さて、私は、アメリカで現役FPとして投資(特に長期投資)のお手伝いはしますが、投機のおすすめもお手伝いもしません。ですから今回強調したいのは、投機的な取引で、人がどうやってお金を溶かしてしまうのかということです。
ついでに、デイトレードの基本的な仕組みと、本物のOptionの安全性についても付け加えます。特にOptionは、種銭が小さくても始めることのできる、どうしてもレバレッジを賭けたい若い投資家にとって、強い味方にもなるので。
まず、一口に投機といっても。
1.投機対象よって違いが結構ある。
おなじ投機対象でも、いわゆる株で、じつはそこまで大きく損をする人はあまりいないのです。株の値動きというのは、いわゆる誰もがアクセスできる情報によって本来予めわかってしまうという特徴(というかきちんとした規制によって可能になった前提)があります。
IPO(株式の上場)からあまり時間の立っていない株、そして特にBiotechや、IT系など、イノベーションの入れ替わりが激しい業界は、もちろん想定外の出来事で、大きな値動きをすることがありますが。
それに対して、Commodityつまり商品市場は、株式会社という組織全体の価値と違い、かんぜんに、
Marketそのものの動きに左右される。
さらに、国内の動向だけでなく、世界中のその商品の市場に影響を与えるものが値動きに反映されるのですから怖い。
ちょっとあげても、
天候、
政局、
景気
社会変化
巨大プレイヤー
などそれぞれの動きが、大きく値段を左右するわけです。
そして大事なことですが、FX,つまりForeign Currencyは、こういう商品の一つです。
投資の初歩のつもりで、
商品取引にあたるFXをやたらやる人が多いのは日本だけ。
どうしてこんなことになっているのか、私教えてほしい。
あ、そして例の仮想通貨の取引も、これCurrencyの一種なので、商品相場のひとつということになります。
だから、あれこれネットで情報やを探してFXに入れ込むのは、私から見ると、
万馬券狙いで、競馬の予想屋に入れ込むのと変わらない。
あと、ちょっと外れますが、投資でも投機でも、税金を踏まえたExit Strategyなしでは、いくらもうけてもあぶく銭。
とにかく、FXや仮想通貨は私絶対クライアントには進めませんから。
さて、投機の本当の問題は、
2.レベレッジの怖さ
なのです。
以前にも何度か取り上げたことありますが、投機的なことをやってみたいと思っている方にはとにかくこの本を一度読んでおいてほしい。
借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記 金森重樹著
これがタイトルの全容。この方はいわば一応地方の秀才で、東大に入り、その後基本エリートコースに適応できず、卒業後はフリーター化してよく分けのわからないお金持ちの使い走り、そしてその後は不動産屋でほぼ飼い殺し状態になっていたところから、立ち直ったのです。
今や、主に不動産投資などの、ビジネス書をたくさん書いてますし、メデイアにも一時期登場してご存知の方もいるのではと思います。
でも、金森さんの原点はここなのですよね。
彼がこんな巨大な借金を、ごく短い時間で作ってしまった原因が、
商品取引です。
彼としては、いわばメンターのように信頼していたとあるお金持ちに紹介された男に、商品取引を勧められ、マージン取引で持っている商品分を担保に、進められるままに買い続け、最終的に、
1億2千万円の借金!!
この時点で彼は飼い殺し状態となり、未来を失うわけです。そしてこの本の後半はそこからどうやって這い上がってくるか。
さすが脳の基本スペックは高いのでしょうという部分もありますが、所詮底で開き直ったメンタルの強さがKeyでした。
とにかく、レベレッジなどとカタカナにするから人によっては、なんとなく大したことではないように感じてしまうのですが、
投機でレベレッジを掛けるのは素人には無理です。
私は個人的に砂糖の商品取引を生業としていた男性を知ってましたが、彼は直感的に、いわゆるソシオパスタイプだと感じました。鉄のメンタルと、ブレなさ。
でもそういう人は私生活でも、共感力が欠けている事が多いので。正直普通にフレンドリーなのですが、私は寒気を感じたのです。
(私はお金を扱う職業についているのに、じつは平均よりずっと共感力、そしていわゆるEmpathyが強いのです。大体頭で判断したことよりも、まず殆どの場合一番正確という特技を持っています。)
とにかく、FXで儲けようとしているあなた、
所有している商品を担保に買いを増やすのは私おすすめしません。
特に今は、なんでもNetですから、人間が入らずちょっとクリックするだけで、条件を満たしさえすればレベレッジを欠けられる時代です。
だからこそ、自分の資産以上の莫大な借金を抱え込んでしまうのです。
単に、持っているものを全部失うだけでしたら、家族を養っているのでもない限りまだ救いがありますが、
とても返せないような借金を若くして抱えてしまったらそれは、
ホラーです。
では、これとデイトレードとどこが違うのか。
