さっき、YoutubeをあれこれCheckしてたら、このVideoが目に付いた。

これは、完全にシュールな世界で、ただ、OLという究極の瑣末世界がその中心にあることで、単に非現実的というよりむしろ、

捩れたある種の現実が見える

 

で、もちろんこんな世界観が書けるのは日本にはいまひとりしかいない。

バカリズムです

 

日本にもどったら、Pokemonの夏映画と合わせて一番見たい映画ですね。

 

バカリズムは怖い。マツコのしゃれた毒舌が、すごく普通に見えるぐらい。

 

バカリズムの存在を知ったのは、一昨年の日本行きの飛行機の中です。

映画’架空OL日記’を見てしまった

 

そもそもバカリズムを知らなかったので、一体どんなものなにか全く見当がつかず、一度は、最初の2-3分見て、やめました。

だって、正直不気味なんだもの。どちらかというと小太り、坊ちゃん顔のオジサンが、準ぐうだらOLを朝ルーチンを、モノローグまで入れながらまんまやるんですよ。

正直、笑えるというよりむしろ、

ひたすらキモイ

 

バカリズムこと升野 英知 (年齢調べたら現在46歳でした。)のこと、あ名前は聞いたことあったような気がする、というレベル。

でもやっぱり気になりました。私なりの理由というのは、日本の男性有名人で、たぶん一番地頭がいい男性が多いのは、いわゆるお笑いの世界だと思っているので。

あと、個人的趣味として、

タイトルはすごくいい。

 

日本古典の日記文学を21世紀風にアップデートしたみたいでしょう。さらに、原作もバカリズムが、OLになりきって日記をつけるという体裁ですから、まるでリバース土佐日記でしょう。

あの時のフライトでは、’Bird of Prey’,それから’ヲタクに恋は難しい’と見た後、今一どれにも食指が動かず、しばらくMusic Videoみたり、なぜか大瀧詠一特集とかあったのでそれを聞いていたのです、で、やはり気になって、再度’架空OL日記’に挑戦しました。

大体、同い年設定で、一番気の合うという設定のマキちゃんと、月曜日をどんどんずらしていく話をするところぐらいから、このかなりキモイVisualの慣れてきました。

後は、どうっていうことのないOLの日常が、テンポよく続きます。

 

盛り上がる話題、そして主な関心は、

  • 嫌な上司や、男性同僚の悪口
  • 職場の環境改善(これが、個人的にはある意味一番面白かった。)
  • いわゆる女の子の興味

と、こんな感じです。で、映画は、姉御肌キャラである小峰さまの結婚式で感動しながら終わるのですが、この時突然、

架空OLは消滅し、傍観者である小太り坊ちゃん顔オジサンに統合されます。

 

えー、なんなのこれスゲー怖いんですけど。しかも、うまく説明できない怖さです。

確かに、うんうんとうなづく’名セリフ’??はいくらでもあります。それだけでもこの映画は見せてしまえるのかもしれない。深く考えずに楽しめば、

 

普通のOLが共感しやすい

 

なんて、それこそ普通の反応が出てきます。何よりこの映画にはOLのいたって瑣末的日常を、男性作者が描いているのにもかかわらず、男が妄想したがる

 

女同士のじめじめした争いがない!!

 

かといって、誰もがお互いをものすごく気に入りあっている仲良しこよしというのではないのです。

ぶっちゃけ、ここに登場する一般職OLたちは、全員そんなことをするには、

普通に頭良すぎるのですよ。

 

今は、平成も終わり、すでに令和。

平成では冷めたJKだった世代が高卒OLになったと考えれば納得も行きます。

 

大体、男が妄想するほど、令和の今本気で、後輩をいびったりする同性の先輩なんていもしない。

バカリズム演ずる架空OLが、後輩であるさえちゃんをたしなめる一言がすごい、だからバカリズムは怖い。

’いま私たちに必要なのは、真実じゃなくて矛先だから’

 

そうです、このOLさんたちには、実は

未来のかけらもない

 

