そもそも、また東洋経済オンラインの記事に’馬鹿じゃないの’と腹立ててました。。
ジム・ロジャーズ「私なら10歳で日本脱出計画」「滅び行く日本」にしがみついて生きるのか
それが、この記事がプロモしている本が、何やらベストセラーになっているというので、正直怖くなりました。
まず、このジム ロジャーズというひとですが、もともとジヨージ ソロと組んでクォンタム・ファンドを立ち上げ、大儲けします。
でも、1980年にソロスと別れ、このファンドから去ってます。クォンタム・ファンドは、この後一時的に最初のロスをだしますが、英国銀行のポンド空売りで大儲け。その後も、大きなロスを出したことはありますが、結果的に2010年には、ファンド最高の270億ドル(ちなみに一億ドルは、今訳106億円)に達しますが、ソロスはその翌年に投資家としての活動から引退してます。
一方、ジム ロジャーズのほうは、基本クォンタム・ファンドでの成功の後、これと言って目立った成功はありません。むしろオートバイにのって世界各国を旅してまわり、その手記でアドベンチャー投資家などと名売って有名になったくらいです。
基本、ソロスと組んでいた時も役割はアナリストで、たぶんトレイダーとしてはあまり才能がないのです。確かに、それまであまり欧米の投資家が目を向けなかった国際市場に目を向けさせた功績はありますが、基本あまり目立った成功はありません。
むしろ文筆業のほうで、アメリカの三大投資家という肩書で自分のブランディングをしているひとですが、基本アメリカ国内での評価は下がっています。
アメリカの場合、投資系に特化したケーブルチャンネルは3つあり、一つ目はアメリカ三大ネットワークのひとつNBCから分岐した
CNBC,
つぎが、ビリオネアであり、もとNew York市長の、ブルンバーグの
Bloomberg
そして、三つめがいまや、共和党右派のそして最近はトランプのプロパガンダ機関と化したFox Newworkが作った、
Fox Business
ジムロジャースの場合、昔こそCNBCでコメンテーターをやってましたが、最近はもうFox Businessでしか相手にされません。後発のBloombergの強みは、アメリカ西海岸の主にIT系の動きと、国際市場で現地から直に報告させるのが一番の売りなのでジムロジャースタイプはそもそもいらない。
Fox Businessは、とにかくFoxが上に控えてますから、いまや民主党系の金蔵の感があるソロスはとてもじゃないが呼べません。で、少し前からジムロジャースは、Fox Businessの常連になってます。
さてアメリカの三大投資家といったのでもう一人残ってますね。
全米第一位の投資家であり、基本中道民主党系でありながら、ほぼまんべんなく尊敬されているオマハの賢人と呼ばれるのが、
ウォーレン・エドワード・バフェット
この人の前では、ジムロジャースなんて、草扱いですし、ソロスでさえ、もうけを出すために90年代後半東南アジアのまだ小さかった経済を一度めちゃめちゃにしてますから、いわば手が汚れている。
バフェットは、バークシャーハサウェイという、世界最大の
持ち株投資会社の筆頭株主です。
ちなみに、もし3000万のキャシュがあるのでしたら、ここのAシェアを一株買うことをお勧めします。なにせこの投資会社の株は、1965年にバフェットが買収以来、年間平均20%近いリターンを出しています。
彼の基本的な投資の姿勢は実はシンプルで、例えばコカ・コーラのような会社を見つけ投資して待つこれです。(いま、Netですぐ出てくる数字では、1979年に84セントだったのが、2019年8月には、約53円。これ63倍、6300%のリターンです。一万円が40年で6300万。10万円なら、6億3000万です。すごいですね。)
では、なぜ誰もが同じことをやらないのかというと、秘訣の極みは、
どうやってそういう会社を見つけるかです。
ともあれ、バフェットのやっていることは、結果的に
アメリカの成長にかけているということです。
