‘グランバカンス’評反響にびっくり、SFレビューにこれから力入れるために、ちょっと関連読書歴振り返ってみました。
正直びっくりしました。今までの私のミニバズ最高値を楽々超えました。
しかも今回はSF評ですから。基本私のコアコンテンツです。一方今までのミニバズは、すべて有名人ネームがらみ、立花岳志さんのNoteポストについてのコメントとか、橋本治さんの思い出とかですから。
炎上というのではないらしい。本当にTwitter経由で、私が書いた‘グランバカンス‘へのいわば批判にどうも賛同してくれた人が多いらしいのです。。(今読み返したら、いくつか誤字がありました。変換ミス多すぎ。草とか言われない前に直さなくてはね。)
そして、どうやらその中のある部分は私のほかのSF評そして、それ以外では私なりの未来評に興味をもってくれたらしい。
正直、伊藤計劃はともかく、J.G.Ballardについてのポストにクリックしてもらえるのはうれしい。
バラードを今読むのでしたら、この二冊がおすすめです。アマゾンで簡単に手に入るので。
実は両方とも映画化されていて、私は‘クラッシュ‘見てます。クラッシュは、交通事故を通じて、人間と自動車がいわば溶け合ってゆくお話。
クラッシュ監督があの、変態溶解作家のクローネンバーグですから。これ実はすごく好きな映画で、ハリウッドの有名俳優さんたちが、かなりポルノグラフィックな演技を平然とこなしていてすごい。
でも一番怖いのは、交通事故でぐしゃぐしゃになった車が、
人間の裸体よりエロく見えてくることです。
Amazon Primeや、Netflixで探してみるのが一番楽でしょうが、私はDVD持っているくらいなので、中にはすごくはまる人もいると思います。
そして、ハイライズはずばり、タワマンが機能崩壊を起こした後の、コミュニティの退行現象を描いているの。いまタワマン住民たちのマウンティング話が目に付く中、とてもタイムリーに読めると思います。
ただし、バラードは、これらの作品をそもそも1970年代に発表しているのです。それに対してCrushが映画化されたのが、そもそも1990年代後半なのでどれだけ時代を先行していたかと思うと怖いものがあります。
さて、振り返ってみると日本にいたころ、かなりの量の翻訳SFをせっせと読んでいました。
私の根っこは基本理科系なので、結構SFのサイエンス設定が凝っているものとか、たとえばこれ、地球の670億倍の重力がある星の生物との交信のお話です。
それに対して、日本のSFは最初かなり筒井康隆をせっせと読んでましたが、私自身が成長するにつれ、
あまりのミソジニーに辟易してはなれました。
その代わりに、日本の作品群ですごくはまったのが、戦前
変格推理小説と呼ばれていた作品群
主に新青年という雑誌に発表されていたことが多く、実はそもそも1970年代後半に存在したス推理小説雑誌‘幻影城‘は、‘新青年‘の世界観を受け継いだものです。
つまり、これ基本主流である社会派推理小説に対抗するもので、まあ70年代っていわばポスト全共闘の内向の時代みたいなものでしたから。
作家としては、夢野久作、小栗虫太郎、甲賀三郎、海野十三、そして戦後にその一部を継いだのが、かなり大衆化しましたが、横溝正史の一連の作品、そして戦後最大にして最後の傑作、
で、これらの作品群が私にとってのSF小説体験の補助線となります。
大体このころのお話は、
SFとミステリーとファンタジーそして伝奇小説がが未分化
でしたからそこが新鮮で面白いです。
実は、この新青年時代の作品群て、日本語のフリーライブラリーアプリ、
青空文庫
で読めます。私はiPadに入れて、Kindleを使うまではずいぶん読み耽りました。
たとえばもっと、マニアックで埋もれてしまった作家、たとえば国枝史郎とかもはいってるのです。このひとイメージがむちゃくちゃですごいです。未完ですが、とにかく迫力あるので一番のおすすめは、
神州纐纈城
漢字遣いがエロいです。
漢字とルビがエロい作家というと、さらにほかを完全に話した作品があります。さすが題名ぐらいは知っているでしょう。
小栗虫太郎の‘黒死舘殺人事件‘です。
若い時に一度、最後まで読みましたが内容はあまり覚えてません。でも青空文庫で久しぶりに見たときは、相変わらず漢字とルビがあまりに美しくて悶えました。
さて、アメリカに来て、他で一時期はまった作家を今思いつくままに挙げてみますね。
ひとりは、一応サイバーパンクの一人とされるブルース スターリング。そしてもう一人は最初のCoder作家なんて言われている、ニール ステファンソンです。
伊藤計劃と円城塔せいで、スターリングはギブソンと共著の‘ディファレンス・エンジン‘が有名になりましたが、私はこの人のあまりサイバーパンクぽくないSFが好きです。
この二人については、また改めて書きたい。
あと、オースン・スコット・カード‘エンダーのゲーム‘三部作も好きでしたね。これ一部だけ読んだ時と、3部すべて読んだ時すべてが変わるのがすごいです。
正直、映画より小説のほうがずっと面白い。
まだほかにもありますが、こうやって上げていくと、結構いろいろなSF系書評が書けそうな気分になってきました。
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