そういえば、判子ケースのデコ比べエピソードも、現実から俯瞰して見直すととても象徴的です。たって、

判子は昭和的超低生産性の象徴じゃないですか

 

ちなみにこの映画の舞台となる職場は、

つい最近まではどこにでもあった、

銀行支店です。

 

銀行は、ほんのここ1-2年の間にものすごい量のリストラを進めています。

ですから、現実の一般職OLたちは、もうこの映画に描かれているような、無駄な仕事をAIやOnline Bankingで置き換えられていくわけです。

最終的に目の前に残るのは、

日本という国が、おじさんの既得権益を守るために、可能性を秘めた労働力を完ぺきなまでに無駄にしているということです。

 

何が恐ろしいかというと、

日本のあまりの多くの若い女性がとっくの昔に、

自分にあり得る様々な未来という可能性をすでに捨ててしまっているということです。

 

だから、結婚式は人生の最高Eventとして夢見られる。

その先はない。

 

ハッピーエンドって、女性の絶望の象徴でもあります。

 

ちなみに、リアルバカリズムが体現する存在は、そんな夢のかけらスラさえも手にすることができない、日本で急増中の、

未婚下流男子でしょう。

 

そんな彼らの起死回生のかすかなチャンスが、

 

ホスト、

Youtuber,

芸人

 

でしょうか。

たとえ突っ込みどころは合っても、キングコング西野さんも、もともと芸人出身、あと、Youtuber兼芸人として私がいつも感心している中田敦彦さんとか、今までのオジサンのBusinessや、発想とまったくちがうでしょう。

あ、とはいっても、古いタイプの芸人さんたち主流の、特に

日本のバラエティー番組は最低、最悪ですが

 

まあ、日本に戻るたびに、とくにGoldenタイムのTVってドラマも含めて、世界観古すぎて見るものがどんどんなくなってます。

と、そんな中でまたもや

バカリズムに救われた、

 

たまたま、ゴールデンタイムに移っていて、バカリズムの名前を見たので見て大正解。

家事ヤロウ!!

 

基本コンセプトが、またまたある意味異常に瑣末てき、

家事初心者であるバカリズム・中丸・カズレーザーの3人が、家事を基礎から徹底的に学んでいくバラエティ番組

 

なんというかもう、現実が後からついてくるという感じで、そもそも水曜2時台(火曜深夜)での放送ではじまり、そらが2019年4月木曜0時台(水曜深夜)に格上げ。次に2019年10月に水曜ネオバラエティ枠にさらに上がり、全国ネットへも拡大し、私が始めてみたころには、(2021年4月改編)火曜夜7時のゴールデンタイムへみごとなりあがりましたから。

しかも、これだけじゃなくて、この番組ネットで話題の家事初心者でも作れるレシピを実際に試してみる企画が中心になったりして、Net経由でもすごくブレイクしてます。もちろんこれコロナ禍と同調しますよね。

でも、これはバラエティー番組でしょうが、令和という時代との共鳴度が半端ではないわけです。ここ数日の記事見たって、

 

「俺だって家事やってる」「全然やってくれない」夫が絶句した夫婦のかみ合わなさを示す”あるデータ”

 

あ、この記事はこちらの本のまあPRでもあるのですが、本即注文、非常に面白そうです。

あと、今日はこんな記事も出てきました。

「”男の育休”法改正で風向きが確実に変わる」企業人事部がそう断言するワケ

 

そういえば、最近’性差別国家日本’という問題がらみの記事少しずつですが増えてますね。

確かに、コロナ禍でもはっきりしたけど、

大事なのは、

女性の社会進出以上に

男性の家事進出です

 

あ、もちろん、バカリズムがフェミニストだなんて言ってませんから、勘違いしないでください。

そうではなくて、そもそも

天才って、時代の変革期に生まれやすい。

そして時代の変革期というのは、それまでの世界システムのゆがみが来るところまで来て崩壊寸前の状態です。

で、

天才バカリズムはその歪みを創造の糧としているわけです。

 

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