あのですね、アメリカでは

 

政治は他人ごとではないのです

 

私、日本でほかの人と話していて、例えば安倍政権ひどいというはなしになると、日本人は普通、こういう言い方をする。

 

そうよね、早く変わってほしい

 

え、え、だって選挙するんでしょう。主語が違うでしょう。変わってほしいではなく、変えたい、変えよう、でしょう。

 

ここを踏まえないと、アメリカ人の火曜日夜のテレビ討論会に対する反応は理解できない。

 

アメリカ人の、ごく普通のトランプ派が望んでいたのは、嘘を混ぜようが何しようが、とにかく堂々と自説を述べる、強いリーダーというイメージでした。

 

アメリカ式のDebateって、口論による喧嘩みたいなものではありますが、基本的にきちんとしたルールがあります。もちろん、ルールがあると、微妙な反則技も存在するわけで、自分の番ではないけど、ちょこっとちゃちを入れて、相手の論点を弱めるなんてことはあります。

 

なにせ、テレビだし、ライブだし、私が知っている中で一番有名なのは、さすがもと俳優のレーガン大統領が、民主党の候補者がとうとうと政策を述べているところへ、

 

’Where is the beef?’とちゃちをいれて、これがかなりの決定打になったこととか。

 

これが、Trumpの場合、前回のヒラリーとの討論会でも、かなりの分量で、自分の番ではないのに、相手を邪魔したり、かぶせて物言いしたりがひどかったのですが、今回は、そのなんと4倍は邪魔していて、

 

平均23秒ごとにちゃちを入れている。

 

まあ、この討論会を風刺した、政局一コマ漫画をちょっと見てもらえば、その感じがつかめますね。

 

 

大体今回のテレビ討論会の司会って、Chris  Wallaceで、彼はほぼTrumpと共和党のプロパガンダマシンと化している、Fox News のキャスターです。

 

で、このひとですら、もうTrumpにうんざりしてきているの明らかでした。

 

ちなみに、TrumpはModerator のいうことを聞かないので、次回の討論会では、司会者が黙らない候補の

 

マイクを切ることが可能になりました!!

 

こういう、政治がらみの巨大イベントがあるときだけ、私はケーブルチャンネルの、MSNBCというNews専門チャンネルが見れたらと思いますが、(昨年末にケーブルTV解約したので。)その理由は、

 

Rachel Meadow はどんなコメントしてる、これです

 

で、まずは、討論会直後、彼女がほかのコメンテーター(なぜか3人とも女性ですね。すごい。)

 

 

Rachelが一番最初に強調しているのは、

’討論会の準備として、いろいろな事実関係のおさらいをしてましたよ、討論会中に、最速で、Fact Checkするつもりでしたから。’

 

’でも今夜起こったことは、ノーマルな政治討論プロセスの破壊です。しかも、この大統領は、最後に、選挙結果にかかわらず、私が勝者であるべきだといってる。’

 

まあ、同じ共和党の論客でも、とにかくレーガンと野球が大好きなGeorge Willとか、とっくの昔にうんざりして、それが高じてもう今現在のTrumpに追従する共和党ももはやサポートできないといってますが。

 

私は、Democratic Undergroundという、民主党系のメッセージボードをよくチェックしますが、明けて昨日、そして今日と、自分の近所のTrumpサポーターが、サポートのポスターやら、お飾りを閉まっているという報告が、ずいぶん入ってました。

 

さらに、本来ゴリゴリの共和党右派で、Trumpのサポーターであるコメンテーターが、かなりの数で、公にこの討論会でのTrumpのひどさを批判してます。

 

まあ、日本のNewsでは、今日は、白人至上主義者のグループ、Proud Boysを、Trumpがおおやけに、サポートと取られても仕方がない発言をしたことが、大きく取り上げられてますが。

 

Trumpは基本、自分がまけるような選挙結果は、

 

インチキであるといってます。

 

で、今だTrumpのごりごりのサポーターでもある、このPround Boysみたいな人達に向けて、

 

選挙当日は、投票場にいってインチキがないかみはれ

 

といってますが、あ、これ威嚇とみなされ法律違反です。

 

そういえば、今朝日本人のコメンテーターが、この討論会を評して下手なプロレス試合。凡人プロレスラー(Biden)と、反則技しか繰り出さない、狂人プロレスラーみたいな言い方してましたが、これではTrumpにあまいです。

 

Trumpは、狂人プロレスラーどころか、基本理性のかけらもないまるで赤ん坊なみ、あるいはサルでした。

 

あ、私はライブでは、討論会見てません。

 

というのは、ヒラリーとの最初の討論会を一回見ただけで、とにかく、

 

Trumpのしゃべりを聞くだけで胃が痛くなりましたので

 

もちろん、討論会の進行中も、そのあとも、コメント欄や、ライブツイートを時々チェックしてましたが。

 

さて、Rachelが代表し、もっとも明確に述べている怒りの正体です。

 

彼女の昨夜の番組からの抜粋がこちら、

 

 

Maddow: Resist Trump’s Strategy Of Destroying U.S. Politics, Discouraging Decent Americans | MSNBC

 

これです。つまり、Trumpのあまりのひどさに、アメリカの民主制のシステムそのものに、絶望してはいけないといっているのです。

 

まあ、なんだかんだいっても、ヒラリーが信じられない敗北を期したその翌日から、民主党の草の根活動家は、鬱と戦いながら動き出しましたから。あ、女性のほうが圧倒的に多かったのです。だからこそ、中間選挙で下院で民主党が圧勝したとき、史上最多の女性議員が誕生しましたし。

 

だから、日本でTimeの世界の100人に選ばれたのが、伊藤詩織さんと、大阪なおみさんだったわけです。

 

攻撃を受けても、刑事裁判をつぶされても、民事訴訟を起こし、日本の男性至上主義社会システムに対して行動し続ける伊藤さん。そして、Black Lives Matterに対して、はっきりと政治的発言をする大阪さん。

 

この二人こそが、今の日本の若いひとたちのRole modelになるといいのですが。

 

ちなみに、民事訴訟をバカにしないように。アメリカで、KKKをつぶすきっかけになったのは、KKKに対する損害賠償の民事訴訟で、KKKの資金源をつぶしたことですから。

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