なんだかんだと、祖国日本の就職意識も変わりつつあるみたい。少し前に出たLifeshiftという本がありますが、
たしかに人間の寿命がどんどんのびるの一方で、企業の寿命がかなり短くなったり、少し前まで絶対安全とされていた大企業やら産業がどんどんだめになったりしているのでまあ、辻褄はあいます。
さて転職が自由になったり、ネットベースの自営業を始める人が多くなったり、自分なりの資産づくりに励むべく投資のお勉強を独学で始める人が増えていたりするのはすごくいい。まあ、自己啓発に満ちたライフプランをあれこれ真面目に考えるのはいいです。
でも、この本を読んだときでさえひとつだけがっかりしたのですが、こと出産子育てに関する限りまだ時代遅れではと思いました。
まあ、この本以前に日本は男女の性別による社会的性差別に関する限り世界144カ国中一14位という、信じられない評価を受けている状況が未だ続いているわけです。
つい少し前にも、東京医大で男女別枠の受験合格枠を設けていることが発覚して、このニュース海外でも大きく取り上がれれました。まあ114位の面目躍如といったところでしょう。さらにすごかったのが、この事によって医師という閉ざされた世界が以下に時代遅れかということが暴露されてしまったのですね。
男は素直に長時間重労働を受け入れこなす。女はたとえ優秀でもマイペースマイライフで、’もしかして教授になれるのかも’なんて言う昭和のおじさん的人参には釣られない。だから男のほうがいい!!
でも、逆に最近は女の医師のほうが死亡率が少ないという統計さえ出ているのにね。
さて、さて日本で少子化問題が表面化してもう20年ぐらいになるんじゃないですか。で、一向に何一つ改善しない。これは私から見ると当然です。まず。
格差が広がり、家族を持てる経済的基盤のある若い男が減っている。
一向に、男女格差も制度もかわらず、現実を目の前にして、
出産育児なんて無理ゲーという女性が増えている。
これがとにかく恋愛の好きなフランスなんかでは、ひたすら政府が出産にも、育児にもせっせと助成金出して、出生率上げてきましたから。さらにあの国はカトリックなのに、いわゆる婚外出産児も、法律上全く同じ保護が受けられるようになっている。
だいたい、日本以外の先進国ではとにかくAdaption,つまり養子縁組が実に盛ん。
ところがこの日本では確か今年の5月頃には、たしか東洋経済オンラインで、父親が遺伝子的に血がつながっていないことを発見した子供が凄くショックを受けたという記事なんていうのがけいさいされていたりする。
これ記事もひどかったけど、コメントもすごかった。
何しろ、人工授精を悪い事扱いするコメント多すぎ。
でもまあ、さすが最近はまともな人達も少しずつ増えてはいます。
東洋経済で昨日’海外の子育ては参考にならない’はほんとうか。’というきじがでてすこしほっとしました。これはほしいのは疲れない家族’という漫画入りの人気連載記事の最新回。
今回は代理母出産で、片方の実子扱いで子供を授かったゲイカップルの話。
アメリカの都市部、ゲイのカップルが暮らしやすいところではもうそんなに珍しくないです。
あ、ちなみにアメリカはオバマ政権が、連邦レベルでの同性結婚を合法化しました。それまでにも、ずいぶん前から同性婚を合法化シている州は増えてました。我がメリーランド州は確か前の知事さんのとき。それが、オバマ政権の法律で、基本州レベルで結婚が正式なものであると認められると、連邦レベルでもそのままキャリーオーバーできることになったのです。
厳密に言うと、まだ一部の超保守的な州レベルで、州内で同性婚を認めようとしない地方の判事がいたりはしますが。
ともかく、今は21世紀で、寿命がこれからどんどん伸びていくわけです。それと今の所経済格差の加速に対して効果的な対策が取れているところは早々ありません。
ぶっちゃけ、Basic Incomeしかないと思いますがね。
とにかく私は言いたい。
子供は、欲しい人が欲しいときに産めるように、あるいは持てるようにしなきゃ、少子化はとまらない。
アメリカの場合、卵子提供、精子提供による人工授精の活用で、まず健康な子宮を持つ母親がかなり高齢でも子供を生むケースが増えています。(元気で経済力のある女性は60歳でも子供を生んでいる。)
あと、これアメリカの場合21世紀の初頭にとあるTVシットコムで話題になったのですが、未婚のキャリアウーマンが、精子提供だけ受けてSingle Mother になるというケースもあり。このTVが話題になって、まあブツブツ文句を言うそうありましたが、今は取り立てて話題にもなりません。
ちなみにこのTVshowの設定では、キャリア母さんは50歳を過ぎてました。
これ、当然でしょう。性差別が改善しつつある国で、何度もキャリアパスの変更があるライフシフト時代を生きる場合、そうそう時間的にも、金銭的にも、いわゆる生物学的適正機関に子供が産めるとは限りません。
さらに、代理母出産、そしてAdaption(養子)とオプションは増え、子供を持つのは同性婚でも問題ない。
これひっくるめて、Reproductive Technologyといっております。あとAssisted Pregnancyという言葉もよく使う。
私のお客さんの30代後半のカップル。旦那も奥さんも病院の技師さん。世帯収入は1700万ぐらいですね。で、奥さんは第一子を、体外受精で妊娠出産、その時点で35歳かな。その後同じことを何度かやったけどうまくいかないので、次のOptionというわけでAdaptionを申し込んで待っている。
もっと、別の意味で飛んでる実例も身近にあります。うちのBobの友人はGayのカップルなのですが、子供が一人います。でその子が私があなたのお父さんがという言い方をしたとき、彼がすごく怒って、
’He is my mother.”
と叫んだのです。で、よくよく尋ねると、この友人はまだ女性であった時に出産し、その後性転換手術を受けたのですね。
私の身の回りの、いやゆる高学歴カップルでは、40歳になってから子を持つ人達がほとんど、その場合やはり体外受精などを受けていることが多い。
さらに、この手の医学はいろいろ条件が付きますが、保険でカバーされる部分もどんどん増えてきています。
妊娠、出産だけをやたら’自然が一番’扱いするのはこれ基本性差別なのですよ。
いまやPokemon Goの時代。拡張現実、Augumented Realityがどんどん浸透していきます。そんなとき、なぜ生殖過程だけAugumentの可能性にたいして平均寿命がもっと短かった時代の価値観にとらわれなくてはならないのか。
だいたい、人間て、まあ子供には限りませんが自分より年少の人間を育てサポートすることが成熟の必要条件でしょう。