エマ ゴンザレス 18歳、アメリカの癌を浄化する高校生カリスマ、アメリカの銃規制の行方が注目されます

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時事ネタを、ここに書くかどうかすごく迷ったのですが、こと、銃問題にかんした、余り日本のマスコミがきちんと書かないので、やはりここに残しておくことにしました。

基本的にオバマ大統領が選出されて以来、NRA(National Rifle Association)は、保守的な白人層の恐れをあおることによっていまや、全米で一番怖い圧力団体です。

アメリカの憲法第二条は、’Right to bear arms’.これはそもそも、アメリカがかつて支配者であったイギリスに対して革命を起こしたという形で成立したからこその条文ですね。

で、特に民主党側が政権にあった時代は連邦政府に反抗する権利という形でどんどん拡大解釈されていきました。

その結果、本来戦争で使うAR-15なんて言う銃が、飲酒可能年齢よりしたの18歳でできてしまうなんて言う恐ろしい状態になってます。

そのうえ、アメリカの汚いもの、醜いものが皆NRAを核にしてどんどん力を増していきました。

私にとって絶望が一度は決定的になったのが、2012年12月、アメリカ東部のSandy Hook 小学校でのMass shooting.

死者は22人であっただけでなく、その大部分が小学生でした。これをラジオで聞いた時はさすが恐ろしくて泣きました。

考えても見てください。小学校ですよ。殺された中には本当にまだ小さい子もいました。でも、残された親たちの本当に胸が張り裂けるとしか言いようのないPleaにもかかわらず、みごとに何も変わりませんでした。

2011年の東日本大震災の後、一度はそのつもりになっていたアメリカ市民権の取得をまた10年伸ばしたのですが、この事件の後、つくづくこの国が嫌になってきました。

大統領と呼びたくないトランプがアメリカ権力最高の座についた後も、何件もむごたらしさを競うようにMass shooting が続きました。

そして今年2月14日フロリダ州、Stoneman Douglus高校で、またもやMass shootingが起こり、17人がなくなりました。

でも、思いがけない、いえ、考えてみると唯一の希望と呼べるような若い世代が、今NRAとGun Culture, Gun lobbyに対抗する大きな力を生み出しつつあります。

その中心にいるのが、Emma Gonzalez. アメリカ中、いや世界中が彼女に注目したきっかけはMass Shootingの三日後のアンチガンの集会でのEmmaのスピーチでした。

ちなみに、アメリカの政治そして歴史上でも、スピーチは日本人にはちょっとピンとこないほど重要です。

作文を習うのと同じように、スピーチ(Oral Discourse)にも、その文法やある程度確立された手法があります。

実は大学学部時代に興味があり、歴史の代わりに人文系の単位をとれたので、Oral Discouseのクラス6単位取っているのです。

ただ、書かれただけの文章と違い、スピーチ、あるいは演説が成功するにはもちろん話し手の資質が重要です。

一番大事なのはいかに聴衆と深いレベルで繋がれるか、そしてそれと同じぐらいに大事なのははっきりと一番重要なメッセージを伝えることです。

そして二番目が効果的に反響して演説後も影響力を持ち続けるためには、何かしらの短い、いわゆるキャッチフレーズも欲しい。

Emmaのスピーチ全文は、ある意味とても優等生ポイ、オーソドックスな構成でした。その意味では高校生らしい。でも、2点がとにかくViralになるべくしてなったというぐらい突出していました。こちらに全文

一つ目は、彼女のPhysical Presence。どちらかという小柄の彼女は、女の子ですがははは、坊主頭です。

でも、表情が凄く豊かで子のスピーチの最中、彼女の目からずいぶん長い間涙が流れ続けていました。

情熱的で、でもどこかで踏みとどまって、まっすぐに、メッセージを伝えようとする姿勢がすごく力強いのです。

そして、二番目が、いかにも高校生が大人に向かって叫んでるという、だからこそ、いわゆる政治のプロたちの子供には難しすぎる的言説を、きっちり封じ込める一言。 ’We call BS;.”

BSはBull Shitの略です。EmmaのCleverなところは、Bull Shitといわず、BSといったところ、いわば優等生ぽく悪態をついたという感じ。

EmmaはほぼSNSに興味がなかったらしく、なんとこの事件に巻き込まれるまでは、Twitterのアカウントを持っていなかったのですが、彼女とほかの高校生サバイバーが中心になって、大きな波を起こすためにスピーチの後すぐアカウントを取ったそうです。