人間的にも、オマハの賢人と呼ばれるだけあってものすごく地味。たださすがブラックスワンですから、一つだけ変なところがあって医者が首をかしげるどコカ・コーラを偏愛し、基本アメリカのジャンクフード大好きです。このひと、もうすぐ89歳、来年は90歳ですよ。
結婚も2度しているとはいえ、一度目の奥さんとは別れたのではなく、子育てをおえお互い別々に暮らすようになっても離婚しなかった。今の奥さんと結婚したのはこの一度目のおくさんであり子供たちの母親である女性がなくなった後。
これだけの資産を作りながら、そのほとんどはすでに財団を作って寄付する予定になってます。で、住んでいる内も若い時買った典型的中流のおうち。
ともあれ、ジムロジャースと違い、アメリカを出て外国で暮らすなんてことはまず考えないでしょう。トランプという恐怖の逸脱によって、この先どう変わるかわかりませんが私はよりSaftyNetの発達した政権にもどるのではないかと思ってます。
さて、ジムロジャーズは、この日本で最近出した本で中国語を習え、日本を脱出しろと叫んでますが、ご自分と家族が移住した先は、もちろん
シンガポールです。
その理由というのが、正直笑ってしまいます。中国と韓国は環境汚染がひどくて住めない。これです。それと中国語をしゃべるのは15億人と叫んでますが、そのほとんどが、国内に住んでいる中国人と、華僑ですよ。
環境汚染は、ものすごい潜在コストです。日本が70年代、つまり40年以上前に経験してそこからこれだけの時間をかけて、まともなレベルにとりもどしたわけですが、例えば中国の場合将来的に食糧問題も怖いものがあります。
あと、たとえばManabuさんあたりが推しているバンコクなどでIT系のノマドやりながら暮らすというのはありですが、こういう生活が成立するのは、ひとえに
本国の日本の通貨が強いからです。
結局、滞在先の生活費が自国の生活費に比べ、自国の通貨をもとにして計算された場合ずっと安いから成立する、おいしい生活なわけです。自国の通貨で支払われる報酬がそれほどよくなくても、それをもっと物価が安くそして自国の通貨に比べれば価値がずっと低い国で支払えば、楽ですよね。
さらに、日本には国民皆保険制度があり、完ぺきではないにしろ、医療が保証されているわけです。よほどの大金持ちではない限り、これは日本人国籍を捨てられない大きな理由でしょう。
ひるがえって、韓国でも、中国でも、凄まじい競争社会です。大体、韓国人こそアメリカにかなりシステマチックに移住することがさかんです。私が住んでいるBaltimoreの郊外は、そういう韓国人社会がすごく大きくなってきているのでよく知ってます。
中国のほうは、そもそも大学まで行ける層がものすごく全体の人口に対して限られています。そして、この先農業が衰退するにつれ、食糧問題がどうなるのか怖いです。
ちなみに北朝鮮は問題外。
日本が緩やかに滅びるとしたら、それはこれからなんだかんだと結果的に移民を増やしていくうちに日本のアイデンティティを失ってしまうことでしょう。今回は文化的なことには一切ふれませんでしたが、ジムロジャーズというひとは、文化というものが全く分からない人でもあります。
ここで一言、この人に比べて、すくなくともデービッド・アトキンソンさんの最新刊はかなりまともでした。彼が金持ち客を呼び込めといったのは、日本のモナコ化というより、むしろ少子化を迎えて、一人一人が高価値を生み高収入を得られる社会に変えてはということでしたので、ちょっと印象訂正。
ほんとに、アトキンソンさんの場合、少なくとも日本の文化に対する思い入れは本物なので。たぶん、ジムロジャースという人にとって、世界は儲けの種になるかならないかでしか判断できないものなのでしょうね。
ともあれ、私がしんぱいしている最初のステージは、
2,025年の大廃業時代。
私が小金持っているアジア人で、すでに日本で暮らしなれていたら、ガンバッテ廃業する小さな会社を買い取って日本で会社オーナーになります。実際にそうしているアジア人もでてきてますし。
日本にはアメリカとは全く違う勝算まだありますよ。でも時間切れが迫りつつあるのは事実ですが。ともあれ、日本が弱くなったら国内以上に、海外で暮らすことは地獄になりますから。