今アメリカは、トランプのせいで歴史上始まって以来の長期政府封鎖が続行してます。トランプはすべて民主党が悪いなどといつものように言ってます。

 

が、それを素直に受け入れるのは彼の洗脳されきったコアなサポーターだけ。

 

そもそも、民主党が下院を取り返り咲いたのは今年になってから。トランプがもともとはメキシコに金ださして作ると公約していた代物です。さらに、過去二年間は共和党がすべてを牛耳っていたのですから、本当に緊急事態ならさっさと去年の暮に共和党に予算をつけさせればよかったのです。

 

さらに、ここのところトランプがマジにプーチンの傀儡だったといい仮説がだんだん、真実味を増してきて、この政府閉鎖で一番喜ぶのはプーチンだろうという声が出始めています。

 

民主党は一生懸命仮の政府閉鎖の休止法案を通すのですが、肝心の上院議長が、その手の法案を上院にかけることすら許しません。この議長にも、国外からいろいろな資金が流れているというニュースが流れ始めていますが。

 

で、同しようもない膠着状態が続いているわけですが、今日下院のPelosi議長が、実にCleverな動きに出ました。(本当に日本人の好きな表現で孔明エスクと言いたいです。)

 

英語まあま読める方はこちらの記事が分かりやすい。

 

説明しますね。

 

まず、大体1月の終わり頃、アメリカでは上院、下院、閣僚が集い、大統領の基調演説を聞きます。これは

State of the Union address

と呼ばれてます。

TVでもMajor Networkと Cable News全局が生中継。

これ早い話が、大統領にとっての年に一度の、自分のカリスマと、実績と政策Visionをアピールするいわば、一年に一度の大舞台です。

 

もちろん、とにかく人前で偉そうに演説するのが多分何より好きなTrumpはすでにもう、いかに現状の政府封鎖の罪を民主党側になすりつけるか、気合いれて準備しているわけです。

 

と、今日Pelosi議長は、とても丁寧でプロトコール通りのお手紙をWhite House に送りました。

丁寧ではおもしろくないので、ギャルっぽくまとめるとこうなります。

 

’あのさー、ドナルド、(Trump の名前)悪いけどこの前送ったState Of the Unionの招待状取り消すは。ほらさ、だっていま政府封鎖で働いているひとすごく少ないでしょ。だから、State Of the Unionに来る人全員に見合った警備完全に無理なんよ。

そういうわけで、悪いけど延期しまーす。あ、代わりに文書で届けてくれてもいいよ。’

 

State of the Union は立法と行政の政体が、一堂に会する大事な国事でもあります。そして三権分立の建前のもと、これは下院と上院がともに大統領を招待するという建前です。

 

で、昔々は実際大統領が長い文書を届けてそれでおしまいだったのです。ですから、それが建前としての最低限。

何しろ、アメリカ政府のVIPのほとんどが一箇所に集まるのですからこんなところに爆弾とか投げ込まれたらアメリカの機能が完全に止まります。

 

ですから、Pelosiの言っていることはすべて道理にかなってます。

 

それでも、やはりニュースの解説でも記事でも、みなニンマリしてます。いかにもトランプの一番弱いところをついたと言う事実にかわりはありませんですから。

 

最近Pelosiへの評価がどんどんあがってます。たぶん戦後の民主党下院議長では、レーガンによって共和党が完全に右寄りになって以来、一番の策略家であり、しかもFund Raisingがとても上手です。

 

ちなみに、今回の下院の民主党の構成は、なんといっても女性、マイノリティ、そしてリベラルがどっと増えたのが特徴です。

 

実は、Pelosiを選出するにあたり、民主党右派から何人か反対がでて、一時は混乱が予想されたのですが、結果的に最初はPelosiがベテランであることに抵抗していた若手の新人たちが、結果的に、Pelosiのほうが反対勢力よりずっとリベラルであるからという理由で付きました。

 

