2000年に’格闘するものに○’でデビューして以降、まるではじめからベテラン作家のような卓越した筆力で次々にヒットを生み出してきた、隠遁女子系の大小説家三浦しおんさんのの同名小説が原作です。

 

私の場合、2015年から定期的な日本行きを再開して、最初に面白そうな題材だと思って手をとったのが彼女の本屋大賞受賞作’船を編む’でした。これが彼女の作品との最初の出会い。

 

 

長い間探していた、ああこういう作品が読みたかったんだと言うのが私の第一印象で、その後新刊古本合わせて、手に入る彼女の作品をしばらく漁りまくりました。

 

この作品もそうやって出会った作品です。

 

ちなみにこの人の’秘密の花園’という女子高校生を主人公にした小説を読んで、このひとがかなりいろいろな好奇心のまとになりやすい、某有名女子校チェーンの横浜校出身であることを発見しました。私は同チェーンの四ツ谷校出身です。

このチェーン出身の人って、まあ卒業後拗らせることが多い半面、男性の視線抜きでゆっくり自分の世界観を作ってしまう人が結構います。三浦さんはそういうタイプの典型とも私のような大年増からは思えてしまうところもあります。

三浦さんは二次元ラブ全開の腐女子としても有名な方です。日本のように未だに超性差別社会であるこの国で、一つの開き直った隠遁女子というあり方を、’ショッピングの女王’中村うさぎさんと対談しています。

 

 

さて、話をこの作品に戻しましょう。大体において三浦さんの作品はマルチメディア展開されることが多いのですが、この作品もご多分に漏れず、これまでに映画化され、さらに漫画化もされてます。(漫画はヤングジャンプだったと思います。確かにキャラとかストーリーとかから判断するとそうなりますね。)

私はみていないけど、映画は主演の走役の新人がとても良かったとか。

 

 

そうですね、写真を見る限りでは、走は若すぎるし清瀬はごつすぎる。

 

その点アニメのキャラデザインは素敵です。これハイキューと一緒のデザイナーさんですね。走が少し影山ににてますが、まあ目つきが暗いし。でも設定的に似たものがあるのでいいと思います。

 

アニメの進行ですが、これもう完全2クールペースですね。今11月ももう終わりに近づいているのに、まだ最初の記録会エピソードが終わったばかり、箱根駅伝の出場資格レースもまだ。

なにより、いまだに肝心の主人公がこの竹青荘の住人たちと一緒に箱根駅伝に出るんだというかなり無謀なゴールを心から受け止めてはいない。

それがもうすぐかわっていくはずです。

 

ネタバレとはいえ、このかなり大胆な箱根駅伝出場というゴールはそもそものこの小説の大前提ですから、いまさらここで隠しません。

ただ、そこまでのこの10人が少しずつ変化していく過程をアニメがどう描いていくかは見ものですね。

 

正直、小説から入った私としては、いまのところ可もなし不可もなしと行った感じです。

 

小説を読みながら描いていたイメージに一番近くて嬉しいのはやはり、清瀬灰二さん。清々しくかつ腹黒な感じがとてもいいです。

 

さて、小説の方は、箱根駅伝の本番になんと全体の3分の一を欠けています。そしてそれが長くは感じないだけでなく、

いい。

そこまではアニメでもいいけど、最後の本番の描写は小説も読んで欲しい。

 

早くではなく、強く走るという本質がほとばしるのです。

 

ある意味魅力に欠けていた主人公走が覚醒していき、ゾーンに入っていく描写などは本当に言葉にしてくれてありがとうと手を合わせたくなる。

もちろん、10人10色のひとりひとりの自分の走る時間の強度を高めていくその有り様も、あるいは愛らしく、あるいは猛々しく、あるいは痛々しく、でもすべて美しい。

 

言葉だけだから広がりがあるということがあるのです。

アニメを見終わってからでいいから、小説も読みましょう。

 

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