はい、久しぶりに東洋経済オンラインさんの記事に突っ込みたくなりました。まあ、タイトルからしてひどいですがね。こちらです。

 

兜町で「テクニカル女子」が増えている理由、「老後2000万円」で投資に走る前にすべきこと

 

テクニカル女子って言い方からして、もういい加減やめてほしい。確かにものによっては、男子やら女子やら、つけると分かりやすい例もあります。例えば草食男子と、肉食女子とか。

 

でも、本文を読むとただ、Marketのテクニカルアナリシスを学ぶ女性が増えているということを言いたいがために、わざわざ’テクニカル女子’という言い方をしてるのです。

 

これって2重にあほです。

 

まず、わざわざそこで女子という言葉をはめ込むのが実にキモイです。

 

が、それ以上にうんざりするのは、

 

’へー、数字に弱い女の子たちが、最近は相場のテクニカルアナリシスを勉強しだしているんだって、なんでかなー、記事にしよう’

 

こういう、ジェンダーギャップ121位の日本の面目躍如のおじさん思考があまりにあけすけなのですね。もう、本当にやめてほしい。

 

ただし、今回これを取り上げる気になったのは、実はジェンダーの問題以前に、私は目が点になったから。

 

あのねー、

テクニカルアナリシスって、まっとうな投資理論じゃないです。

 

これを、この際強調しなくてはとまたおもったからです。

 

FPとしての仕事、そして背景、さらに成功した中小企業のOwner 社長だった父を何十年も観察してきて、私は、私なりに、お金持ちになるための最低限必要な知識について、すでにまとめております

 

連載終了してますので、よかったらどうぞ、

富裕層への道、’運 ギャンブル 投資 起業’  一覧

 

ともあれ、手っ取り早く普通に投資理論(Finance Majorの’Investment’という大学の授業のための教科書です。)の本文から引用してみましょう。

 

基本、投資分析には二種類あって、それは

Fundamental Analysis
Technical Analysis

です。

 

基本、アナリストがやるのは、Fundamentalsです。簡単にいうと、歳入予測に基づいた、企業価値の予測。

ですから、大きな資産を運用しているアナリストは、企業側と四半期ごとに、あれこれ質問するわけですね。

 

ちなみに、このFundamentalsを一番うまくやっているのが、オマハの賢人、アメリカ最大の投資家、Warren Buffettです。

 

で、テクニカルアナリストが一番すきなのは、自分がフォローしている株の値動きの

 

チャートを眺めてあれこれ予測する。

 

これ、全く非科学的でしょう。

 

統計と確立の大前提を無視している。

 

要するに、統計のCorrelation、つまり相関関係は、

 

因果関係ではないのです。

 

1.Aという事象と、Bという事象は、一緒に起こりやすい

2.Aが起きたのでBが起きる可能性が上がった

 

は違います。まあ、医学関係でもこの、1と2をごっちゃにすることが多すぎるのですよね。

 

ただ、医学だと1を目安に、2が証明できるか研究に進むというパターンになるわけです。で、たとえば治療やら、新薬やらというと、具体的に2を証明しなくてはならないのでうす。

 

でも、テクニカルアナリシスは、この1を2と言いくるめて売る、疑似宗教みたいなものです。

 

実は、この記事の本文でもこれを認めているので、では、一体何のためにテクニカルアナリシスなんてものの講習会を、女性をターゲットにして開催するのかといいたい。

 

「チャートが底で横ばいになっているところで、いつそのトレンドが転換するのか。その底打ちのタイミングを見極めることです。こうしたチャートの節目には何かドラマ(ニュースなどのトピックス)があるもので、それをきっかけに一気に上昇トレンドが形成されることがあります」(大谷さん)。

 

え、待ってください。見極めるって何ですか?

 

結局、動物的勘じゃないですか。

 

私だって、スタバが最初に上場したときに200株買って、それが何度も分裂した結果、一千万以上の収益を出したことありますよ。

 

で、こんなことにたまたま巡り合ったきっかけは、そのころ付き合っていた元カレが、オレゴン出身で、実はシアトルはオレゴン州のポートランドから車で3時間以内なので、事情をよくしっていて、スタバがシアトルですごい勢いで伸びていることを知ってました。

 

株で儲けるなんて、こういう情報をいくつまめに拾えるかです。でも、スタバがここまで大きくなるなんて、上場した時点ではだれも知らなかった。

 

ですから、Fundamental Analysis といっても、けっして完全予測ではない。

 

アメリカで、CEOとかが短期での収益を求められるのは、こういう投資家からのプレッシャーが大きかったからですが。

 

私がこの記事を読んでいて正直思ったのは、

 

この、講習を取っている女性たちは、きっとお金を払ってチャート分析!!ソフトとか買うのでしょうね。

 

考えてもみてください、こういうソフトで、株の予想がそう簡単にできるのなら、それを売ったり、教えたりしている人は、とっくに大金持ちになってるんじゃありませんか?

 

それなのに、この記事を書いてるおじさんはしっかり踊らされている。

 

では、投資と投機とどう違うのかあれこれ、それこそ私の書いた記事を少し読んでみてください。別に、何か買えなんて一言も言ってませんから。

 

この一件、私には情弱者相手の、新搾取商売かと思いましたよ。とはいえ、講習者に現役のFPさんもいるようで、こういう人たちは一体どういう勉強したんでしょうか。

 

げんなり。

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