私はNet収益化を布教する、成功ブロガーの言説についてかなり疑問を持ち続けていています。

確かに、検索エンジンがゆるい頃はアフィリエイトサイトで億り人なんて話ががゴロゴロ転がっていたのは事実です。でも、あれはまだ殆どの人が目をつけていなかった頃の話です。

 

で、結構そうそうネット収益化によるフリーランスはきついですなんてあまり受けないことを結構強調しているわけですが、少し前にこの記事を読んでもう一つ大きな問題があることに気づきました。

貧しくても「読む力」があれば世界は変わる、ブレイディみかこ×新井紀子「教育」を語る

 

この記事は対談形式で、著者はこちらの二人。特にブレイディさんの視点は大事でしょう。

 

少し長くなりますが、とても納得した部分をここに引用します。

 

政府が悪い、社会が悪い、と考えます。その良しあしは別として、何でも自己責任だと思わされてしまうと、1人ひとりが砂粒みたいにばらばらになって、結局、統治者の言いなりになってしまいます。’

 

そうなんです、フリーランスが貧困化しやすいもう一つの理由は、

孤立と、無保護です。

 

これは私自身あまり意識していなかったことですが、ブレイディさんは、今の過剰な’自己責任’という言説は、すでに日本の高度成長期に始まっていたと指摘します。

 

もう一箇所引用しますね。

 

’日本は敗戦で一度全部チャラになって、その後の高度成長期に、「頑張ればみんな豊かになれる」という風情があったんだと思うんです。それが逆によくなかった。それが「一億総中流」という幻想生みました。’

 

頑張ればどうにかなるという前提はフィクション

 

確かに高度成長期の場合、国全体が上昇機運にあり、さらに団塊の世代が消費による経済を牽引したこともあり、’頑張れば必ず豊かになる’という幻想は浸透していきました。

 

でも、バブルが終わりいわゆる’失われた10年、20年、いや30年’が進行していく中、この言説はいつの間にかもっと’既得権益層’に都合のいい

自己責任

 

という言葉にすり替えられていったのでしょう。

 

現在、乗り遅れた世代や、親の貧困によってハンデを追った世代は、日本の場合それでもなかなか本来国民の権利であるはずの、例えば

生活保護を受けようとしない。

 

以前は世代間、そしてうっとおしくともいざという時助けになるCommunityのサポートがあったわけですが、そういう社会の助け合い構造はほとんどなくなってしまった。

 

いや、自分自身のことを考えると、親がたまたま戦後の経済成長にのって成功した中小企業主だった、とそれだけでどれだけ助けられたことか。

 

でも、平成の、いや今や令和の中流と意識されている層は、もし何かの異変に襲われでもしたら、あっという間に貧困層に落ちてしまうでしょう。

 

それで、ひと自分たちがどんどん孤立化、分断化されていくことをなかなか見ようとしない。

 

実は今朝、まあ東洋経済オンラインの、いわば女性向きの記事を読んだついでに、このちょっと前の記事を読んだのです。

 

夫の不倫に10年耐えた妻と子の「意外なその後」、”既婚者同士のW不倫”に翻弄され続けた結末

 

まあ、記事そのものは自己評価が極端に低い妻が、ついに理不尽な夫からの離婚要求を機会に逆に立ち上がったという、いわば覚醒とハッピーエンドみたいな話なのですが。(後、住んでいるCommunityや、なぜか夫の実家のサポートがすごく有益だったという話もあって、これもいいですが。)

いつものようにコメント欄を見て、びっくり

一番人気の2コメントは、税金で不正を働いているのではという告発!!

 

これじゃ、日本人は冷たいと言われても仕方がない。

でもこれ結局、

 

人様に後ろ指刺されないようきちんとしたい

と言う日本的’同調圧力’と、

貧困から脱出できないのは自己責任

 

というプロパガンダが融合して私たちを分断している結果でしょう。

 

コメントの、トップはどうやらご自身も母子家庭らしい。で、今の法律ではこの記事の登場人物のやっていることは、いわば、

違法だと言っている。

(私、自分のブログにわざわざ告発の詳細なんて書きませんよ。)

 

そして、2番めのコメントでは、なんと、ことこまかに’正しい計算ではこなるはずだと’記述されてます。

 

いやー、母子家庭への補助は、そもそももっと柔軟性があるべきものでしょう。

さらに、生活保護なども、たとえばパートで少し収入があるからと、すぐ減額になったりとか、打ち切られたりとかひどすぎる。

 

 

アメリカの場合、トランプになってから不思議と’仕事の数’は増えてます。で、それを理由に株価はブイブイ言ってます。

でも、その実際はいわゆる

ギグ・エコノミーの蔓延

 

で、今朝こんなひとくち風刺が、英語のメッセージボードで、トレンドしてました。

原文はこちら、

 

’A republican businessman was having breakfast at a diner. He told the waitress that Trump has created millions of jobs since he took office. The waitress said “I know. I have three of them”.’

簡単に訳すと、

 

共和党支持のビジネスマンがダイナーで朝ごはん食べながらウエイトレスに’トランプが大統領になってから何百万もの雇用を創出したんだぜ’と言った。でウエイトレスは’うん、本当にそうですよ、私なんか3つも仕事掛け持ちしてるから’

 

アメリカで副業が多いのは、メインの職業だけで食べていけないから。さらに、正副どころか、食べるためにいくつも掛け持ちしている層も増加中です。

 

なかでも、とにかく多いのは、色々なタイプの配達。そしてNet経由の信じられないぐらい単価の低いData操作タイプのお仕事です。(この話はまた書きます。)

 

まあ、今更古いタイプのつながりを再生しようとしても無理だとは思います。でもせっかくNetもあるのですから、もうすこし

共闘する道を探しましょうよ。

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