Purgeという2013年制作のホラー映画があります。

アメリカの近未来、ますます格差が進み、Founding Fatherという極右政党が政権をとり、年に一回Purgeが行われます。

その日、夕方の7時から翌朝7時までの12時間、警察、消防署、そして救急医療サービスが停止され、すべての犯罪が合法化されます。

 

第一作目は、そんなPurgeの夜、富裕層向けにSecuritySystemを売り、自身も家族とともに、富裕層向けのGated Communityに住むサンディン家に起きた出来事が描かれます。

本来何事もなく引きこもる夜だったはずなのに、パージの直後に逃げ込んできた黒人男性を息子が匿ったために、暴力集団と化した同じ富裕層の人間たちと戦うはめになるのです。

この第一作目はもともとはイケメン俳優だったのに、中年になってから割とホラー、あるいはホラー系SFの主演が多い、イーサン・ホークがお父さん役で頑張ってます。

久しぶりにまあ社会派のホラーという感じですが、第一作は犠牲にされる貧困層と暴力を楽しむ富裕層という対立以外は、基本コンパクトなサバイバルホラーでした。

 

つまりよくできたB級、Situationホラー。

 

結構あたって、いかにもの感じで翌年には

Purge アナーキー、

2016年に、Purge Election Year,

そして今年のはじめにFirst Purgeが封切られたばかりだったのですが、

このPurgeがこの秋から

TVシリーズ化されました。

 

他にもいくつかEdgyなドラマシリーズ放映している、アメリカケーブル局USA. ここって、HBOを始めとするまあいろいろ話題作を放映してくれるプレミアムケーブル局と違って、ケーブルTVサービスの割とBasicなパッケージに入っているので私がよく見る数少ないチャンネルの一つ。

あ、今やよる遅めのドラマなんて、その時間に見ません。かならずOn Demandというあとで呼び出せる機能を使ってみますよ。

ともかく他にも今ハマっているメキシコ人女性がドラッグロードにのしあがるまでを描いた、’Queen of the South’というのが、すごく面白くてはまってますが。日本ではこちらで放映されていたそうです。

女王への階段

アメリカではこれ、シーズン3があと少しで終わりそうで、すごくもりあがってますが、日本ではシーズン2で打ち切りという噂も。

 

それはともかく、まだ始まったばかりなのですがどうやらTVシリーズは、ホラー的要素以上に現実の延長としてのデイストピアを描くつもりのようです。

 

設定が設定なので、もちろん凄惨な暴力シーンに事欠きませんが、まあプレミアムチャンネルではないので、酷いシーンは間接的にしか見せなかったりして、全体としてそんなにスラッシャーホラー的な怖さはあまりない。

 

同じケーブルでも、American Horror Storyのほうがずっとグロかったから。

 

あと、ストーリーの流れとして、4つが平行に進んでいくので、結構スローと言ってもいいペースです。まあ、まだ2話目が終わったばかりだけど。

 

1つ目のストーリーは、アメリカの海兵隊あたりの若い男性、彼は妹の行方をさがしているのだけど、妹の方はなんと見嫌な感じの自殺カルトに洗脳されていて、なんと他の若い子たちと一緒に殺されるためにブルーのバスに乗ってしまっている。

このカルトがなにかとても嫌です。すでに二人が死んでますが、もう完全に皆ビビっているのに女のリーダーはどんどん嫌がる子どもたち(高校生ぐらいの感じ)をバスから無理に押し出すのです。

たぶん今のところ、一番イヤな暴力シーン(全て、影絵化あるいは連れ去られるところでかっと。)別にそのものは映していないけど本当に嫌。

 

2つ目のストーリーは、野心家の夫とそのどうやらPurgeがいやなきれいで若い奥さん。このふたり、なんとPurgeをはじめた’Foundking Fathers’の政治家たちやその有力サポーターが集まるPartyに招かれて参加するのですが、このPartyも嫌な感じ。

いままで、いかにもEvilな富裕層は嫌というほど、Fictionの中でお目にかかっているのになぜここまで神経にさわるのか。

 

3つ目のストーリーは、大企業の重役の黒人キャリアウーマン。ところがこの人、秘密で自分のボスをPurgeないとに暗殺してもらうことを考えているのです。どうやらボスと関係がある同僚に先を越されっぱなしで怒り心頭みたいです。

でも、殺すのか?それと、彼女と彼女のチームはPurgeの夜も、

会社に泊まり込んで、お仕事!!

そして4つ目のストーリーは、まだ正体がはっきりしないけど、どうもPurgeの夜に自分ひとりで正義を貫こうと張り切っているみたい。正義のわりに、ホッケーマスクかぶってて、Friday 13thみたいだし、装甲済みのバンには、とにかく山のように武器を積んでいるし。

 

で、第一話は、第一回Purgeが始まるその数時間前から始まり、様々なエリアを映しながらそれぞれ違った形でPurgeの準備をしている人々を映し出すのよね。

 

その合間に、ニュースとかを挟んで例えば、

 

飛ぶように・銃器が売れてます。なんて流れる。

ちょっとまって、これアメリカの現実じゃない!!

 

TVシリーズ制作にあたって、Producerはこんなことをいっている。

 

’This could happen 10 minutes from now, 10 yard away.’

 

設定こそ2027年だけど、これ簡単な英語だからわかるでしょう。

 

そうなんです、Post トランプのアメリカの現実はもうPurgeの世界のスグ近くまで来てしまっているんです。

 

だから、おなじEvilな富裕層を見てもそれがそのままトランプやそのサポーターと重なって気分が悪くなるのです。

 

お話のなかでは、Purgeが成立して以来、それがずっと支持されていて、その理由というのが犯罪率と失業率の低下だという。

 

本当に、貧困層とくに有色人種の合法的大量殺人。

 

知ってます、フロリダを始めとして南部のいくつかの州では、自分の敷地に入ってきたら撃ち殺していいだけでなく、自分のGroundをクロスしたときでさえ銃で撃っても正当防衛をみなされるのよ。

 

で、これはいまのところ100%白人が有色人種、特に黒人を撃つケースのみ。

 

ここまで極端な法律ではなくとも、主に白人警官が過剰反応して黒人を撃ち殺すケースは、ひたすら増えてます。

 

本当に、10Munutes From now, 10 Yards awayですよ。(一ヤードはやく90Cm.)

そして、Purgeの最中に流れるPro PurgeのTalk Radioショウ。

これ、今のHateラジオを言っていること変わりません。

リベラルなやつを殺せとがんがんあじってますからね。

 

実際、トランプやトランプのサポーターは、対立する側に対して暴力を扇動する発言を繰り返してますし、さらに極右、白人優位主義者による暴力行為はエスカレートしています。

 

だから、フィクションとはいえ、どうも見続けるけどずーっと嫌な感じが続きそう。

予告編を見ていると何やらもっと嫌なことが起きそうです。どうしよう。

 

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