最低賃金以前に、日本は給料が安すぎる。だんだんデービッド・アトキンソンに賛同することが多くなってきた。

暗黒化する資本主義

はい、久しぶりのおなじみデービッド・アトキンソンさんの、東洋経済オンラインの記事です。

「県別の最低賃金」はどう見ても矛盾だらけだ、「全国一律の最低賃金」は十分検討に値する

 

私は彼のこの本はきちっと読んでいますし、8割型は賛成。それ以上に彼の問題意識には日本人として感謝しますね。

 

確かに彼の議論は少しずつですがシフトしてはいます。だって私自身、彼の最初の富裕層相手の観光立国みたいな話には正直賛同できませんでした。その一方ですが、私は段々とですがこの人に好感を持つようになってきもしました。

 

そもそもこの人、京都ベースの中小企業の社長に就任しているのですよ。

実際に日本に土着して、中小企業の社長をしながら日本の将来のこと考えているのですよ。もとは国際金融で金持ち相手に、イギリスのゴールドマン・サックスで随分上まで言っていたのに。

この人がマネーゲームに愛想をつかして日本にやってきたという話は、いまでは素直に受け入れることができます。

 

さて、今回に記事の趣旨は、基本日本にも国全体一律の最低賃金が必要だと言う話です。

 

私は全く知りませんでしたが、日本には国全体の最低賃金がなかったのですね。で、県ごとで決めている。

 

アトキンソンさんの論旨は、県ごとの最低賃金の設定のしかたがいかに統一な法則のない、かなりいい加減なものかという話なのです。

 

それはいいのですが、この論旨に対して、国で最低賃金を決めることがどう言うふうに日本の経済のプラスになるのかがいまいちわからない。

 

アメリカの場合、未だにかなり低い国全体レベル(連邦レベル)の最低賃金がまず設定されています。

で、これを値上げすることは民主党を中心に何度も持ち出されてますが、もちろん今のトランプ体制になってからは、こういう労働者保護のための法律は一切通りません。

 

ただ、アメリカの場合、地方政府の自治力が日本よりずっと強い。連邦レベルで設定された最低賃金より低く設定することはできませんが、州ごと、嫌市レベルでさえ、いくらでも

高め設定はできます。

 

基本、州や、市レベルの最低賃金が連邦で設定された最低賃金より高いのは、民主党地盤で、沿岸部の州がほとんどです。

 

ですから、日本で国レベルの最低賃金を決めても、それ以上なら更に高い最低賃金を決めることは都道県レベルでありではと思います。

 

まあ、そういうふうにツッコミどころはありますが、本当にひどいのは

コメントの多くです。

 

アトキンソンさんの、論旨のシフトを揶揄するのは、不毛だと思う半面仕方ない部分もあるでしょう。もっとも、真面目に日本のことを考え日本語でこうやって記事を買いたり、本を出したりすることを、もっとRespectしたほうがいいと思いますがね。

 

私が、ものすごく腹を立てたのは、反論コメントの名を借りて、

 

最低賃金、もしくは賃金の上昇が経済にマイナス!?

 

という論旨のする変えを行っている人たちです。

 

例えばこんなコメントです。

 

’労働経済学では大竹文雄(阪大)、玄田有史(東大)、鶴光太郎(慶大)、安部由起子(北大)、神林龍(一橋大)、川口大司(東大)の6氏に意見を聞いた。労働市場が競争的で、企業が労働の生産力に等しい賃金を支払っていれば、最賃の上昇はそれより生産力の低い労働者の失業につながる。そもそも最賃での雇用は高卒以下学歴の未熟練労働に集中する。若年(19~24歳)、成年(25~59歳)、老年(60~64歳)と年齢階層を分け、さらに男女に分けて検証すると、02~17年の期間で最大のマイナス雇用効果は男性若年層、次いで男性青年層でみられた。’

 

私いつも思うのですが、経済学がいくらそれなりに統計や、数学を使っても結構間違った結論や、解釈をされかねないのは、

仮定とするものの不確かさ

 

なのです。

 

このコメントをした人は、’最低賃金をあげたらマイナス雇用効果’が出るということを言うつもりで引用してますが、それは正しいとは限りません。

 

コピペだけして、きちんと文章の意味することを考えなかったのでしょう。

 

問題なのは、この結論には

仮定があるということです。

 

私一応、元数学者の卵(純粋数学のPhDを持ってます。)ですから、文学以外の文章を読む時は、論旨というものだけはきっちり見ます。

 

このコピペのいちばん大事な過程は、ボールドにした、

 

労働市場が競争的で、企業が労働の生産力に等しい賃金を支払っていれば

 

です。

今の日本の労働市場は、多分ほぼ競争的でしょう。

一方、日本の企業が、労働の生産力に等しい賃金を支払っているかと問われれば、

 

それは私も、アトキンソンさんもNOといいます。

 

かんたんなことです。

今の日本は、ごく一部の大企業の逃げ切り世代を除いて、

 

給料が安すぎるのです。

 

日本に来るたびに、一次生産品は決して安いとは思いませんが、(例えば国内の農産物など)、どう考えても人件費がやたら低く抑えられている。

 

それこそ、小売でも、飲食業でも。給料が安すぎるでしょう。

 

 

こういう、馬鹿なコメをつけるひとたちや、揶揄するだけのコメをつける人たちは、自分たちが今のそれなりに安定した職場から追い出されたらどうするつもりでしょう。

 

 

もう、自己責任とか言ってる場合じゃありません。

 

 

私は、日本にアメリカのようになって欲しくない。

 

 

 

 

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