3.デイトレードのリスクは低くできる。
同じ投機、つまり短期投資の方法としてデイトレードを見た場合、商品取引などと違いリスクはかなり低く抑えることができます。
実は私のお客さんの一人が、もとDay Traderです。彼はそうやって元金を作り、その後不動産投資に切り替えて30代のはじめで億単位の資産を築いてました。
彼に、デイトレードの感想を一度聞いたのですが、その答えが、
2度とやりたくない。
彼は、砂糖の商品取引の人に比べると、ずっと普通の人で私は基本税金対策になる商品(アメリカではこの目的で保険を使う富裕層が多い。)がらみでお手伝いしてました。
デイトレードは、まあほんの数年で一財産作れる可能性を持ってますが、とにかくモニターの前で座っている時間がものすごく長いと言われます。
一言にデイトレードと言っても、スタイルは多様ですが、基本超短期の内に一定の収益を出す方法です。長くても数日、多くの場合その日のうちだったりします。
ただ、投機と微妙に違うのは、目標となる収益率をあまり高め設定しない。これによって成功率をずっと上げるわけです。
つまり、極端な話手数料をひいた後、例えば収益が1%だったとします。
ただし、それを週一回やれば、年利は52%。
そして、この年利を達成するには、週一目標で持ち金すべて動かすこと、つまり手元に500万あったとして、500万全部なら一回、250万ずつなら2回、100万ずつなら5回ということになります。
これもう完全に自分の決めたルールを守れるかいなかの問題でしょう。
アメリカには一定数Day Traderがいますので、こんな記事も
10 rules for rookie day traders
新人Day Traderのための10のルール、という感じです。もちろんタイミングをきっちり取ることも強調されてますが、このルールの肝は、
Margin Accountを使うな(レベレッジをかけるな)
と
欲に飲まれるな(自分が最初に決めた価格で売る。逆に動いたらさっさと損切りする)
です。
これは、日本でもできるので、モニターの前で長時間座っていられる方は頑張ってみてください。あ、最初は実際にお金を使わず練習したほうがいいですよ。
さて、デイトレード以上に、私が勧めたいのは、(もちろんこれ投資というものをしっかり知りたいという人向けですが。)
4.投資に必要な英語を身に着けてOption取引が一番お勧め
私はずっと、なぜ日本人がNetの投資と言ってすぐFXに走るのか、すごく不思議だったのです。それで調べてびっくり。
日本には事実上Option 市場と呼べるものは存在しません。
あ、ちなみにいわゆるバイオプは(Birary Option)は、基本丁半ばくちなので、私が勧めるOption 取引と違います。
私の元カレ(大学院時代)が、学院性時代から、Optionを始めてましたので、それで最初に知ったのですね。(私は彼の勧めで、スタバのIPO買ったのです。彼はオレゴン出身だったので、シアトルこともよく知ってたのです。)
ですが、今回この連載ではOption取引については触れません。ただ簡単になんで私がOptionを勧めるか説明しますね。
ちなみに、これは一種のリーズナブルな投資であることの証明につながるのですが、私の証券取引免許で、Option 取引は可能かつ、お客様の口座でもOption取引ができます。
商品取引は全く別で、免許も別ですから。
さて、Optionには基本4つのポジションがあります。
Put Optionの買いと売り、
Call Optionの買いと売り、
そしてOptionの定義ですが、
Putは一定の期間内に、指定の株を、表示価格で売る権利
Callは一定の期間内に、指定の株を、表示価格で買う権利
私がお客様でも、自分でもOptionをやると言った場合、基本Option を買うことです。
Optionの買い方にもいろいろな方法があり、奥は深いのですが、
Optionを買って投資をする場合、これは長期の投資ではないにもかかわらず、
最大損がはじめから決まっており、それはOptionの値段分のみ
つまり指定した株の価格が、思い通りの方向に動かなかった場合、
何もしない
だから、Optionに支払ったお金だけが無駄になるわけです。そしてそれは株価そのものの上下による損に比べると小さいのです。
さらに、Optionの価格そのものは、株価よりずーっと小さいので、同じ自己資金で、ずっと大きな取引に参加ができる訳です。
が、一方で、株価が自分の望んだ方向に動いた場合は、オプションを使って、もうけを出します。
もう少し詳しくやってもいいのですが、とにかくネット経由でアメリカの口座を開かないとだめなのです。で、アメリカ大手の非常にオンラインフレンドリーな、こちらはここアメリカでも評判がいいのでお勧めです。
Interactive Brokers Securities
ただし、アメリカの口座を開いたら中は全部英語なのでそのつもりで。だから英語って投資には欠かせないのです。
というわけで、次回は’富裕層への道’のGoalである、
起業について話します。