。これが士業系の専門職でしたら、まあ若くても優秀な方はまだ探せますが、いわゆるマネジャーを探す場合は、経験値の低さは基本マイナス要素です。

 

さらに、マネジャーというのは、基本対人スキルや、柔軟性が必要とされますから、たとえ前職でうまく言っていたとしても、新しい会社でどれくらいうまくいくかは、特に日本の場合未知数です。

大体、結婚相手と同じぐらい、会社とのマッチングも、どんなに双方が好条件でも、

相性というものがあります。

 

その意味で、この事例の場合、まず第一に直属の上司との相性がまったくCheckされていなかったのがすごく不思議。

 

さらに、事後チェックの会話が、つまり入社後最初の評価が、

数週間後ってなに?

 

この直属上司の評価の中心が、’支持したことをやれない’というのですが、これが私とても引っかかるのです。

 

たとえば、総合商社ならいくらなんでも、ある程度のIT化は進んでると思うのでしょうが、個人的な経験から言うと、新しいシステムに慣れるだけで、数週間は結構飛びます。

 

そして、もしIT化が進んでいないのでしたら、社内のいろいろなプロセスを把握するののかなりの時間がかかるはずです。

 

日本のまして中小企業の場合、何がどうなっているのかをそれなりに文書化しているところは基本非常に限られています。だから更に大変。

 

大体、今度こそ大廃業時代を迎えて、中小企業中心のM&Aの動きが流石に起こると思いますが、基本アメリカの場合、省力化という目的も含めて、社内の作業フローを整えそして記録していったという期間があります。

 

アメリカの場合、日本に比べて大企業の占める割合がものすごく多いし、マネジメントタイプで、いわゆる6Figure (日本円で、年収1000万以上)以上の場合は、結構5年以内に転職する場合が多い。というのは、年収を上げる一番のチャンスが転職だとみなされているのです。(実際、外からオファーを受けて、今の会社と再交渉というパターンは、ほぼ当たり前みたいな世界ですから。)

 

だから、腐ってもMBAが有効ですし、会社側もMBA的マネジメントが通用しやすい体制になってます。というわけで、

アメリカで即戦力というパターンと日本の状況は全く比べられない。

 

これだけ体制が整っていても、競争社会においてイノベーションが命みたいなところがありますから、たとえマネジメントであっても、研修当たり前。自分自身のキャリアのためにも、今の勤め先にとっても、Networkingする機会にもなりますし。

 

普通の大企業でこうですから、これがIT系となるともっとすごい。プロフェッショナルレベルであろうと、マネジメントパスであろうと、とにかく、時代に取り残されないよう研修、いやもっと長期な教育、そして研究期間が定期的に設定されている会社もありますから。

 

というわけで、中小企業の場合どうするべきなのか

 

少し妹の会社の話をしましょう。妹の会社は、ゼネコンのサブコントラクターです。材料をかこうする大きな工場も所有し、先代の父の全盛期の頃は、関東でトップ3の規模でした。

 

現在の妹の体制と、父の体制の間に、20年以上のミスマネジメントによる停滞期があり、現在は全盛期の3分の1の規模にまで縮小してます。

 

私は、現在彼女の会社の彼女に続く株主で、さらに監査役に就任しています。で、アメリカに10ヶ月半、日本には2ヶ月弱戻る生活が2015年から続いてます。

 

その間、最初はいまいち理由がわからなかったのですが、妹が会社の全権を握った後、最初に始めた一番大きなタスクは、

積極的採用プロセスの開始でした。

 

妹の会社の場合、建築業界ですからとにかく作業員さんが必要です。で、彼女は全国の高校に向けて約3000通の、会社案内と応募通知をまず送り始めました。そのうえで、毎年正月明けに、重点校を訪問するのです。

 

一年目はそれでも、ほとんど応募はありませんでした。それが結構反応が良くなって来たのは

3年目からです。

 

今年の新卒からは、作業員さんだけでなく新しい営業を二人雇うことができました。

 

私は、本社勤務の若い社員さんと、夏の滞在の間一度、食事会をやったのですが、そのときに感じたことはひとこと、なんだかんだいってもまず最初に今の求職者が見るポイントは、

給料と、福利厚生です。

 

実は、採用したばかりの営業二人は、関西出身です。ですから、給料だけでなく、住宅手当と、住宅探しのHelpというのがとても魅力だったと言われました。

 

妹の会社は、私が声を大にして叫ぶ前から、社員さんたちが、いろいろな資格を取るのをサポートしてます。それは、作業員さんも同じ。

 

さらに、私が妹と色々話すうちに、進化した状況ですが、非資格系のスキルの向上については、私が日本に滞在するたびに、平均週1回の割合でランチセミナーを行い、さらにぶしょごとに、宿題という名目で課題も出します。

 

私自身、数学のPH.Dだけでは、Baltimoreに移ってからまあいかにも月並レベルのMBAをとりましたが、やはり

MBAで学んだことは役に立つのです。

 

まあ、いいたかないけどそこらの二流コンサルよりは、色々知ってますし、大学で大学院生時代を含め、8年半教えていたので、セミナーを組み立てることは得意ですし。

 

これに加えて、私が何回か本を推薦した後、娘はその本を中心に社内に図書コーナーまで、開設しました。

 

それでも、やはり物理的に滞在するのが2ヶ月弱ですと、色々限界があります。ただ、Zoomを使って、私がアメリカにいるときも定期的にMeetingをするようにはしてますが。

 

この東洋経済の記事は、本当にひどい。肝心のどこがどう具体的にうまく行かなかったのか

その分析がまったくない!!

 

そのくせ平然と、採用の仕方が悪かったと偉そうに言ってますね。

 

今の時代、日本では基本

求職者市場ですから、まずは来ていただく。

 

その上で、どうやったら戦力になってもらえるか、会社側が頑張るしかないですよ。その努力は、ロスではなく、むしろ長期的に会社の生産性を上げてくれるものですし。

 

ちょっと熱くなってしまいましたが、子供を作れなかった妹が、どれだけ本業以外に、人事関係のことに時間とエネルギーを欠けているかと思うと、

こんな採用コンサルタント、わりと草だと思います。

 

あ、ちなみに妹も私も、女性の採用ができる時はかなり積極的です。新卒の営業の一人は女性で、本当に馬鹿みたいな話ですが、社長以外全員男性の営業チームは採用に反対しました。

 

その理由というのが、彼女の体重。はっきり言って彼女はかなり太めです。男性陣の理由というのが、太っているので営業のような外回りは向かない、でした。

 

彼女は定時制高校出身で、ただ生徒会会長までやっていた非常に明るくて、身軽(体重にかかわらず、反応が早いのです。)で、積極的という印象をうけ、私と妹は、昔父のお気に入りだった女子社員の再来だと喜びましたから。

 

もちろん彼女、毎日張り切っており、そして頭の回転も早い。そしてあれほど反対した男性陣も今は、彼女を褒めてます。

 

まあ、社長なんて存在は所詮最終的に、直感も使わなくてはならないのですが。

 

それにしても、変な記事、変な事例でした。

 

 

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