予告編で見たときから、もうこの’メリー・ポピンズ リターンズ’絶対見るつもりでした。
原作は未だに読んでいませんが、とにかくオリジナルの’メリー・ポピンズ’には、とてもとても思い入れがあったのです。
実はオリジナル、日本でのロードショーは1965年の暮ですが、私が見たのは中1のとき、しかも学校での映画鑑賞でした。
私が中学から入学したミッション・スクールには、実は幼稚園からの附属校があります。さらに小学校から上がってきた人たちは、小学一年生から英語を習ってきています。
で、中学から入学した私達は、たった一年で、この’中からの人達’に追いつかなくてはならないのです。そんな独特な状況下で見た最初の映画がこれでしたから。
なんというか、圧倒的に
ハマりました。
で、中1の、英語だけは何が何でも追いつかなければならない子供が、こういう映画、つまりミュージカルに、はまるとどうなるかというと。
とにかく歌を覚えまくるわけです。
あのころはうちの親の場合、英語に絡んでねだると割合簡単に叶えてもらいましたので、映画を見た後すぐに、
SoundtrackのLPを買ってもらいました。
英語の歌のLPアルバムを買ってもらったのはこれが最初でした。
だから未だに、口ずさめます。
’Just a spoonful of suger helps the medicine go down !!’ とか
何度も繰り返して今や忘れられなくなった、超長い単語ではじまる
’Supercalifragilisticexpialidocious’ とか
たぶん、一番シングル曲として大ヒットし、和訳版まで作られた
’Chim chiminey, chim chiminey, chim chim cher-ee’とか
個人的に一番好きだった、ちょっと寂しげな曲、’Feed the bird’
’Feed the birds, tuppence a bag,
Tuppence, tuppence, tuppence a bag’
あ、そうか私今思うと映画そのもの以上に、Soundtrackがものすごく好きだったのです。
で、このオリジナルの’メリー・ポピンズ’役で、アカデミーまで取った、ジュリー・アンドリュースの歌声も大好きだったのですよね。
彼女の英語は、とてもきれいなBritish Englishで、それも印象が良かった。ただ、あの頃はそれほど意識していなかったのですが、バート役のディック・ヴァン・ダイクもすごかったのですね。
ともかく私の場合、たしかにこの映画FXから見てののBreak Throughがいくつもあっていろいろとすごかったのですが、むしろMusicVideoとして私のこころに焼き付いてしまったのだと思います。
で、そんな長くて古い過去があるので、今日娘と一緒になんと54年ぶりに制作された続き’Mary Poppins Returns’を見ているといろいろ考えてしまいます。
あ、まずとにかく家族揃って楽しめる映画です。そしてディズニーものが好きな人ならもう、何がなんでも見なくてはならない映画です。
とにかくProduction Valueが半端じゃない。後、脇役がすごいし。
FXも本当にシームレス。中盤の見どころの’ショータイム’とか、さすがという感じ。
実はPoppinsを今回演じたエミリー・ブラントは、たぶん本性がナニイとしてはかなり色っぽいのですね。だから、このシーンはなんというか出し切った感じがして一番迫力がありました。
ただ、昔中からの同級生がわりとスノップな感じで、ジュリー・アンドリュースのポピンズは、原作に比べてソフトすぎると話していたのをよく覚えていて、エミリーのポピンズは、もうすこし原作に近めで、もっと皮肉屋っぽくてきつい感じです。
で、それは悪くないです。
お話は、オリジナルの映画で、主役の子供二人がもう大人になり、彼らのご両親も他界している25年後のイギリス大恐慌時代となってます。
しかも、マイケルの奥さんは子供3人を残してすでに亡くなっており、マイケルは子供3人と、彼らにとってはおばに当たるジェーンと一緒に、子供時代と同じ家に住んでいます。
あ、家政婦をやっているのは、ハリーポッターのウイズリー家の肝っ玉母さんを演じたジュリー・ウォルターズです。
なんというか、初っ端からイギリスぽさが濃いのです。
とにかく、インテリアとか衣装とか、逆にオリジナル以上にイギリス色が濃い。あの頃のハリウッド映画に比べて、今のほうがこういうProductionに正統性をもたせるからでしょうけど。
子供服もうちょう可愛い!!
アメリカの一般の子供服って、わりとキンキラキンキラしたのが多いから、こういうのを見ると正直よだれが出ます。子供部屋もパステル過ぎないし、後お風呂場最高。
さて、問題は、オリジナルのバートを演じたディック・ヴァン・ダイクに対し、今回ジャックというガス灯のメンテガイを演じるリン=マニュエル・ミランダです。
同じように、ポピンズの知り合いで、同じようにロンドンの労働者階級の男の人でかつ、なんかやたら明るいという不思議な役であることに変わりはありません。
彼、歌も踊りもうまいんです。見たことない顔だと思ったら、なんとキャリアのほとんどはミュージカル関係です。
でも、この方見事に、
カリスマがない。
あの、ディック・ヴァン・ダイクが持っていた、なんとも言えない得体の知れない能天気さとか全然感じられなくて、単なる歌と踊りがうまい人の良さそうなおじさんなんです。
これ、ネタバレというほどではないのでぶっちゃけますが、ディック・ヴァン・ダイクが現在なんと御年93歳でありながら、ほんのちょっと登場して、本当にほんのちょっとだけ歌って踊るのですが。
もう凄い華、そして磁力
なんかびっくりしました。スターパワーって信じられないぐらいにはっきり見えてしまうものなんですね。
さて、最後にもう一つ取り上げたいことがあります。
つまり、肝心のSoundtrackですね。
これ、正直オリジナルを見て、それがすごく心に残っている人間が判断するのは、ちょっと可愛そうな気がします。
ちなみに一緒に行った娘は、やたら隣で身体を揺らしてましたから。彼女の場合、音楽に乗ると完全に回りを無視して身体を動かします。はい、時々注意しました。
後、映画のラストの曲は良かったです。だから
ラスト、ジーンと来ました。
で、それはオリジナルを子供の頃に見た人間として、たとえいろいろ突っ込みどころはあってもやっぱり作ってくれて良かった。見てよかったと思いましたから。
私は手をたたきそうになって、一瞬躊躇した後、周りにも結構手を叩いた人がいたのでホッとして拍手しました。はは、へたれ
ミュージカルですし、後何回かは見てみたいです。
後、歌詞は半分ぐらいしかわからないので、Netで歌詞さがそう!!
iTune買おうかどうしようか迷ってます。まあ、今は単体でおろせるから、せめて3,4曲はおろしましょうか。