毎年、娘の宿題で一番泣かされるのが、英語(アメリカ人にとっては国語)の
課題図書です。
今年はこちらの二冊、
もちろん、娘はオリジナルで読んでいます。夏休みの半分以上費やしましたが全部読み終えました。
でも、課題図書ですので読んでそれで終わりではなく、色々やることがあります。
去年は基本、与えられた質問リストにそってリポートを書きました。で、もちろん私がしっかり手伝いました。
今年もそのつもりで、8月に入ってから宿題の詳細をチェックしましたら、なんとリポート提出ではなく、
新学期の第一週にテストだそうでびっくり。
最初は私も読むつもりでしたが、正直前半はアメリカで、後半は日本でなんだかんだといそがしく、こちらは諦めました。
というのも、この2作両方とも、映画化されています。映画を見て大体の感じを掴んで、さらにネットで’サマリー’を探せば、どうにか手伝えると踏みました。
この先ネタバレがありますのでご注意を。
で、一昨日の夜まずこちらを視聴、
そして、昨夜が
なんというか、こういう映画二晩続けてというのは、
かなり重い。
更に昨日の午後は、まず’やさしい本泥棒’(Book Thief)の質問リストを最後の質問のぞいてすべて、娘と一緒に片付けました。
映画と、あとネットでこんなサマリーサイトを見つけて、これを参考にしながらだと本そのものをきちっと読んでいない私でも、手伝えるのです。
’やさしい本泥棒’は、ナチドイツで、赤狩りで亡命を余儀なくされた親から離れ、里親と暮らすことになった少女Lieselの物語。
暮らし始めた当初、ほとんど文盲だった彼女が、読むことへの渇望とともに成長しているお話です。
もちろん、戦時下であり、ナチドイツであり、さらに里親はとても良心的なひとたちで、恩ある友人の息子であるユダヤ人を匿うことになるので、結構緊迫した状況にも行き当たります。
でも、特に映画の場合、Lieselを演じるSophie Nélisseが、金髪碧眼のお人形さんみたいにきれいで可愛らしいので、私がいままで見たどんなナチドイツ絡みの映画より、最終的な印象が暗くない。
それに比べて、’君のためなら千回でも’(The Kite Runner)の方は、舞台が、ソ連の侵攻の少し前からはじまるアフガニスタンが主な舞台ですから、いわば見慣れてしまったハリウッド製のナチスの蹂躙にくらべて、生々しさがまるで違う。
特に、主人公Amirと、彼の幼馴染であり、唯一の友人であり、一方彼の家に先代から使えるサーヴァントの子供であるHassanが過ごした1970年代なかばまでのKaburは、
童話じみて美しい。
が、そこはその後まずソ連に占領され、ソ連を最終的の追い出したものの、Amirが成人後再び訪れた2001年には、タリバンの暴政下にありました。
たとえ発展途上国であっても、独自の文化と童話じみた魅力に溢れていた祖国の、
荒廃は凄まじい。
このあとAmirは、Hassanの遺児を探して命がけの経験をするはめになります。その彼の目に映る荒れ果てた風景以上に恐ろしいのが、
タリバンという現存する暴力
アメリカ映画であるということを計算に入れても、タリバンのイスラム原理主義とその教理の文字通りの実践については、あまりにを知れ渡ってしまったことですから、これをしてイスラムのステレオタイプとは呼べない。
AmirはHassanの遺児Sohrabを、奇跡的に救出死かなり無理をしながらも無事アメリカにつれて帰るのです。
が、’Book Thief’と比べる時、’Kate Runner’の同しようもない暗さはやりきれないのです。
ネタバレ嫌だと言うより、かんたんに理由を言って終わりにしたくない気持ちを込めて、詳しくは書きません。
一つ言えることは、Soharbにはまだ、Afganistanで暮らしていた時の悪夢が生々しく息づいているのです。
この2つの映画化を比べる時、正直言って’Book Thief’のほうは、主人公のLieselを、美化しすぎていると思います。たとえば彼女が盗んだのは本だけではないし、ホロコーストの話はちょっと扱われ方が軽すぎる気もするのです。もっとも、この本は過去の物語であり、語り手はフィクショナルな死神ですから、それも仕方ないのでしょう。
さらに、’Book Thief’のLieselにとっては、すべてが失われたわけではない。
それに対して’Kite Runner’のSoharbの生きて生きた世界の暗さと救いようのなさは、一応希望を匂わせているものの、現在進行系のAtrocityを無視できないのです。
今日このあと、Kite Runnerの方の、質問リストにとっかかります。
でもまあ、娘の課題図書だったおかげで、この映画二作見てよかったです。
私は、Amazon Prime 経由で借りました。秋の夜長にオススメします。