アメリカの場合、たとえValentine’s Dayでも、きほん男性が女性にチョコレートとバラとテデイベアでお祝いすることが多い。

 

ただ、それ以外でも男女に限らず、感謝したい相手に愛を込めてカードを贈ることもずいぶん多いのです。

 

大昔は、Bobがチョコレートや花束を送ってくれたこともありましたっけ。私はあまりバラが好きではないので、彼は結構苦労してました。

 

一番好きな色合いは、こんな感じのブーケ、

 

 

ビタミンカラーなんて言いますよね。元気が出る色です。で、日曜日に買ったガーベラもこんな感じで元気です。

 

 

あと、割と喜ばれるのは花束ではなく、最初っから花器にしつらえたブーケ。昔々父が入院していた時にとにかく病室が明るくなるような花を探していて逆に、

日本の花屋さんはとてもセンスがいい。

事に気が付きました。

 

べつに、いやゆる高級店まで行く必要はなくて、例えば最寄りの駅ビルの中の花屋さんみたいなところで、随分と素敵なアレンジメントをしてくれます。例えばこんな感じ。

 

 

これなんて、男性の一人暮らしのダイニングにあってもおかしくないぐらい。

 

あ、花選びのコツはとにかく自分の好きな花であることと、もう一つは

部屋に加える花というのは、ファッションでいうところの差し色に当たります。だから自分の波長にあった色でないとあまり効果はないですね。

 

熟年そしてシニア女性のファッションセンス改革に、いわば一番貢献した人としてあげたい横森美奈子さんが、花の色が以下に大切かということについてこんなエピソードをエッセイで語っています。

横森さんはずーっとお花に興味が持てなかったそうなのです。それがある日とあるPartyで、深いえんじ、くすんだオレンジといった色合いのいわば泰西名画を彷彿とさせるような盛り花を見て Fall in love.

つまり、お花が嫌いだったのではなくそれまで自分にぴったり来る色合いのブーケに出会っていなかったというお話。もちろんそれからはこの自分好みの色合いのブーケを部屋に飾るようになったそうです。

 

 

実はわたし、昔々男性にかなり凝った花束をプレゼントしたことがあります。一番良く覚えてるのが橋本治さんにプレゼントした花束。

たしかあの頃やがて’花咲く乙女たちのきんぴらごぼう’としてまとめられた少女漫画評論の話を良くしていたので、私の花束はかなり巨大でものすごく重かったのです。

 

それは、かの大島弓子の傑作’綿の国星’の最終シーンをイメージしたものでした。

ちょっと見にくいですね。

ネームはこう語ります。

 

一つのことをかんがえつめようとしても、もう次の考えに移ってしまいます。

外の景色が一日一日とうつりかわっていくからです。

おばけのような桜がおわったとおもうと

遅咲きの八重桜

すみれやれんぎょう花厨王

黄色い山吹 雪崩

なんとすごいなんとすごい季節でしょう

 

 

今となってはこの漫画、男性には少し難解かもしれませんが少女漫画の到達点を知りたいのでしたら、教養としてもおすすめです。

 

さて義理チョコばかりがはびこる日本の。寂しいという男の子たち女の子たちのために、20世紀最高の恋愛小説作家フランソワーズ・サガンから、今日は二冊選んでみました。

 

一冊目は、サガンが38歳のときのインタビュー集、邦題’愛と同じぐらい孤独’

 

 

一番最後に念願があればと問われて、

 

‘十歳にもどりたいです。大人でありたくないのです。 それだけです。’と答えたサガン。とても38歳とは思えないほどの憂愁と洞察に満ちた彼女の返答が続いていきます。

 

それにしても朝吹由紀子さんの訳は綺麗です。こういう日本語最近では本当に読まなくなりました。

 

一冊目のタイトルにちなんで、サガンの典型的な小説のなかで私が読後一番孤独を感じた一冊を最後に紹介しましょう。

 

倦怠と憂鬱にとりつかれた若きジャーナリストが、美貌の地方名士婦人と恋に落ちる話です。舞台は青ざめた貴婦人のような陶器で有名なLimogesが舞台。人は理屈で恋に落ちるものではありません。でもわりないのです。

 

恋に落ちてしまうことは、決して喜ぶべきことではないのかもしれません。

 

が。恋をしたことがないひとに愛することのすべてが分かりえるのがと問われれば、やはり否と答えるしかない。

 

平成とは恋愛がほぼ成立しない、心の機微を鈍らせ内向する時代だったのかもしれません。

 

今もう一度この世界に愛を、と 祈りを込めましょう。

 

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