さて、レーガン以来、いつの間にかまるで悪いように扱われるようになってしまった’リベラル’という言葉ですが、今年頭に風向きの変化を告げる新しいポールが出ました。

これは民主党を対象にしたものですが、民主党の意識が変わっているということは、ぜんたいとしても時計の振り子が逆向きに振り始めたということです。

 

先週発表されたギャロップの民主党を対象としたポールで、1994年以来はじめて、自分をリベラルと認識するひとが、51%つまり過半数を越しました。ちなみに保守派13%、中道は34%となっています。

これがどのくらい大きな変化かといいますと、1994年の結果は、

リベラル25%、中道48%、保守25%ですから、すごいでしょう。

 

アメリカ全体で、1994年と2018年を比べると、

保守が 36%から35%にへり、

中道は 43%から35%に減ってます。

そしてリベラルは、17%から26%に増えてます。

 

で、これを見て思うのは、35%の保守は、これから世代の入れ替わりが進むに連れ確実に減っていきます。そして自分を中道と呼ぶ人たちも、1994年と比較すると、実際にサポートする政策はどんどん本来リベラルなアプローチとされるものが増えていくでしょう。

 

例えば、新人の若くて非常に威勢のいい、ヒスパニック系の下院議員、Alexandria Ocasio-Cortezが地球温暖化対策のために、10Million(約11億円)を超える収入に、70%の超課税をかけてはという提案をもちだしたのですね。

これに対して、アメリカ全体の過半数が賛成するというポール結果がでました。で、いわゆる独立(中道系)で60%、民主党系だとなんと70%が賛成してます。

 

日本人の私から見ると、一体だれが年収10億超えるの、そのうえなんても90%でもいいじゃないという反応ですが、ほんの数年前まであれほど格差ということがいわれていても、こういう議論を持ち出すひとはいませんでした。

 

アメリカの場合、一時期はやたらFlat Taxを持ち出すひとが多かったぐらい、累進課税に対する反発がレーガン以降すごく強くなってしまいましたから。

 

ところで、東洋経済オンラインに、アメリカから寄稿しているひとたちは、Fox News (かなりデマの多い、長右より言説を垂れ流すCable Network)だけみているのでしょうか。

さっきこの記事見て、アホかと思いました。

 

リトル・マーメイドも叩く過剰リベラルの罪 行き過ぎたリベラルに戸惑うアメリカ人たち

 

なんだか、アメリカ人と結婚したいかにも白人受け狙いの容姿のかたですが、これ一体いつの話なのだろう。

 

そもそも、この11月の選挙結果で、アメリカ全体の意識がまたリベラルに戻ってきたという分析が出始めたばかりです。

 

Obama Careがどうして今のような中途半端なものになってしまったのか、まるで無知だし。ちなみに私は所属先経由で健保と歯科保険にはいってますが、両方合わせると12万ぐらいです。健保が上がり続けるのはむしろアメリカの保険会社が暴利を貪り、さらに製薬会社もいいように薬の値段を高めにつけているからです。

 

さらに、いわゆるPolitically Correctnessをリベラルと一緒にしているところがひどい。

 

リーマンショック以降は、とにかく広がるばかりの格差をどうするかということが、リベラルの一番大きな目標ですし。

 

なにか言っていることが、Fox News の受け売りみたいなものばかりでひどい。このひとは多分、私のように黒人人口が多いところなんて’怖くて住めない’ぐらいに思ってそこで思考停止していると思います。

 

ちなみに、娘はBaltimore Cityで一番いいStem (理科系、Science, Technology, Engineering, Mathematics をつないだ言葉)の高校に通ってますが、ここ70%はAfrican American です。ちなみに市の人口比はもっとたかく、African Americanが90%を超えます。

 

でも、娘の学校では暴力沙汰とかありません。皆いつも明日の宿題とかTestの準備に明け暮れています。

 

もちろん公立です。

 

ともかく、アメリカの政治は動いてます。でも、日本はどうなるのでしょうね。

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