イケダハヤト激昂、’保育料、ベビーシッター料’の税制優遇の可能性を、アメリカと比べてみる

シェアする

続けて、またマネーハックカテゴリーの話題。

これも、もとはイケハヤさんの今日のポスト、まずはアメリカのTax Codeの復習。一応、アメリカでは、CFP(これもっていると、日本でのFP一級の学科試験免除です。)なので、少し詳しく説明してみます。うーん、税金の話って7科目の中で一番嫌いだったけど。

1、優遇税制の対象となる範囲と条件

基本、アメリカの場合、幼稚園から高校までは公立に行く限り、授業料ただなので、幼稚園以上はあくまでも、時間外のChild Careだけが対象になります。

保育園以下では、たとえ私立でも授業料は、Child Care Expenseにふくまれます。

もちろん、発達障害児などのための特別な施設のケアは、同じく、幼稚園に参加しない限り、対象になります。

基本公立の場合、発達傷害児のために、IEPというシステムがあるので、(Indivisualized Education Program), 余談ですが、子供が公立の幼稚園に入学すると、サポートが、かなり細かく受けられるようになるので、だいぶ楽にになります。

それはさておき、Child Care Expenseは、アメリカでも、Business Expense としてあつかわれることはありません。

これって、事業主だろうが、サラリーワーカーだろうが、働いて稼いでいる以上みな、この優遇税制の恩恵にあずかれるようにという理念のもとに、設定されているので。

とにかく、働いている人ならだれでも、このルールに適応します。カップルの場合は、片一方が、生徒でもOK.

ちなみに、’働いている’という条件は、きっちりあてはめられるので、たとえば、お父さんとお母さんが、二人で久しぶりにデートなんてことのために、ベビーシッターをやとったのでしたら、この対象にはふくまれません。

2. Child Care Providerの条件

これは、個人でも、法人でもOKなのです。ただ、たった一つ大きな条件があります。

この優遇処置の恩恵に預かるためには、Child Care ProviderのIDが必要です。

アメリカの場合は、これはシンプルです。たとえ個人でも、TAX ID (Social Security Number というアメリカ版 My number です。)は誰でも持っているし、法人の場合は、法人登録するときに、もちろん登録IDが生じますから。

実はこの条件がらみでいろいろ問題がおきることもあります。それは、お金のあるところで、契約として、Child Care Providerを雇った場合。

雇用形態が正式に確立されたとみなされると、実は雇用する側にいろいろと義務が生じます。まあ、ここは日本では本当にあまりないケースなので、これ以上深入りはしません。

3.優遇処置の計算

さて、対象が子供のいる勤労者全員となりますので、優遇処置は’経費’として落とす形ではありません。Tax Credit, 税額控除という形になります。

いろいろ、細かいルールがありますが、簡単な例で説明してみますね。

たとえば、月5万円、年間60万円、保育料を払っているとします。お子さんが二人いるので、トータルは120万円ですね。

次に、家族の総収入(厳密には、アメリカのばあい、公社債の利子などがひかれます。)を、年収500万円と仮定します。

すると、1,200,000X0.2=240,000 これがTax Credit となります。

Tax Creditというのは、最終的に課税対象収入が決まり、それによって課税額が定められたあとで、そこから引いてもらえます。

この例をつかうと、仮に課税対象額が、4,200,000円だとします。で、課税率が10%としてみましょう。すると税金は420,000円ですよね。

Tax Creditが200,000万あるということは、実際に支払う金額が

420,000ー200,000=220,000円 で済むということです。

ちなみに、Creditを計算するための倍率は、家庭総収入が下がるにつれ、どんどんあがっていいきます。

米ドルで 15,000ドル以下(大体1,800,000円ぐらい)までは、35%、そこからどんどんこのCredit 率はさがり、43,000ドル(大体,4,600,000円ぐらい)に足した時点から、一律20%となります。

4.日本での適用は?

保育園の授業料に関して、なんの優遇処置もないでしたらそれは問題外にひどい。アメリカも保育園は高いし、ほぼ私立です。でも、この優遇処置は、とくに中流までは、税金をへらしてくれます。

ただ、Tax Creditというのは、経費とちがい、国の所得税だけが対応なので、地方税からは引かれない。だから、地方税が高い州は、つらいです。

あ、ちなみに、私の住んでいるメリーランド州は高い州。まあ、そのぶん、IEPで助けられているのでいいです。

ちなみに、サマーキャンプの費用も対象になります。働いている時間のChild Careとみなされますので。

ただ、アメリカでも不定期のベビーシッターとかは、あまりこれに含めていないことが多いと思います。

最大の理由はシッターさんがわにあります。

ベビーシッターという仕事は、高校、大学生の特に女の子の一番いいバイトだったりしますので。で、そういう場合、まずお金は現金払いで手渡し。わざわざTax IDもらうなんてことはまずありません。

日本でも、これは同じ状況だと思います。

ですから一種の特化した派遣サービスにしないと、優遇税制の対象にはしてもらえないでしょう。ただ、組織化すると、受け取り側がきちんと税金を払うことになるので、その分料金が高くなる可能性があります。

日本の将来を考えるうえで参考になるといいのですが。