今朝日経オンラインで見つけたこの記事、

失職すれば米国史上初 どうなる? トランプ弾劾

 

どうせ、いい加減で生ぬるい記事だろうと最初は読みませんでした。(私は無料会員なので、全文読むには,,月ごとの無料枠を使います。)

ただ、気になってコメント欄をCheckしたところ、なんだこれ!!これネトウヨというのかな?でも、

 

ネトウヨの人たちって実はロシアよりなのか?

 

と、ちょっと考え込みました。そして大事な無料枠を使って記事全文を読みました。

ひどい。この記事弾劾プロセスの説明以外すべてひどい。

 

記事を書いたのは、日経ビジネスのNew York 支局長。女性です。で、この人が名を伏せてアメリカ人の発言例としてあげているのが、元New York Timesの幹部をやめて独立した、外国生まれの女性。発言の後半を引用しますね。

 

私が弾劾されてほしいと言ったのは、彼の日ごろの品格のない発言とか他人を侮辱した態度とか、そういう人格が好きではないから。でも政治家として見ると正しい政策を採用しているときもある。だから、とても複雑な気持ち

 

これを読むだけで、この発言者の立ち位置が一発でわかります。この人は典型的な、裕福な共和党サポーターです。たとえば、ブッシュ元大統領や、レーガン大統領が大好きなタイプです。

 

ちなみに、これも日本に全く伝わっていませんが、アメリカ全体の人口でみた場合、基本

共和党支持者は、かなり前から少数派です。

 

そのままの意味で、共和党が本当に強かったのは、お父さんブッシュと、レーガンまででしょう。

 

ブッシュ・ジュニアが、ゴアに買った選挙では、最終的にフロリダ州のリカウントがあり、その後結局最高裁がブッシュ・ジュニアを大統領にしたのです。

 

この時点で、すでにゴアは、直接投票数そのものではブッシュ・ジュニアを上回っていましたから。

 

そして、クリントン対トランプでは、直接投票数の差が史上最高。

While Clinton received 2.87 million more votes than Trump did (the largest margin ever for a losing presidential candidate), Trump received the majority in the Electoral College and won upset victories in the pivotal Rust Belt region.

 

なんと300万近くも、クリントンが余計に票を取っていました。

 

私なりに、クリントンの敗因ですが、次の3つの要素の相乗効果でしょう。

1.ロシアによる介入と、SNSを使ったプロパガンダ

2.前FBI長官による、クリントン候補へのサボタージュ。(例の意味不明のE mail疑惑です。)

3.大統領選挙の、選挙人制度の問題。(これは、基本民主党側の、作戦の甘さです。)

 

1に関しては、当初私でさえ半信半疑でしたが、special counsel mueller reportの結果がでて、そして捜査の仮定の逮捕者の数の多さに唖然として、受け入れました。

 

このレポートの結果は、トランプを限りなく黒に近いGrayという位置に据えたのですが、トランプが満を持して据えた今のBarr法務長官の完全PR作戦勝ちで、結果的にウヤムヤにされました。Mueller自信証言をしましたが、基本かれは法務長官の判断には逆らえないとはっきりレポートにも書き、同じことを繰り返しただけでした。

 

今回の弾劾騒ぎは、実のところウクライナ絡みの自己利益を狙ったトランプの行動だけが問題になっているわけではないのです。

 

ただ、まず内部告発者があったことで、民主党がコントロールしている下院の各委員会が直に関わることができたこと。

 

さらに、そもそもトランプがウクライナ絡みの一連の行動を始めたのは、Mueller証言が民主党にとって不発に終わり、トランプの逃げ切りが確定したかの用に見えたその直後でしたから。

 

ともあれ、特にSNS絡みのプロパガンダがどれくらいひどかったかと言うと、もともと気のいい友人だったひとが、クリントンの対抗馬のサンダース候補になった事自体はともかく、クリントンに対する中傷をすべて信じていたことに実に驚愕しました。この人は本当に、クリントンのほうがトランプより悪いぐらいの言い方になってましたので。