で、なんと10日で100万人のフォロワーが付いたそうです

Emmaは、警察が生存者全員を助け出すまでの2時間、自分のスマホで外の状況をグーグルし続け、それを頼みに頑張ったそうです。

そして、結構恵まれた環境で育ったと自他ともに認めるこの高校生たちがたった一ヶ月半で、アメリカ史上最大の学生による集会を組織していったわけです。

私個人は最後に日和って現場には出かけませんでした。

でも、まあ、3時間TVの前の実況に噛り付いていました。

ではこのMarch for Our livesのどこが凄かったのか、またしてもEmmaの歴史的なClosing Speechにも触れながら解説しますね。

ええ確かに、彼女が集会の締めくくりでやったことは、本当にBrilliantとしか言いようがない。

彼女は、死んでしまった友人に短く、ふれたあと、沈黙しました。

沈黙が1分を超したころから、私は正直たぶんそうじゃないかなと思ってました。でも、4分の沈黙ってすごく長く感じますよう。

そう、エマは、あの銃撃が続いた死の4分間、沈黙したのです。

実際、特に右の大人どもは、あの虐殺の場にいたという経験のトラウマをまるで分っていない。

銃って本当に怖いのですよ。刃物とかだったら基本見えるでしょう襲われる前に。いわゆる治安が悪くAfrican Americanが多い都市部では、流れ弾が屋内にいた子供にあたって死んだなんて話、少なくないのです。

個人的に一番怖かったのは、2002年に、二人組の連続狙撃犯がでて、この二人が逮捕されるまでのほぼ3週間。

出没エリアは、メリーランド州、ヴァージニア州、そしてワシントンの三地域という広範囲。

場所としてガソリンスタンド、会社、そしてショッピングセンターのパーキングエリアとかで、二人が乗っていた車の中から比較的遠距離の標的を狙っていたのです。

とにかく、その手の場所で車から降りるときは怪しい車がいないか見回して、出来るだけ早く屋外なり車内に戻るようにしてました。

発砲音て割と小さいのです。こうぷスプスという感じで花火と間違えます。

でも、そのあと誰かが倒れる音は大きい。

さて、3月24日の集会の話に戻します。NRAだけでなく、ハードコアのトランプサポーターたちをものすごく嫌な気分にさせるようなことをこの高校生集会はきちっとやってしまったのです。

大体、集会の構成もよかった。

基本3-5人のスピーチごとに、参加してくれたまあ、若い子に人気があるタイプの歌手のショータイムがあります。だから飽きないのです。

大人のスピーチより、短めだしメッセージがストレートで、そして実際の事件の生存者の場合は、とにかく生の気持ちのこもり方が半端じゃない。

で、何が凄かったかというと、スピーチをした子供たちの若さと人種の多様性です。

銃規制が必要なのは単にいつどこで起こるかわからないMass Shootingだけが理由ではありません。治安の悪い都市部では、巻き添えを食って子供たちがどんどん日常的に死んでいるのです。

その決定的なスピーチをしたのがたった11歳の、Naomi Wadlerちゃん。

さすが固くなっていたけどもう立派でした。

この集会はワシントンの大集会がメインですが、それ以外に全米そして国外をあわせると全部で800か所以上に及びました。

そしてそのなかには、シカゴやロスアンジェルスのように、いわゆる都市がたの犯罪多発地域も含まれています。本当は行くべきだったのですが、ここバルチモアでもたしか市議会前でありました。

ほかにもサプライズゲストで、なんと9歳のでもさすがというマーチン ルーサー キングのお孫さんが短いペップトークやりました。

シカゴ代表のAfrican American高校生の二人組も、だいぶ上がっていましたが逆に切実感が凄かった。

さらに、今は高校生になった、Sandy Hook小学校の生存者たちも登場。この子たちは本当に感無量という感じでした。あの事件で私一度は完全にこの国が嫌になったから。

ここまで人種や経済的、文化的違いを超えて大きなうねりを作ってしまったのはただすごいとしか言いようがない。

もちろん、今年18歳になる若者たちに、選挙登録を呼びかけることもしっかり、それぞれの集会場で結構登録をすましてしまった数も多いと聞きます。

私はゲームに夢中な男の子や、SNS命のJKとかのことはそんなに心配していないし嫌いじゃないです。実際この集会でも、ほんの一か月ちょっと前まで、政治参加や運動なんて考えてもみなかったといっていたアメリカJKも結構いました。

日本の若い人達、いや大人たちも含めて、今のステイタスクオがそのまま続くと思っている人たち、あの人たちが怖い。

偏差値なんて、ものすごく狭く固定された能力しか図らない。

大体高校で勉強することって、受験とは関係なしに勉強するのなら結構意味のあるものが多い。

でも、そういう勉強は基本いい大学に行くための偏差値稼ぎのために捻じ曲げられ本来の意味を失っている。

ああいう人たちって、共感力、想像力、創造力が決定的にかけている。

この高校生が、それもどちらかというと裕福でおっとりとした育ち方をしてきた子供たちが始めた運動は、アメリカの方向性を変える大きな力になると思います。

まあ、それに抵抗する側もこれからどんどん汚い手を使ってくると思います。すでに、エマに対する中傷は高校生相手とは思えないぐらいにひどくなってきてますから。