‘盾の勇者の成り上がり’、不可解な悪意とミソジニーに未だ混乱するけど、目が離せないです。

シェアする

今新作アニメの中で一番目が話せないのがこの、

‘盾の勇者の成り上がり’

皆の大好きな異世界漂流もののひとつで、原作はアネコユサギ作のライトノベル。2014年から、藍屋球によって漫画版が始まっていて、アニメは漫画版をフォローしている。

ただ、たとえば’転スラ’とも’Overload’とも違う世界観。強いて言えば’Re ゼロから始める 異世界生活’が一番近いけど、あの世界での主人公の痛みはまだ、いわば納得がいいたのですよね。

でも、この話はそこが決定的に違う。

異世界がすごく弱肉強食の世界で大変、というレベルの問題じゃなくて、一言で言えば

不条理世界なのです。

よくある設定で、4人の’現代人’が異世界に勇者として召喚されてしまう。ただこの4人厳密にはパラレルの4種の微妙に違う現代世界から来てる。なんでそんな設定にしたのかは、今のところ全くわからない。

なんというか、今までのよくあるパターンを、微妙にかつ、こちらとしては全くなんでそうなるのかというレベルの

悪意で歪めてしまった世界なのです。

さらに、ものすごく見ていて実は胸糞悪くなるのは、4人の勇者の内のひとりであり、この物語の主人公である盾の勇者岩谷 尚文、この彼ただひとりが、この悪意に満ちた世界の攻撃対象としてすべてが始まるのです。

これってまるで、

いじめの実況

尚文くんは、そもそも同じ勇者でも盾の勇者ということで、最初っからハンデを背負ってます。王様が集めた従者のうち、彼に従ったのはなんと一人のみ。ここからしてもうかなり可愛そうではあります。

でも、その後がすごい。このたった一人従った女性従者というのが、実は王女さまで、さらになぜか突然、尚文くんに襲われたとの大狂言。

正直、尚文くんへの同情と、なんて無茶な話なんだと胃が痛みそうになりました。

私は、女です。で、Trump政権誕生の後、#Me Tooなどで、セクハラやセクシュアルアサルト(強姦、及び強姦未遂)がいかに先進国であるはずのアメリカに蔓延しているか、さらに日本にだってその大きな’パラダイムシフト’の波はやってきて、改めて女性に対する暴力が認識されつつある。という感じが最近の背景だと意識してますから。

ですから、このタイミングでアニメの異世界者で、主人公がソシオパスとしか思えないひどい女に、性犯罪の冤罪ではめられるという設定は、

すごく拗れてます。

しかも、王様を始めとして、他の3人の勇者(現代出身)が、何の疑いもなくこの女の作り話を信じてしまうのだから、気持ちの逃げ場がどこにもない。

そのまま、国中で犯罪者として後ろ指を指される存在に、転生2日目で成り下がり、たったひとりの’味方’として見つけたのは死にかけていたケモミミ亜人奴隷でしたし。

さっき見終わったEP5で、どうやらマシな女も登場するらしいということが、やっとわかりましたが、この時点までキャラから映し出される女性観は、かなりミソジニーの傾向が強いですよね。

なんせ、近づく女はソシオパスで、唯一信頼できる女との関係性は、実は奴隷契約の呪によって保たれているというわけですから。

私の知人はなんとこの作者にあって話をしたことがある人で、それによると作者にはいじめられた経験があるらしい。で、いじめっ子は実は女の子だったのかしらとかつい推測したくなります。

アニメにはいろいろな悪役キャラがあるけど、大体たとえ敵でもここまで胸糞悪くなるキャラはあまり思い出せない。この女、マルティ王女って、どうやら愉快犯らしい。この女にいいように操られている槍の勇者 北村 元康にいたっては、もう同しようもないアホです。

というか、最初は単なるアホだったこの男も、マルティ王女の庇護のもと?どんどん性格が歪んできてます。

とはいうものの、盾の勇者 尚文くんが勇者らしいスキルをアップしつつあり、彼が逆にひどい逆境におとされたかこそ、いろいろなことがよく見えてきてそれが成長に繋がりつつあるというお話は、ここに来て動きが早まってきました。

第二の、コレもまた亜人?(一種の鳥人ですよね)従者が登場したし。

正直、今この話から目が離せないのは、尚文くんの復活とリベンジをとにかく見ないことには気が収まらない。コレに付きます。

だから、異世界ものでありながらむしろ

復讐譚であるのですよね。