いまでは、ロシアがかなりの密度でサンダースサポーターをTargetにしたことが分かってますので、今民主党左派では、実はサンダースあまり人気はありません。

2に関しては、相変わらずの共和党系のSmear Tacticsです。

 

で、次の大統領戦を考えた場合、こと1と2に関してはかなり状況は、

 

Level Playing Fieldになってきてます。

 

1に関しては、そもそも私が尊敬するRachel Maddowのレポートなどがきっかけとなり、そしてやはり、党派所属に限らず、基本国益を普通に重要視するCIAやFBIの動きもあって、どんどん表沙汰にはなってきています。

 

さらに、ここに来てTwitterが政治宣伝の禁止を発表しました。問題はFacebookなのです。Facebook Groupは本当にロシアのいいTargetですから。Mark Zuckerbergが抵抗していて、非常に評判が悪くなってますね。

 

最近は、GAFAのうち、特にGoogleとFacebookに対する風当たりが強くなってきてますね。

 

2.に関しては、やはり共和党のOperativeは動きにくくなってます。なにより下院が民主党に取られてしまったので。

 

実は一昨日、特殊地方選挙がいくつかありましたが、基本民主党の共和党地盤での伸びは相変わらず強いです。一番大きな動きは、Virginia州。今回の選挙で、州政府のすべてが民主党もしくは民主党多数で湿られることになりました。

 

さらに、Pensilvania州も、民主党化が進んでいます。

 

民主党は、地方選挙の大事さをこの前の中間選挙で改めて認識しましたし、特に若い世代と、女性が進出しています。さらに、トランプサポーターが最も嫌う非白人移民第2世代も。

 

あと、僅差で民主党候補が勝利したKentucky州知事選挙ですが、共和党候補は負けを認めておらず、下手をするとケチを付けてひっくり返すかもしれません。ただ、そんなことをするとあとあと、悪影響も出るので注目ですが。

 

大体、Trumpそして共和党の地盤をまとめると、

女より男
非白人より白人
大卒以上より高卒以下

若者より年配者

 

です。で、アメリカの人口動態はどんどん白人の占める割合が減ってきていますし、新しく投票権を獲得する層は、圧倒的に民主党支持者のほうが多いわけです。

 

3.さて問題は、この選挙人制度です。この選挙人制度はそもそも2000年の、ゴア対ブッシュ・ジュニア大統領選のようなできごとを予防するために儲けられたのですが、ここに来てその民主党基盤への不公平さが際立ってきているのです。

 

クリントンの負けを決定づけたのは、民主党よりと計算していたアメリカ北部ラストベルトの州での負けでした。

逆に、ここまでクリントンの得票数が多かったのは、カリフォルニアを始めとする選挙人あたりの投票数が極端に高い州で大勝していたから。

 

実のところ、大統領選史上戦後、直接投票で負けたのにも関わらず、選挙人数で勝って当選したのは、両方とも共和党候補、

 

ブッシュ・ジュニアとトランプだけです。

 

現実問題として、共和党は人口動態では少数はに移行しつつあるという状況を把握しており、随分前から、Gerrymanderingということをやってます。

詳しくはこちらの記事を、

アメリカの中間選挙、共和党の汚い選挙操作がなりふりかまわなくなってきて、私はちょっと怖いです。

 

そして、この状況は未だにそれほど変化していません。問題は1と2の状況が改善されつつあるなか、どこまで民主党がこれらの州で票を伸ばせるかということです。

 

クリントンと違い、オバマの場合はこれらの州できっちり勝ってます。これは普段あまり選挙に行かない特に黒人層が大挙して投票したからなのです。クリントンの場合、嫌われるほどではないにしろ、わざわざ投票に行くほどの人気がなかったというのは、事実でしょうね。

 

あとやはり、民主党でもいろいろなので、表向きはともかく女性候補がいやというのもあるかもしれません。

 

というわけで、長くなりましたので、この続きトランプのどこがひどいかについてはまた明日。

 

 

 

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