私はいまだにイケハヤさんのブログを時々チェックします。ほとんどの記事はスルーしますが、彼経由で’カネカ’の育休ハラスメントのことを知りました。

 

日経ビジネスが、どういわけか力を入れてこの事件を取り上げているので、国外でもとりあげられるようになりましたが、簡単ないきさつはこうです。

1.奥さんが出産なので旦那さんが育休を取る。旦那さんはカネカの社員。

2.育休あけに、突然即刻転勤の辞令が発動

3.猶予期間を申請するが却下

4.社内のコンプライアンスや労働組合に相談するが彼らは会社の辞令をサポート

5.ついにあきらめて旦那さん辞職を決心。

6.辞職のさいも、有給の消化を申請したがこれも却下される。(これはたぶん法律違反だと思います。)

7.やりきれない奥さん、これをツイッターで発表。

 

これもう、アメリカだと考えられません。思うに、人事はたぶんいざとなれば、

単身赴任すればいいじゃん

 

と考えていたのではないでしょうが。でも、このおうちはごく普通の共働き世帯で、前もって準備して、家買ったり、保育園に申し込んだりしていたのです。

 

そこで、勝手にワンオペ育児期待されてもね。よく少子化が止まらないってこぼせる。

 

アメリカの場合、転勤がある場合は必ず家族一緒、そしてこういう人たちはたいてい重役とか支部長クラスで、会社側が転勤の際の煩雑な生活がらみの雑事を

サポートします。

 

逆に言うと、それより下のクラスでは、転勤は普通ない。出張か、そして最近はリモートでコラボしやすいし。

 

だから、ここまでだとまあ、基本爺どもがまたばかやっているとの印象でだったのでですが、その後すぐたまたま、

カネカはカネミ油症をおこした会社

としって、え、これたぶんものすごく怖い会社と改めて思い知ったのです。

 

私が学生時代を過ごした1970年代は、この国で’公害訴訟’が相次いで起きた時代。戦後ともかくなりふり構わず経済復興を推し進める中、大体1950年代ごろから、各地で’奇病’が発生し始めたのです。

 

私は、ちょうどレーチェルカーソンの’沈黙の春’を読んだりしていたころで、この辺の話はものすごく関心をもって追いかけてました。

 

 

大体、’公害’という言葉からしてかなりふざけてました。英語では、Environmental Pollutionあるいは、ただPollutionというのだということを最初に学んだときはさもありなんと思いました。

 

日本が、それなりに環境でも、温暖化でも、リサイクルでも随分と気を配る国になったのも、こういうかなりな黒歴史を通じてある程度学んではいるからです。

 

日本の4大公害病と、あのころ言われたのが、

水俣(熊本県、鹿児島県)、新潟水俣(新潟県)、四日市ぜんそく(三重県)、イタイイタイ病(富山県)

 

ずいぶんと多くの人が、何が起きているのかもわからずに、

苦しみ、やがて多くは死に至ったのです。

 

それに対して、カネミ油症の場合、最初は1968年から、西日本での原因不明の皮膚病の流行として認知されました。(実際には、1963年九州で、すでに最初の患者が出ていたといわれています。)

 

食用ライスオイルに混入したPCBが原因だということが判明してきて訴訟が起き、1977年に一度は原告側が勝訴するのですが、その後が怖い。

さらに、二審でも勝訴して、いったんは原告830人に対して、総額約27億円が支払われることになるのですが、その後最高裁を前にしてどうも会社側に分があるらしいということがわかってきて、原告側がおびえる。何せ一人当たりに換算すると350万円ぐらいですから、いっしょう治療に専念できるような金額ではありません。

結果的に、

受け取った賠償金(一人当たり訳350万円)を返さないでいいから、カネカ側に責任がなかったことを認める

 

カネミ油症の場合、患者は主に非常に醜い皮膚疾患に悩まされます。ただ、4大公害病に比べて、実際に肝臓障害などで死に至るまでは、時間がかかります。

’公害病’として注目をあびたのも、カネミ油症で悩む妊婦さんが、

真っ黒な赤ん坊を死産したから。

 

それにしても、どうして最高裁で覆されそうになったのか、はっきりしませんし、実はカネミ油症を訴えている人数に対して、国から公式認定されている人数も極端に少ないのです。

 

さて、カネカの正式名称は鐘淵化学工業株式会社、ピンとくるものありますか?

では、鐘淵紡績は?

そうです、

カネボウです。

 

カネカは、もともとカネボウから、非紡績関係のビジネスを切り離して設立された会社です。

さて、このカネカ’Food Solution’というビジネスラインがあります。あなたは、こういう会社の製品を使いたいと思いますか?

 

私はカネボウ化粧品すら、避けたい気分になりました。

 

 

 

 

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